Ib ~とある美術館での物語(5)~
「う、うん・・・」
「バラなら・・・ほら!今からメアリー追いかけて取り返すこともできるんだしさ!」
「・・・うん」
「がんばりましょ!きっともう少しよ!」
ギャリーはそう言うと階段へ向かって歩き出した。
「・・・ありがとう、ギャリー」
「どういたしまして」
ギャリーにお礼を言うと私もギャリーに並んで歩き出した。
階段のところへ辿り着いた私達は少し早足で階段を上り始めた。
「急いでメアリーに追い付かないとねギャリー」
「・・・そうね」
「・・・ギャリー?なんか辛そうだよ?」
「え?・・・早足で階段を上ってるからよ、心配しないで」
そう言うとギャリーは私を追い抜いて先に進み始めた。
しばらく上ると階段は終わっていて短い通路になっていた。
通路の奥には階段が渦を巻くように上へと続いていた。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(5)~ 作家名:エグゼター