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Angel Beats! ~君と~

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遊佐は解ってしまった。年頃の娘がこういう事を聞いてくるのは、あれしか無い…と。初音の両肩に手を置き、背が高い為に腰を屈めて目線を合わせる。

「………そういうのは…あの、ひさ子お姉さんに聞いて下さい初音さん。何しろ身長と胸が大きく、経験も豊富で――――」

「STOーーーーーP遊佐!!何を聞かせるつもりだ!!しかも経験豊富って何だよ!?」

「またまた。ひさ子お姉さん。ねえ、初音さん」

「ねえ♪」

可愛く遊佐の言う事に同意する初音は、まだ知らないのかそれとも、知っていて同意するのか、ひさ子には判らない。

「止めろ遊佐!!初音ちゃんに何を教えた!?」

「……ふっふっふ…ねえ、初音さん。あのお姉さんまだ惚けて」

「ねえ♪」

また同意する初音。
ゆりの様に黒い笑みを浮かべてはいないものの、無表情の裏側に隠されている何かはチャーの家の温泉に居る者はまだ1/50も理解してはいなかった。
そこにこのチャーの家の家主、チャーが来た。

「ほら、お前達遅めの夕飯が出来たぞ。さっさと準備しやがれ。それと遊佐、頼んでた品が出来たぞ」

その品とは、以前にここを訪れた時遊佐が常に持っているインカムをチャーに改良してほしいと預けたのだ。

「どうも有り難うございますチャーさん」

「前よりも使い勝手が良くなったぞ。ついでにタッチパネルをi○hone位の大きさにした」

「以前より変わりませんが?」

「後ろにあるボタンを押すと0.0005秒でインカムが変形する。結構大変だったんだぞ」

「変形した後、元に戻すには?」

「それも後ろにあるボタンを押せばOKだ」

「変形する際、指を挟んでしまい怪我をしてしまう、なんて事は?」

「大丈夫だ。保証する」

大人の会話に着いていけない初音は頭の上にいっぱいハテナを浮かべている。

「貴様!!ゆりっぺをいやらしい目で見たな!!」

「何でいつも俺なんだよ!?」

「嫌いだからだ!!!」

「そんな理屈かよ!?」

「言っとくけどなぁ!俺はお前を球技大会で認めたワケではない!!」

「はい二人共そこまで。音無君は私をいやらしい目で見ていないから。少しは落ち着きなさいよ野田君」

「…ゆりっぺがそう言うなら……」

野田は親に怒られた様に大人しくなり、結弦が救われた。
その猛獣を扱い慣れているゆりには鎮めるのは簡単な事。

「遊佐さん、早く早く」

「はいはい。そんなに手を引っ張らないで下さい」

「お兄ちゃんも早く来てね!」

フローリングの床をペタペタと足音立てながら二人は奥の方へと行ってしまった。

(さて…っと俺もそろそろ入るか……)
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影