Ib ~とある美術館での物語(5)~
「ギャリー、本当にいいの?」
「大丈夫よイヴ、アタシに任せて。・・・さぁ、交換しましょ」
そう言うとギャリーは自分のバラを差し出した。
メアリーはそれを見るとギャリーに近付いてバラを交換した。
「えへへ・・・やったぁ、きれいな色・・・あははははは・・・っ!」
メアリーはそう言うと階段の方へ走って行った。
ギャリーはメアリーが走って行くのを見送ると私の方に来た。
私の前までくるとギャリーはしゃがんで私のバラを差し出した。
「ホラ、大事にしなさいよ」
そう言われて私はバラを受け取り、ポケットにしまった。
「・・・ごめんなさい」
「あら?どうしてイヴが謝るの?」
「だって私がバラを落としたから・・・」
「バラを落としたのはイヴのせいじゃないでしょ?」
「そうだけど・・・」
「だったら、ね?そんな悲しそうな顔しないで。」
作品名:Ib ~とある美術館での物語(5)~ 作家名:エグゼター