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こらぼでほすと 解除14

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「刹那は、サバイバル能力に長けている。ニール、こいつはウイルスなんかにはやられないから安心してください。」
「そうそう、世界を放浪してたから、免疫力も高いみたいだよ? 」
「そこじゃなくて身だしなみっていうレベルの話だ。」
「一応、髪の毛は整えてると思う。」
「これでか? 跳ね上がってるけどな? アレルヤ。」
「オシャレってことで、どう? 」
「寝癖つけまくりで、オシャレもなんもねぇーよ。・・・ライル、毎朝、刹那の髪の毛を梳かせ。いいな? 」
「俺、自分の支度で忙しいんですけど? いいじゃん、天然パーマでワイルドで。」
 実弟は当てにならない。しょうがない、と、フェルトに寝癖チェックを頼んでいるあたり、ニールも、まだまだ子離れするつもりはないらしい。
「あんまり酷かったら注意する。」
「そうしてやってくれ、フェルト。」
「ニール、全然食べてないよ? 点滴する? 」
 そして、再度の脅しに、ニールも渋々と、自分の食事に手をつける。本当に食欲がないのだが、口にしないといけないとは思う。
「ママニャン、おまえさんには特別製のを用意してる。ほれ、これを飲み干したらオッケーだ。」
 ハイネが持ち出してきた密閉容器は飲み物ホルダーだ。手渡されて、口をつけたら、それはジャガイモスープの味だった。
「あれ? 」
「どうせ、固形物が通らないんだろ? そういう予想はついてたから、栄養添加したのを作ってもらった。とりあえず、それを飲んだら食事したことにしてやる。」
 事前に、ドクターたちも、それは考えていた。体調が悪いと食事ができないのは、毎度のことなので、それを考慮したものを用意した。ジャガイモ味のスープだと好物だから、多少、具合が悪くても口にするからだ。
「無理に詰め込まなくてもいいさ、ニールくん。最低限の栄養補給ができるように成分を調整している。一日に三本は消費すること。いいね? 」
「はい、ありがとうございます。これなら飲めそうです。」
「飲まないと、ハイネがお仕置きするだけだ。どちらでも構わないよ。」
 ドクターも、そう言って大笑いする。何年も治療に携わっているから、ニールの反応も慣れたものだ。地上のように、身体を休められるわけではないから、最低限、維持する方向で考えている。
「これ、たくさんあるんですか? ドクター。」
「そこそこ、用意しているが? 」
「じゃあ、刹那たちに飲ませてもいいんですよね? 」
「いいけど、きみの分は、きっちりカウントするから誤魔化しはきかないよ。」
「いや、栄養があるんなら、こいつらに飲ませたほうがいいなって思って。それと、酒で栄養摂ってる人とかに。」
 チラッとスメラギに視線を流して、ニールも意味有り気に微笑む。実働部隊の戦術予報士は、酒で栄養を補給するので、これのほうが健康的だ、と、思ったからのことだ。
「ちょっと? それ、わたしのこと? 失礼ね、ニール。私は、あなたみたいに食べないことはありません。夜はお酒が栄養だけど、日中は食事でカロリーを吸収してるわよ。」
「たまに休肝日は必要だろ? ミス・スメラギ。飲まないで休む日も作ったほうがいいぜ? あんたは飲みすぎ。」
「以前よりは量は減らしてます。私まで世話を焼かないでちょうだい。」
「いや、一理あるぜ? スメラギさん。俺も、休肝日は作ったほうが良いと思う。」
「ラッセェェ、この裏切り者っっ。」
「俺は、以前ほど飲めなくなったからな。独りで手酌だと加減が曖昧だ。」
「ほら、ラッセも言ってるじゃないか。しばらく、俺と食事する時は、これを晩酌代わりにしろよ。」
 スメラギの酒量は生半可ではない。眠るために飲んでいるというのも、ニールとラッセは承知しているが、それでも注意だけはしておく。今後、実働部隊に関われないニールとしては、この場で、それを言わないと、言えないからのことだ。二人から、真面目に注意されると、スメラギも苦笑するしかない。「わかったわよ。」 と、手にしていた酒をハイネに返した。
「じゃあ、スメラギさんにもスペシャルドリンクを。」
 ハイネも笑いつつ、それを運んで来る。ニール用として持ち込んでいるが、それでも製造するのに百単位にはなっているから、これも、こちらに荷揚げしておこう、と、明日の予定に入れておくことにした。
作品名:こらぼでほすと 解除14 作家名:篠義