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Angel Beats! ~君と~

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横に拡がっているパラシュートを手で操作している医院長が上に居た。こんな暑い中でも白衣を着ているみたいだ。

「なんで!?」

「電話したのを忘れてました。『音無さんが海で行方知れずになった』と言いましたら、すぐに来る、とおっしゃってましたが、こんな早く現れるとは凄いですね」

と、いつの間にか遊佐が結弦の隣に居る。そして疑問に答えてくれた。

「なんなんだあの老人は?」

右手で陽の光を遮り、医院長を見る野田。
そしてメンバーの前で医院長が砂浜に着地しようとした途端、前から強い風が吹いた。
パラシュートで言うと後ろから。
風で思い切り前に進み、SSSに突っ込もうとするがメンバーの間を綺麗に分けて進み、脱衣所のコンクリート造りの壁に非常口の棒人間の様な形でぶつかってしまった。

「せ…せ、せんせー!!」

づるづると壁から徐々に落ちていき、鼻血がその跡を辿っていた。真っ白だった白衣にも少しだけ血が付いている。初音が駆け寄り、うつ伏せ状態になっている医院長の肩を揺するがまったく反応が無い。

「意気がっている老人だな……おい、だいじょ―――!?」

藤巻が仕方無さそうに医院長を仰向けにさせると、顔がぐちゃぐちゃに変形していた。
上唇が取れかかっていて、鼻が右に折れ曲がり、瞼(まぶた)がおでこ辺りにずれている。

「ひぃ!?」

初音が顔を両手で覆う。小さい子には刺激が強過ぎるのだ。

「あいててて……あーあ、無茶し過ぎちまったのう……」

「「「「その一言で済ませるか!?」」」」

ひさ子と藤巻とゆりと結弦が突っ込む。

「誰か……えーと……きゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅ」

「りんりん落ち着いて!こういう時はおっぱいを」

「しおりん違うよ!!」

「なら催眠術で」

「役に立たないだろ―――って岩沢!何でギターケースに入ろうとしてんだよ!!」

「青い狸がどうかしてくれるかと思ってなひさ子」

「違う!それは机だぜ岩沢!?遊佐!救急車呼べ!!」

「先程したのですが留守番になっていました」

ギャーギャー騒いでうるさいメンバーに、

「なんでそんなに騒ぐんかの?」

「「「「「「「顔面が大変なことになっているのに気付かないのか!!?」」」」」」」」

「へ?………あ!……ばれたら仕方無い……」

顔面をペタペタと両手で触り、ようやく気づいた医院長はすると、顎(あご)を右手で掴み皮をマスクの様に剥がしていった。皮は皮だが、人工的な皮だった。
メンバーは驚いたが更に驚く事がある。
医院長の素顔はイケメンとダンディを足すのではなく掛けてそこに更に倍にした顔がそこにあった。血が出て普通の人は台無しになるが逆にその流血がアクセントとなっている。

「ふぅ……」

第一声はいつものしわくちゃなお爺さんの声では無い。声優の様な格好良過ぎる声だ。残念ながら医院長の素顔を初音は両手を覆いながら気絶してしまった為、見れなかった。

「初音ちゃん?初音ちゃん……どうした!?誰にやられた!やったヤツ出てこい!!全身複雑骨折させて血祭りに上げて晒(さら)し首にしてやる!!」

気絶中の初音に額手を当て、空いている左手で首にある脈を測った。
外傷も無く脈も正常で何も異常が無いと判断した。

「あんたのせいだろうが!」

「それより結弦君!大丈夫か!?海で行方不明になったって!」

藤巻を無視し、一旦行方不明になった結弦の元に行き、目を見たり、口を開けさせて見たり、腕を回してみたりした。

「いえ…なんとも無いですが……本当に先生ですか?」

「そうだ。今まで隠してて悪かったねー」

あっはっはっは、と笑い次に聴診器で結弦の心音を調べた。一定のリズムでうっている心臓は健康的そのもの。

「あのー……付いていけないんですけど」

ゆりが手を挙げるが、医院長は無視した。息子が危険にさらされて見えない怪我が無いかどうかと、調べるのに夢中になっていて質問なぞ耳に入りはしない。
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影