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Wizard//Magica Wish −2−

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波乱の後、まどか達はマミの自宅へと移動していた。
案の定、喫茶店で一服する時間にしては遅すぎたので、さやかの提案でマミの家に集まろうということになったのだ。
綺麗に片付けられた部屋の真ん中でマミが苦戦して選び抜いたした洒落たティーカップが4つ程置かれている。

「はぁ~まったく、どうなるかと思ったよ。キュウベぇが来てくれなかったら私たちあの…ん…なんだっけ?」

「『ウィザード』さんだよ、さやかちゃん」

「そうそう!そのウィザードって奴に私達のソウルジェムを奪われるところだったよ!」

「礼には及ばないよ、さやか。僕も間に合うか心配だったよ!」

「あぁお手柄だったぞキュウベぇ!!ウィザードの野郎ぉ、今度あったら絶対私がぶっ潰す!!」

「だからって、街角でばったりあったから一人でやっつけるなんて思わないでね、佐倉さん。私のティロフィナーレの直撃を受けても立ってられる相手なんだから」

「ははっ!そういえばあの時のマミの顔!まさに絶望しきった表情で面白かったなぁ!!」

「も、もう!からかわないで頂戴!」


「ね、ねぇ皆!」


まどか が勢いよく声を上げ、その場に立った。彼女がここまで力んで声をあげるのは非常に珍しいことで、隣りにいた さやか が声を上げて数歩分後ずさった。


「ウィザードさんって本当に悪い人なのかな?確かに私達のソウルジェムを狙っているのは事実だけど、結局は杏子ちゃんを助けてくれたし、何か理由があるんじゃないかな?」

「おいおい、まどかぁ…。確かに私はあいつに助けられたよ。けどな、そのあとあいつはそのまま私を攻撃してきたんだ。私にはわかるんだ、あいつの剣さばきには一切の迷いがねぇ、本気で私達を襲うつもりだったんだ」

「鹿目さんの言い分もわかるわ、けど、もっと自分を大事にしなさい。一歩間違えてたら標的はあなただったのかもしれないのよ?」

「で、でも…」

「まぁまぁ皆落ち着いて!ほら、まどかってこんな性格だからさ。まどかも一旦落ち着こう?ね?」

「ご、ごめん。さやかちゃん…ごめんなさい、杏子ちゃん、マミさん…」

「お、おう。こっちも悪かったよ、まどか」

「少し感情的になりすぎたわ、私こそごめんなさい」


さやか は まどか を座らせ、軽く頭を撫でて上げた。
だが、当の本人は一旦落ち着いたが、やはりなにか腑に落ちない感情を抱いていた。
そんな中、キュウベぇがひょっこりと、テーブルに上がった。


「僕にも奴の正体はわからない…けど、一つだけわかることがあるんだ」

「な、なんだよキュウベぇ。もったいぶらないで教えろよ」

「まず一つ、奴、ウィザードの魔力の源は『ソウルジェム』なんだ」

「ぶふっ!!!!…は、はぁ!!?」


杏子は盛大に紅茶を吹いた…ちなみに目の前に座っていた さやか の頭に思いっきりかかってしまった。
杏子が驚くのも無理はない。本来ソウルジェムはキュウベぇと契約した「女の子」が手にすることができる代物なのである。
もう一度説明しよう。
「女の子」が手にすることが出来る代物、である。


「ソウルジェムって、…どう考えてもあいつは男でしたよね、マミさん!?」

「え、えぇ…間違いないわ、あの身のこなし、声つきは男の子ね」

「ま、まさか!!?…あいつは…女になれきれなかった…おか」
「それはないと思うよ?杏子ちゃん」


「どういう経緯でソウルジェムを手にしたのかは、僕にもわからない。けどウィザードの使っている魔法の源はソウルジェムに間違いないんだ。ねぇ杏子。ウィザードが魔法を発動させるとき、右手に指輪を付けていたのを覚えているかい?あの指輪は形は違えど、正真正銘、ソウルジェムの魔力の波動と類似していたんだ」

「確かに言われてみれば…」

「なるほどね…あと、ウィザードの話題とは少し離れちゃうんだけど…キュウベぇ、聞きたいことがあるのだけど」

「なんだい?マミ。僕に答えられる範囲なら別に構わないけど」

「どうして、私が倒した筈の魔女が復活していたのかしら?なにかわかる?キュウベぇ」


「あっそういえば」
「そうだ!ウィザードの事で頭いっぱいだった!」


確かに、あのお菓子の魔女「シャルロッテ」が再び まどか達の目の前に現れたのがもう一つの謎だ。倒した魔女が復活するケースは今回が初だ。


「ごめんよマミ。その件は僕にもわからないんだ。けど少なからずともウィザードと何か関係がある筈だね」

「そう…キュウベぇも知らないんじゃ仕方ないわね」

「全く!最近の見滝原は一体どうなってんだよ!これから何が起こるかさっぱり見当もつかないね!」

「まぁその時は、この魔法少女さやかちゃんが華麗に…」
「そのネタ、もう鮮度切れだよさやか…正直寒い」

「な、なんですってぇ!!?って、その前に杏子!!さっき私に紅茶かけた件忘れてないでしょうね!!?」

「ちッ!まだその事引きずってるのかよ!女々しすぎだろ!!」

「落ち着いて、二人とも!」

「まどか は黙ってなさい!今度という今度はあったま来た!!…今日こそは絶対決着付けてやるんだからね!覚悟しなさいよ杏子!!」

「お?ここで勝負すっか!?上等ださやか!!」

「あ、あぅぅ…」






「やれやれ、不可解な事件が起きているっていうのにまたいつもの感じになってきたね」

「ふふっ!まぁ良いんじゃない?キュウベぇ。その時はその時で!」

「はぁ…マミも昔と比べて随分丸くなったね」

「っ!!きゅ、キュウベぇ…丸くなったって、性格の事よね?…まさか顔のことじゃないでしょうね!!?」

「え?性格の事を言ったんだけど、…まぁ確かに前と比べると顔も丸くなったね、太ったのかい?マミ」

「キュウベぇ、あなたは当分おやつ抜きね」

「っ!!な、なんでだい!?全く訳がわからないよ!!」





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作品名:Wizard//Magica Wish −2− 作家名:a-o-w