Ib ~とある美術館での物語(5)~
「あら?イヴにギャリー、なにかいいもの見付けられた?それより見て見て!この子がくれたのキレイでしょ!」
そう言うメアリーの手には赤いバラが握られていた。
「メアリー・・・それ・・・そのバラは・・・」
「え?・・・あぁ、もしかしてこれイヴの?道理で見たことあると思った!」
「メアリー、お願い・・・それイヴに返してあげて」
「えー・・・どうしよう・・・」
そう言うとメアリーはうーんと言いながら首をかしげた。
「イヴは返して欲しいの?」
「え?・・・うん、返して欲しいよ」
「そうねー・・・じゃあ・・・ギャリーのバラと交換して?」
「!・・・アタシのバラと?」
「ギャリーのバラって青色だよね?わたし赤も好きだけど青はもっと好きなの!」
メアリーは笑顔でそう言った。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(5)~ 作家名:エグゼター