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Ib ~とある美術館での物語(6)~

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一階の展示物は二階のと同じように絵が飾られている他に、床に描かれた大きな絵、キレイな宝石などが展示されていた。

一通り見終わって二階へ戻ろうとしたがあるものに目が止まった。

それは部屋の隅っこに展示された大きな赤いバラの彫刻だった。

その展示物の周りには人はあまり集まってなく、青いコートを着た人がいるだけだった。

別にそのバラ彫刻が特別キレイな訳ではなかったが私はその作品の近くに行きコートを着た人と並んで作品を見た。

「この作品に興味があるの?おじょーちゃん」

「え!?う、うん」

突然コートを着た人に声を私は驚いてそう答えた。

「これはね『清新の具現化』っていう名前の作品なのよ」

「そ、そうなんですか」

そう返事をして私は作品を見た。

「・・・なんかこの像を見てるとね・・・、すごく切ない気分になるのよねー・・・なんでかしら?」

そうコートの人は呟いた。