【C83サンプル】エチュードを一緒に
ほむらとまどかの秘密(?)デートが発覚したときちょっと寂しい気分になったさやかはあえてまじめな顔を作った。流れから言えばここでさやかがまどかの奪還を宣言するはずだった。
「ううう、絶対にほむらを奪い返してやるっ!」
そのせりふに一番まどかが驚いている。
「え?私じゃなくてほむらちゃんなの!」
なんだか拍子抜けと言うかちょっと寂しい表情をしているまどかにさっと仁美が近づいて肩に手をかけた。
「ではわたくしがまどかさんを」
「えええ?仁美ちゃん?きょ、今日はなんかへんだよ?」
仁美とさやかはアイコンタクトをするとお互いが選んだ相手にアタックを開始した。こういう雰囲気になれていないほむらは何が起こるのか理解できなくてきょとんとしている。そしてまどかは何が起こるのかをよく知っているからこそ明らかに戸惑っている。
「ひ、仁美ちゃん、ね、やめよう?そんなこ……ひゃぁ」
後ずさりしつつ振り向いて逃げようとしたまどかは武術の経験(?)を生かしすっと間合いを詰めた仁美に抱き抱えられる。
「あああのさやかちゃん?なにをいったい?きゃぅあ!あおなかくすぐったいよ!はなしてぇうふふふふちょっ脇はっ」
ほむらは状況が理解できなくて逃げ出すのが一歩遅れた。すぐにさやかに抱き抱えられていろいろなところをくすぐられている。
四人の濃厚なスキンシップが数分続いた後仁美は「あら?そろそろ行かないと」と言うとあっさりまどかを解放した。ほぼ同時に解放されほむらは肩で息をしながら半分放心状態になっている。まどかはほむらにすり寄ると抱き合ってぺたんと座り込んだ。ほむらは目にうっすらと涙さえ浮かべている。
「ほら二人とも早く復帰する!おいてくよー」
加害者の二人が先導する中まどかとほむらはお互いの体を抱きしめたまままるで二人三脚のように支え合いながら立ち上がると体をお互いに離した。それでも最後まで手をつないだままだった二人はお互いにアイコンタクトをするともうずいぶん先に行ってしまったさやかと仁美を一生懸命に追いかけた。
作品名:【C83サンプル】エチュードを一緒に 作家名:佐倉羽織