Ib ~とある美術館での物語(5)~
決断
―イヴサイド―
「なんか・・・ずいぶんと雰囲気が変わったわね・・・」
あれからしばらく階段を降り続けていくと一本道にたどり着いた。
ただその道はピンク色をして、まるでクレヨンで描かれたようだった。
道の周りには同じくクレヨンで描かれたような花や家があった。
「まぁ、用心するに超したことはないわ。行きましょイヴ」
「うん」
そう言って私達はまた歩き出した。
道は真っ直ぐ続いていて道中花や家以外にも、湖、大きな果物が実っている木々、蝶が飛んでいる公園、美術館など様々なものがあった。
しかし、どれもクレヨンで描かれたようでどこか実物とは違っていた。
「そういえばイヴってさぁ」
「ん?なに?」
「マカロンって知ってる?」
「ううん、知らない」
「ハンバーガーみたいな形のお菓子なんだけどね」
「そうなんだ、初めて知ったよ」
作品名:Ib ~とある美術館での物語(5)~ 作家名:エグゼター