Ib ~とある美術館での物語(5)~
その声の後に「ドンッ」という音と「うっ」という声が聞こえた。
目を開けて音のした方を見るとメアリーが壁の近くで倒れていた。
頭を打ったのか気を失っているようだ。
そしてさっきまでメアリーがいたところには、
「危ないとこだったわね、イヴ」
ギャリーがいた。
「・・・ギャリー?」
「ええ、そうよ」
「ど、どうしてここに?それに体は大丈夫なの?」
「どうしてって、イヴを追って階段を上ったらメアリーがここに来るのを見かけて跡を付けてみたらイヴがいたってわけ。それと体はもう大丈夫みたい」
「でもどうして?バラの花びらは全部メアリーに・・・」
「それなんだけどこれ見て」
そう言ってギャリーはポケットからバラを取り出した。
「あ!花びらが」
ギャリーの持っているバラには小さいが青い花びらが一枚ついていた。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(5)~ 作家名:エグゼター