新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第90話
丈 「下手に抵抗したらこれ以上の激痛が奔る・・・案内しろ。」
紬達が囚われている場所。紬と菫は散々に心を痛めつけられ絶望に暮れていた。その場所
に轟音が響いた。
ダダダキュウッ・・・・・・・ドガアアアアアアンッッ!!
舞人 「紬さんっっ!!!」
丈 「菫ッッ!!!」
紬&菫 「?!!」
ドアーキーを破壊して、舞人と丈がドアを突き破って突入した。部屋の中に、モニターで
見たとおりの彼女達が視界に飛び込む。二人の心は更なる怒りと悔しさが同時に猛る。
舞人 「紬さんっっ・・・・くっ!!!」
丈 「奴らめええっ・・・・!!!」
直ぐに舞人と丈は、サバイバルナイフで彼女達をベットに拘束したロープを断ち切る。紬
は、開放されると同時に舞人に抱きつく。きついまでに舞人を抱きしめた。
紬 「舞人君っっ!!!」
舞人 「おっと・・・・紬さん、こんな目に遭わせてしまった上に助けが遅れて本当にゴ
メンっっ・・・!!!ここまで来るのに時間が掛かりすぎてしまったっ!!!」
紬 「ううん、舞人君は全然悪くないっっ!!!」
舞人はきゅっと抱きしめてくる紬の髪を何度も撫でた。一方の菫は、開放してもらうと同
時に、体育座りするようにしてベットの上できゅっと自らの裸を隠すようにうずくまる。
菫 「・・・・・っ。」
こんな状態かつ、生まれて初めて想い人に見せる裸に恥ずかしさを隠せないでいた。それ
をかぶせる様に汚れてしまった現実も襲う。
丈 「・・・・・待ってろ。」
丈は思春期の彼女の気持ちを酌み、自分の上着を脱ぎ、床に落ちていたシーツに手を伸ば
すとそれらを彼女に手渡した。
丈 「これを着て、シーツを身体に羽織っておけ・・・。」
丈のクールなまでの気遣いと優しさに、傷ついた菫の心が少し癒される。菫は丈の上着を
着た上にシーツを言われたとおりに羽織った。
菫 「・・・・ありがとう・・・・。」
だが、その次の瞬間だった。アジト全域に轟音と巨大な振動が響いた。
ドォドドドドドドドゴゴゴゴオオオオオォォォォ・・・・!!!
ダギギャアアアアン・・・・ドゴゴゴゴゴゴガガガアアアッッ!!!
アジトの建造物も次々と崩壊。瓦礫が四散し、粉塵が巻き上がっていく。上の階にいた勇
士朗と澪もこの衝撃に見舞われる。
澪 「きゃあああっっ!!?」
勇士朗 「っっ!!!」
勇士朗は咄嗟の判断で半裸の澪をお姫様抱っこする。そして低空を浮遊。光を纏って一気
に駆け出す。この状況では地下に回れる余裕は無い。やむを得ず、要達に委ねざるをえなかっ
た。
シュゴアアアアッッ!! ドォドドドドズズズズズゥ・・・!!!
次の瞬間には、二人がいた部屋は瓦礫に埋もれ始めていく。外ではこの地震のような振動
を起こした正体が地下を突き破って出現し始めていた。
ディギャガアアアアアッッ!!! ズズズズズズドォオオオオオオオオオ!!!
それは、ツェレター90とデスロカリスであった。操縦するのは紬と菫を汚し続けた4人
の輩達である。輩の男A・Bがツェレター90に、C・Dがデスロカリスに搭乗する。
島内で戦闘していたバスターボンバーとフレアダイバーの前にツェレター90が立ちはだ
かり、その頭上をデスロカリスが通過していく。
輩A 「くはははは!!!ぶっ潰してやるぜ!!!」
輩C 「ブラックノワールの技術を思い知れっっ!!!」
バスターボンバー 『なんだ、こいつぁっ??!』
フレアダイバー 『新手っっ・・・・要隊長っっ!!!』
吉崎 「新たに大型熱源反応っっ、2機の巨大ロボットが現れました!!!」
無論この事態を把握していないわけがない。吉崎の緊急報告が響く。要は直ぐに進行中の
SWAT部隊に後退命令を出した。
要 「なっ?!!SWAT隊は緊急後退だっ!!!ジェイデッカー・バーニアンとバスタ
ーボンバー達で相手をするっ!!!」
島から出現した忌々しいロボット2機とブレイヴフォースの戦闘隊が対峙する。紬達の拉
致から始まったマイトガインのデータを巡る一連の事件は、局面を迎えようとしていた。
つづく
作品名:新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第90話 作家名:Kブレイヴ