二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと 解除16

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

「・・・ああ・・・なあ、ロックオン。俺みたいに戦わないでくれな? 後先考えず、自分の感情のままに戦って、死んでも良いから敵を滅ぼすなんて・・・・そういう戦い方はしないでくれ。」
「わかってるよ。敵討ちは、もう終わってる。」
「・・・俺、なんで、あそこで暴走したのかなあ。」
「俺が知るかっっ。・・・・それは忘れろ。」
「おまえまで巻き込んでさ。」
「これでよかった、と、俺は思ってるよ、兄さん。・・・あんたを取り戻せた。」
「・・・いつか、父さんたちに報告に行こうな? 」
「ああ、そうしよう。・・・ほら、疲れたんだろ? 負ぶってやろうか? 」
「そこまで疲れてない。歩くよ。」
 ライルの腕から、ゆっくりとニールは逃れていく。本当に壊れていやがるな、と、ライルは内心で悪態を吐く。やはり、こういう場所に連れて来るのは問題があるらしい。やれやれ、と、ロックオンが髪を梳き上げて息を吐いたら、背後から蹴りが入って、壁にぶつかった。
「ニールを泣かせるとは万死に値する。」
「ニールを泣かせたら、離婚するぞ。」
 紫猫と黒猫コンビが、ダブルで蹴りを見舞ったらしい。ニールのほうには、ハイネがいる。タイムアップになっても戻って来ないから、探しに出てきたらしい。
「疲れたか? ママニャン。」
「ちょっとな。」
「じゃあ、横になれ。」
「・・うん・・・」
 どっこいせ、と、ハイネが担ぎ上げて、そのままスタスタと退場する。低重力帯だから、トンッと床を蹴ると、推進力が得られる。ニールを担いでいても、重みもない。民間船のほうへ移動して行ったから、ハイネも、マズイと気付いていたのだろう。
 俺が貧乏くじだ、と、立ち上ろうとしたら、刹那が手を貸してくれる。すでに、ティエリアは、そのままハイネを追い駆けていた。
「大丈夫か? ロックオン。」
「ああ、低重力で助かった。」
「・・・おまえには甘えるんだな? 」
 刹那にニールが泣き言を垂れるのは滅多にない。ロックオンに抱きついて泣いていたところを見て、さすがに双子の片割れには甘えることができるんだな、と、思った。
「俺なら、気楽なんだろ? 」
「それは、俺がおかんにしてやれないことなのか? 」
「うん、まあ、兄さんも、おまえらには格好つけてたいんだと思う。だから、見なかったことにしてくれ。」
「了解した。」
 ロックオンは顔を見ていなかったから気付かなかったが、実兄は、ひっそりと泣いていたらしい。やっぱり、この場所は辛いんだな、と、苦笑した。ロックオンの亭主も、頬を緩めている。なんとなく、ロックオンの亭主は、そのことに気付いているらしい。
「俺の機体も見せないほうがいいか? 」
「いや、あんたのは大丈夫だろう。兄さんが乗ってた機体だったから、落ち込んだんだと思う。」
「わかった。・・・・おまえが居てくれて良かった。」
「どうだろうな? ・・・・まあ、いいよ。そういうことにしておこう。今夜もコンサートを見るのか? ダーリン。」
「そうなるだろうな。」
「じゃあ、俺は、その時間は抜けて、大人組のほうに合流する。」
 それほど、ラクス・クラインに興味はない。リハーサルと同じものなんだから、何度も見るのは退屈だ。それなら、ハイネたちと飲み会をしているほうが楽しいので、ロックオンは、そちらに出向くことにした。





 三日間、適当に散歩して、のんびり過ごして、出発の日が来た。ティエリアとアレルヤは、民間船に同乗して、このまま三ヶ月弱の旅行に出る。残りは、留守番だ。ニールは、一足先に医療ポッドに叩き込まれた。発進の加速に身体が耐えられないからの処置だ。「またな。」 と、気楽な挨拶をしたので、留守番組も、笑顔で送り出した。
「さあて、帰るとしますか。」
「ハイネ、周囲の警戒は俺とアレルヤがやる。おまえは操縦に専念しろ。」
 帰りはリジェネによるフォローはないから、代わりにティエリアとアレルヤが、そちらを担当する。プラントからやってくるエターナルと途中で合流する。もちろん、その地点は、各国のレーダーレンジから外れた場所だ。民間船の収容を悟られないために、そういう辺鄙な地点を選んでいるが、一応、警戒は怠れない。
 ハイネも、治療が終わってからは、割とのんびりとした時間を過ごさせてもらった。民間船の整備は、人手を貸してもらえなかったから自力だったが、それだって三日もかければ、独りでどうにかなる程度のことだ。それに、組織だと、ニールは子猫たちが取り合いになるので付き添っている必要もなかったからだ。まあ、それなりに注意はしていたので、デュナメスのショックには対応できた。
「了解。それじゃあ、そっちは任せたぞ。」
 組織のドックから発進してしまえば、後は船の自動管制と航法システムが頼りだ。何もない場所だから、自分たちが存在する場所を確認する指標もない。近くの天体との距離で、それを計測させつつ進むことになる。
「ハイネ、エターナルからシャトルでオーヴへ降りるんだよね? 」
「そうだ。」
「じゃあ、僕らはオーヴから自由行動にさせてもらう。」
「おお? おいおい、アレルヤ。ママニャンが目を覚ますまでは付き合えよ? 」
「ごめん、ニールには謝っておいて。後で、連絡は入れるから。」
「俺たちの予定も、時間が限られているんだ。だから、予定通りに動きたい。・・・ニールのほうは、リジェネがいるから問題はないだろう。」
 アレルヤとティエリアの言い分に、ハイネも、しょうがないか、と、了承する。ニールと過ごすとなると、そこで時間は、かなり食うだろうからだ。
「わかったよ。おまえら二月末の特別ミッションは、たぶん入ると思うから、そこいらの予定は空けておけ。」
「俺は、組織に戻るんだが? 」
「うちの上得意様がリクエストしたら、とんぼ帰りになってもやらせるぞ? それだけは拒否権はない。」
 どういうリクエストか、まだ不明だが、例年通り、指名はアレルヤとティエリアに違いない。ティエリアは、その直前に組織に戻る予定であるらしいが、リクエストが判明したら拉致してでも店に出させるつもりだ。
作品名:こらぼでほすと 解除16 作家名:篠義