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こらぼでほすと 解除17

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 別に、ただ飲み会をやってたわけではない。組織からの依頼事やらの打ち合わせも、空き時間にやってきた。『吉祥富貴』の代表として、ハイネが、あちらに出向いて、その打ち合わせもしていた。表立って組織と繋がっていることは、今後も公言することはないが、協力できることは、こちらもするつもりをしていた。できる範囲を摺り合わせておかないと、どちらも動けない。その話の中でスメラギは地上施設に、配備する旧MSの二機の保管場所として、こちらを指名した。待機所として、『吉祥富貴』は場所を提供しているのだから、マイスターが、地上で、そちらにいる可能性が高いからのことだ。それに、以前もエクシアを保管していた実績もあってのことだ。
「別に、うちはかまわんが生体認証が厄介だな? 整備ができないが、それでもいいのか? 」
「生体認証は外すそうだ。そうでないと、地上に居るマイスターが誰か、その時に、わからないからさ。」
「そういうことなら、それでいい。アスランとキラへの報告は、おまえがしておけ。俺は、プラントから降りるからタイムラグがある。」
「了解。・・・・まあ、うまくいった。」
「くくくく・・・・確かにな。ママが、あっちの関係者になるのは確定しているのが笑えるな。」
「上司様ご一行は、その確認で降りて来たんだとさ。そうでないなら、あの漢方薬の下賜はなかったらしいぜ? ・・・・三蔵さんと暮らせる人間っていうのは、それほど奇特だっていうのは、納得だ。」
 基本的に、八戒たちは人間界での戦闘事には不干渉ということになっている。特に、悟空と坊主は、そちらには関わっていない。まあ、多少、肉弾戦程度なら構わないらしいが、やりすぎたら帰還させられる。今後、ニールも、そちらの関係者になってしまうから、予防も兼ねて、どこでも活動させないということに、キラたちも決めた。『吉祥富貴』としても、ニールは寺で『日常』担当をしてくれるほうが、何かと有り難い。組織のほうには、その事実は告げない形だが、復帰は不可能ということで認識させた。
「ははは・・・三蔵さんは気難しいとこがあるからな。ママは、気にもしていないが、普通には大変なんだろうさ。」
「まあ、なあ。そのうち、MSの降下については詳細を連絡してくるだろう。マードックには、保管場所を空けてくれるように頼んでおく。」 
「来年の話なんだろ? そう急がなくてもいい。・・・・それより、ハイネ。年末年始は、いつも通りでいいか? 」
「はいはい、独り者遊撃隊がラボのお留守番はさせてもらう。ダコスタ、前半と後半、どっちがいい? 」
「俺は、とりあえず年末年始はラボに居座りますよ。どうせ、独りなんだから。」
 年末年始は、これといって用件がなければ、いつもダコスタとハイネがラボの留守番を担当する。独り者なんて、長い休暇を貰っても、やることがないからだ。ハイネも、ニールが本宅と里で独占されてしまうと、途端に行き場がないなんてことになる。
「俺も、行くところがないんだよなあ。」
「たまには、プラントに戻れば? ハイネ。」
「おまえこそ、そうしろよ、ダコスタ。」
「いや、わざわざ戻っても・・・俺の友人は、軍人だから。」
「それは、俺もだ。しょうがないな、適当に別荘で暮らすか? 」
「そうですね。」
 毎度ながらの掛け合いをして、今年も同じことになる。プラントに知り合いやら友人はいるのだが、こちらで活動していることは内密だから、いろいろと言い訳が面倒だし、地上で一時の遊びぐらいで済ますほうが、後腐れもなくて楽だから、こんなことになる。
「おまえら、しばらくプラントへ戻るか? 」
 出会いの機会がないのも、いかがなものか、と、虎は提案するが、どっちも否だ。なんせ、少数精鋭の『吉祥富貴』だ。独り者遊撃隊が抜ければ、ラボは交代要員がなくなってしまう。それに、『吉祥富貴』に参加しているのは楽しい。普通の軍では考えられない自由裁量だし、やることがありすぎて、そちらに意識を向ける暇もない。
「イザークたちが、プラントのほうの担当だろ? 虎さん。・・・俺は、ママニャンで間に合ってるからいい。」
「隊長、俺も別に困ってませんから。適当にしてますんで、気にしないでください。」
「それなら、それでいいが。」
「報告は、これで終了。シャトルに搭乗するまで寝かせてもらうぜ。」
 ハイネは、報告が終われば休憩だ。数時間は、ゆっくり寝られる。地上に降りたら降りたで、キラへの報告やらラボでの仕事があるから、ここで睡眠は確保しておく。
「オーナーが、しばらく別荘で滞在するから、ヒルダたちがラボのほうは手伝ってくれるそうだ。」
「ん? あいつら、休暇だろ? 」
「俺たちが戻るまでヘルプしてくれるとさ。鷹さんが、今は、独りで留守番してる。」
「あーそうか。」
 ラボは、現在、アスランと鷹が担当している。ただし、アスランはキラのお守りもあるから、鷹のほうがメインで働いている。これにハイネだけが交代しても、鷹の負担は、あまり減らないなんてことになる。十日近く、休みナシの状態だから、ハイネたちが戻ったら休んでもらわなければならない。虎が二・三日後で戻ってくるから、それまでヒルダたちが助けてくれる段取りなのだ。
「しばらくは大人しいと思うが、今の動きも把握しておくべきなんでな。」
「了解。情報の解析は、キラにさせてデータ収集に勤しむ。・・・んじゃあ、おやすみー。」
 大混乱させた世界が収束していく過程も、監視は怠れない。ここでも、何かしらの闇取引は起こる。それをチェックしてストックしておくのも、今後のために必要なことだ。荒事がなくても、『吉祥富貴』も暇ではない。
作品名:こらぼでほすと 解除17 作家名:篠義