Angel Beats! ~君と~
「あれ?野田何であんな所に居るの?」
ひさ子が校長室に入って真っ先に目に入ったのが、野田が窓に佇んで落ち込んでいる。考え事でもしている、と思ったがあんな野田は見たことはなかった。
「あれは………」
回想
『うおおおおおおお!!』
「二人共やめてよ!」
ソファーから立ち上がって止めようと思ったら妙に右腕が重い。どういうことだ、と右腕を見てみたら小枝が寝息を立てながら寝ている――――――
「ちょっと何でこんな時に寝てるの!?」
突っ込んでも仕方が無い。何故なら、
「小枝ってさ、一度寝たらほとんど起きないからな……」
「どうすれば良いの藍川君!?」
謎の解説をする藍川に突っ込むが何の意味も無い。既に野田と結弦は拳が固く握られている。
「これはもう違う小説だなぁ……」
「藤巻君、突っ込んでいないで何とかしてよ!」
ゆりと遊佐は構わず何かを話している。
その内容は大山達の距離からでは聞こえない。
そうこうしている内に二人の距離は縮まっていく。
『じゃんけん――』
「え?」
『ポン!!』
結弦
グー
野田
チョキ
「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」
回想終了
「―――という訳だ」
「…………………」
ひさ子は、音無って案外ノリが良いんだな、と思ってしまった。
結弦が辺りを見回しても藍川が居ない。どうやら岩沢達を呼びに行っている内に帰ってしいまったようだ。
「んでゆりっぺ、俺達を呼び出してどうするん?」
日向と松下五段は除き、SSSメンバーは集まった。TKはいつの間にかダンスをしながら校長室に入ってきた。まさしく謎だらけ。
「まあ、日向君は除いて海に行こうと思うのよ」
その場に居たら恐らく日向は傷付いているだろう。
(海……)
海を写真でしか見たことがない結弦は初めてだ。というか、行きたくても行けなかったのだ。初音の入院費、生活費や食費、学費をバイトで払ったりして行こうにも行けない。
「Oh Ocean!! The海!!」
ヘッドスピンをする程嬉しいのだろう。
「ちょっと待ってよゆりっぺ。日向君はどうするの?この事は伝えてるの?」
右腕にスヤスヤと寝て抱き付いている小枝を慣れた様に放っておく。以前から腕をほどこうとしたが、小枝の力が強く、ほどこうにもほどけないのが現状。
「どーせさ、『ユイを置いてきぼりにさせる訳にはいかねぇから俺は残るよ』って言うと思うから海に行かないわ」
「え…でもさ――――――――」
「先程、確認をしたところ日向さんは来ないそうです」
口を挟み、続ける。
「理由は、『ユイをほっとけないZE!』、らしいです」
「ね?言った通りでしょ」
久々のドヤ顔をかますがそんなに決まっていない事をゆりは知らない。
そして、この部屋全員はこの提案で大変な事が起こるとも…知らなかった……。
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影