Angel Beats! ~君と~
「それは……僕に出来る事と出来ない事があるよ…」
「へんだ!!どうせ私何かサブヒロインだよーだ!!!」
「あれ?ゆりっぺってサブヒロインだったの?」
「おっと、ネタバレしちゃったみたいね……読者様、今のは忘れてね☆」
ち、勝手にネタ帳を見おって……出番少なくしてやんよ。
いや、してやる……。
サブサブヒロインに昇格させてやんよ。
いや、もう決定次項。
読者の皆様、今日本日をもってゆりっぺさんはサブサブサブヒロインになりました。
宜しくお願いします。
「ゆりっぺ、他に願いは?」
「ん~じゃあ、バッターボックスに立ってネタをやって相手の気を剃らして頂戴」
「うん……え?何て?」
ゆりの言う事が速くて聞けなかった、何言っているんだ?
とかではなく、確認で聞いている。
「ネタをやってって言っているの」
「ちょっと、僕にそんなネタは持ち合わせていないよ!!」
「私が考えたわ」
「そうなの?」
「ええ。あのピッチャーに告白してきて」
「うん……え?今何て?」
「だから、『初めて会った時からずっと貴女の事が好きでした。付き合って下さい~』って言えばいいわ」
「ゑーーーーーーーーーーーーーーーー!??」
叫ぶと同時にこの世の終わりだ、絶望した様な顔をしていたという(ゆり談)。
「簡単な事じゃない。ただ言うだけよ」
「い、嫌だよ!」
「大山君、あのピッチャーと同じクラスよね」
正確に言うならば、右斜めの一つ前にピッチャー事、小枝凛が居る。
「うん。なら、やらなくても良いよね……」
「ふふ♪やるのよ…」
脅迫めいた言葉を放ち、大山の眼を見る。
「嫌だぁぁぁあああああ!!僕は本気の恋しかしないんだ!!!しかも、振られるのが分かっているのにぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!」
手の指を物凄い速さで合わせる。漫画で言うなら、テコテコという効果音が出そうだ。
そこに、日向が割って入り、
「ハッ!初心(うぶ)な野郎だぜ。丁度、練習にもなるんじゃね?」
「うるさい!!!」
と、日向の軽率過ぎる言い方に気に入らない大山は反論する。
「僕は日向君とは違って本気の恋しかしないんだ!!」
「なっ!?俺だって今本気で恋をしているんだよ!!!」
一瞬、SSSのメンバーが居たその場だけの時が止まったという。
「はん!どーせ日向君は『コレ』なんでしょ!!音無君LOVEでしょどうせ!!」
右手の甲を左頬に持っていきながら言う。今まで見た事の無い大山がそこに居た。
「違(ちげ)ぇよ!!音無と俺はそんな関係じゃ無(ね)ぇよ!!!!」
ガシッっと大山の体操服の襟元を掴むと静かに、喉元に噛み付く様に眼を見る。
その男は日向では無い。
『仲村 ゆり』だ。
「なら愚痴っていないでさっさとやれよ……」
その『仲村 ゆり』は皆の知っている『仲村 ゆり』では無かった。
という訳なんだ。
ゆりっぺがサブサブサブヒロインになったり、色々大変だったんだ。
で、今バッターボックスに立って居るんだ(音無君が僕を元気付けて)。
はぁ…もう一回言わせて貰うけど、僕は本気の恋しかしないんだ……。
そりゃあ、小枝さん可愛いと思うけど……僕の事なんかOUT OF 眼中だし………。席は近いけど、手には届かない存在だよね。
椎名さん程じゃないけど、運動神経も良いし……体育なんかバク転してたし………もう何かと凄い人なんだよね。
さっき投げた球なんかさ、藤巻君やひさ子さんを圧倒してスリーストライクにしてたし。
そのお陰で僕、ツーストライクだよ……ってゆりっぺが言ってた事をやんなきゃ!!しなきゃ絶対後悔しちゃうよ!!何てったって相手がゆりっぺだよ!!死んじゃうよ(罰ゲームか何かで)!!!
どどどどどどどどどどどどうしよう!?
こうなったら……覚悟を…ってああああ!?投げようとしてる!!不味い!!
もう、言うしかない……!!
「小枝さん!こんな時に場所を選ばずごめんなさい!!始めてクラスが同じになった時から貴女の事がずっと好きでした!!付き合って下さい!!!(本音入り)」
パァン!!
「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
…その瞬間(とき)…、僕の何かが……欠けた…………。
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影