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新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第90話

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  第90話 「レスキュー・アタック」


  M.P.D.BRAVE本部。有事の為に備えたレイバーズと葉山が乗ったJバギーが待
機していた。

  退屈そうに葉山がステアリングにもたれながらガンレイバーに言う。

  葉山 「あ〜・・・・結構・・・ヒマだなぁ・・・。」

  ガンレイバー 『ああ・・・・まぁ、たまーに待機で待つってことあるから別にいいんだ
けどなー。』

  ショットレイバー 『その間にも隊長達は、人質の救出に出向いているんだ。それに、た
だの誘拐事件ではない。マイトガイン達の機密を奪おうとするが為に、誘拐事件まで引き起こ
す・・・・・今の時代であれば、ハッキング等の方法があるにもかかわらず。』

  ガンレイバー 『重大な機密事項なんだ。簡単にハッキングされて情報が漏れるんだった
ら恐くてたまらんぜ。相当な情報防御が成されているはずだ。』

  ショットレイバー 『それはそうなんだろうが・・・・。』

  その時、葉山に本庁から緊急無線が入る。新たに発生した事件であった。

  無線 「ガ・・・警視庁より伝達っ、警視庁より伝達!!事件発生!!事件発生!四足歩
行型ロボットと思われる移動体が多摩川より進入!!警邏隊の呼びかけを無視し、上流方面を
目指して進行中!!!M.P.D.BRAVEの出撃要請を乞う!!!繰り返すっ・・・。」

  葉山 「おーっし!!俺達の出撃命令が下った!!俺達は俺達の仕事をしようぜ!!輸送
機の準備だ!!」

  葉山たちは、自分達が受け持つ事件に対応すべく出撃した。


  榎本は島の脱出口に用意してあったホバーヘリへ、一部の部下達と共に乗り込む。この後
に起こる事態を見越しての行動。榎本・・・エグゼブはこの島を用済みと見なした。

  一つのアタッシュケースを開き、中にある5億円を目にする。不敵に笑みを浮かべた後、
超AIや、合体及び変形機構等のデータCPUが入ったアタッシュケースを手に取る。

  エグゼブ 「これさえ手に入れば本体など用済み。人質ごと葬ってくれる。しばらくは時
間稼ぎのために一暴れさせてやれ・・・・時が来たらアジトを遠隔操作で爆破させる。」

  部下 「御意・・・。」

  手段を決して選ぼうとはしないエグゼブの思考回路。それは凶器とも言うべき感性だ。

  ホバーのエンジン音が鳴り響き、彼らを乗せたホバーヘリが離陸する。エグゼブは離れて
いく島を見下ろす。

  エグゼブ 「精々踊るがいい・・・・。」

  尚、このホバーヘリは、外部装甲にステルス性能を備えた素材を用いているので、探知さ
れない構造になっていた。故に極秘の移動が可能なのだ。

  エグゼブ達は、機密データと共に夜空へと吸い込まれ消えていく。

  監禁部屋では、紬達の衝撃的な現状を目にした舞人が戦意を喪失して落ちていた。彼が純
粋であるが故に、精神的なダメージは大きいものだった。

  舞人 「・・・・。」

  丈 「・・・・・。」

  丈も沈黙を続ける。だが、決して精神ダメージからではない。いや、無論であるが彼も彼
なりの精神ダメージを受けている。しかし、それを上回る闘争心が彼を支配していた。

  丈はあえて無言を貫き、舞人を窺っていたのだ。どれ程の無言が続いたか。丈が口を割っ
た。

  丈 「・・・・いつまで潰れている気だ?舞人。」

  その言葉を聞いた数秒後、舞人は顔を上げた。その目は絶望の目であった。

  舞人 「・・・・・・・紬さんが・・・・紬さんが・・・・っっ!!!」

  とても今までの舞人とは思えないほどネガティブな状態。純粋な彼にとって紬に襲い掛か
ったバイオレンスはそれほどまでの精神的な衝撃を与えていた。

  丈はそんな舞人に憤りすら覚えてしまう。

  丈 「くっ・・・・それでもお前は勇者か?!!だったらこんな所さっさと出て、意地で
も二人を助けるぞっっ!!!」

  舞人 「紬さん・・・・・!!!」

  丈 「お前は・・・・・!!!くそったれえっ・・・・!!!」

  殴りたくても殴れない。丈は拘束された手首の縄を、柱の角にこすりつけ始めた。



  紬 「〜〜〜・・・!!!」

  輩A 「〜・・・・・がああっ・・・!!!!」

  絶望と屈辱で泣きながら絶句する紬達をおもちゃのように扱う非道な輩達。ここでは詳し
く表現できないが、その行為は非人道そのものの行為である。汗をかき、満足したようにため
息を吐いた。

  輩A 「ふぅ〜・・・・・はぁ〜・・・久々にエンジョイできたぜぇ・・・・。」

  輩B 「ああ!ミスターエグゼブ様々だぜ!!!」

  菫 「・・・・・。」

  輩C 「やっぱりバージンはいいぜ・・・絶望の余り声すら出ねえ見たいだけどな。」

  その時、壁にあったモニターからエグゼブが彼らに直接指令を出す為にその姿を映す。輩
達は、一斉にモニターを見た。

  エグゼブ 「くくく・・・愉しんでくれたかな?諸君。」

  輩D 「み、ミスターエグゼブッ!!!」

  輩B・C 「!!!」

  エグゼブ 「取り込みの最中悪いが、そこへ彼らの援軍が向かっている。地下に保管して
ある機体で、スクトリア部隊と共に迎撃に出てくれたまえ。邪魔はされたくないだろう??」

  全てはエグゼブの画策。だが、欲望に取り付かれた男達は決して気づくことは無い。更に
彼に逆らった場合は死が待っている。男達は踊らされるほかなかった。

  輩達 「りょ、了解っっ!!!」




  それと同時刻。要達も島の近海上空に到達していた。吉崎が接近する複数の機影を捉える。

  吉崎 「?!・・・接近する複数の機影あり!!島の方角から次々と接近してきます!!
こちらが攻撃される可能性も・・・!!!」

  要 「ここはあえて向こうの砲撃が開始するまで進む!!特別正当防衛を誘うっ!!」

  要の無茶とも思われる命令。下手をすれば撃墜されかねない。吉崎が動揺する。

  吉崎 「そんな?!!下手をしたらこちらが撃墜されますよ?!!」

  ジェイデッカー・バーニアン 『吉崎隊員、そのことであれば問題ない。隊長と私で攻撃
の囮となる!回避に関しては私が一番適任だ。』

  要 「そういうことだ。俺とジェイデッカー・バーニアンなら、攻撃の回避など造作もな
いさ。その間に、バスターボンバーとフレアダイバーが先行、周囲の敵機達を叩いてSWAT
隊の突入をバックアップをしてくれっっ!!!どの道、交渉に当たった舞人達の身に何かがあ
ったとするなら、状況は芳しくない!!!」

  ジェイデッカー・バーニアン 『先行したら私が島を分析して、そのデータをSWAT隊
に送信しますっ!!!そのデータを元に突入へ移行してくださいっ!!!

  SWAT隊 『こちらSWAT、了解!!』

  そしてブレイヴフォース部隊とスクトリア部隊が接触。スクトリアが主兵装のアームバル
カンを駆使して発砲を開始。この瞬間、特別正当防衛が成り立った。

    バドルルルルルルルルルルウゥゥゥッ!! ドォドドドドドドドドドドォォォ・・・