Ib ~とある美術館での物語(6)~
脱出
「やっと着いたわね」
あれからギャリーとピンク色の道を戻った私達は道のすぐ横にある美術館に辿り着いた。
ドアを調べると鍵が掛かっていたので「美術館」と書かれた鍵を使いドアを開けた。
「開いたわね、行くわよイヴ」
私はうなずくとギャリーと一緒に美術館へ入った。
「・・・え?」
「ここって、アタシ達がいた美術館?」
中へ入ってみるとそこは私がお母さん達と一緒に来た美術館の入り口と同じだった。
「・・・戻って来れたのかな?」
「それにしては受付の人もいないし、人気もないわ。けど完全に違うとは言い切れないわね」
「どうする?」
「とりあえず一階を調べて、なにもなければそこの階段から二階へ行きましょ」
「うん、わかった」
そう返事をすると私達は一階を調べることにした。
「それにしてもアタシ達が入った美術館とまるっきり同じようね・・・」
「そうなの?わたしは二階から見たから一階はわからないんだ」
「あら、そうだったの?・・・アタシが見る限り作品の種類、配置まで一緒みたいね」
「そうなんだ。・・・でも、特に怪しいものはなさそうだね」
「そうね。それじゃ、次は二階を調べてみましょうか」
一階になにも無いことを確認した私達は次に二階へと向かった。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(6)~ 作家名:エグゼター