新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第90話
勇士朗は部下を再び殴り飛ばすと、低空ダッシュしながら現在の階より三階上を目指す。
目的のフロアに到着すると、勇士朗の姿に気づいたエグゼブの部下達が一斉に発砲する。
エグゼブ部下 「侵入者?!!撃ぇ!!!」
ダダダダダダ、バララララララァァ・・・ピキュン、キュイン、ピキキキュン!!
勇士朗は弾道を見切り、左右に身体を振りながら低空を特攻する。一気にエグゼブ部下数
名の間合いに入り、素早く拳を個々に打ち込んだ。
ドドドドォガッッ!!
勇士朗 「おおおおおおおおお!!!」
シィキュオンッ!! ドッガゴオオオオオオオオオオオ!!!
そこから加速し、一人のエグゼブの部下に蹴りを打ち込む。そして着地するように低空を
スライド。個々に回り込んで蹴り飛ばしていく。
シュオオオオオッ・・・・ドォガオッ・・・・ドォズガアアッ、ドォドォオオ!!
勇士朗 「せやぁあああああっっ・・・!!!」
ドォッドォオオオオオオッッ!!!
ジャンプして後の二段蹴り。そして最後の一人に加速して回し蹴りを見舞う。
ドォガオオオオオオオオオッ!!
そして目的の部屋にたどり着く。そのドアの向こうでは澪に更なる屈辱が施されようとし
ていた。
中年の男A 「このままじゃいつ巻き添え食らうかわからねえな・・・中途半端で俺もこ
と切れちまったし・・・・。」
中年の男B 「そうだな・・・後々めんどくさくなる前に殺す??」
中年の男C 「ああ?!俺は巻き添え食らう前に悔いなくやりてえよ!!」
欲望を振りまく下衆中年達。澪は無駄と解りつつも叫ばすにはいられなかった。
澪 「やだああああああっっ!!!もいやああああああっっ・・・!!!」
すると中年の男Cががっと澪の口を抑えて脅迫する。
中年の男C 「うるせえなおい?!お前はな、俺達のおもちゃなんだよ・・・なぁ?!な
ぁ?!わかってんのか?!おお??俺達の欲望満たしのおもちゃなんだよ・・・お!!?」
澪 「・・・・!!!」
恐怖にすくむ澪。流れる涙が痛々しい。その横から容赦なく中年の男は拳銃を出した。
中年の男B 「おい・・・・今からこの拳銃つっこむぞ・・・いいな?!!」
澪 「やめてぇっっ!!!いやぁっっ、助けて勇士朗ぉおおおおおおおお!!!」
最後のあがき。とっさに浮かんだ想い人の名を澪は叫んだ。その叫びを中年の男Bが嘲笑
った。そのまま拳銃を澪の下半身へ持っていく。
中年の男B 「彼氏かよ?!わらわせるぜぇ・・・そんじゃ、そう・・・。」
澪 「いやあああああああああっ・・・・!!!!」
だが、その次の瞬間――――。
ドォガドオオオオオオオオオオオオオッッ!!!
中年の男B 「ゅごぉぐああおっ――――?!!」
ズドォバガァアアアアアアアン・・・・ガシャドオオ・・・
澪 「??!」
中年の男Bの側面上からドアーの扉が高速で吹っ飛んできた。中年の男Bにそれが直撃し
て、致命的なダメージを与えながら吹っ飛ばす。
中年の男A・C 「なんじゃああ?!!」
入り口には勇士朗が立っていた。激しい憤りの表情を浮かべたまま部屋に入る。そして澪
の屈辱的な姿が目に飛び込む。
勇士朗 「なっ――――――澪っっ?!!!」
澪 「勇士朗?!!」
彼女である澪が、どこの馬の骨かわからない中年達に弄ばれた。その怒りと屈辱が勇士朗
の闘争心を臨界点まで爆発させる。勇士朗は怒りの叫びを放った直後、瞬間移動するかのよう
に動いた。
勇士朗 「っっ―――てめえええええらああああああああっっ!!!!!」
キュンッッ・・・・・ドォガゴオオオオオオオオッッ!!!!
中年の男C 「ひでぶっっ――――!!!!」
シュオッ―――
勇士朗 「クソやらぁあああああああああっっ!!!!!」
ドォズガアアアアアアアアアア!!!!
中年の男A 「てうっ―――!!!!」
中年の男達は個々に壁を突き破りながら高速蹴りで吹っ飛ばされた。無論、その向こうは
地上までの距離数十メートルの空中。愚か者の末路である。
窮地に駆けつけた彼氏の登場で、澪は一気に安堵の感情へと上る。だが、同時にこんな姿
を見られたくなかったという気持ちもあった。
澪 「勇士朗・・・・。」
はっとなった勇士朗は澪を見て歩み寄る。澪は隠したいこの状態を隠すことが出来ない。
澪 「っっ・・・見ないで・・・。」
勇士朗 「だ、大丈夫・・・・今すぐ外すから・・・っ!!」
バキッ、バキャキッ!
勇士朗は理性を維持してファイバードの力を賭し、鎖を引きちぎった。その瞬間、澪はが
ばっと勇士朗に抱きついた。こんな姿を見られたくないという想いから一転、全身全霊で澪は
勇士朗にすがった。
澪 「勇士朗っっ!!!」
勇士朗 「澪?!!」
付き合う以前ならば、嬉しさの凄まじさに気絶していたか完全に理性が消滅していたかの
状況。だが、今は既に二人の一つの壁は越えている。澪は泣きながらうったえた。
澪 「汚された・・・・・汚されちゃったよっっ・・・・!!!」
勇士朗 「ごめん・・・・!!!助けが遅くなった上にこんな目にまで合わせちまって・
・・くっっっ!!!ちくしょうッッ・・・!!!」
勇士朗は自分の不甲斐なさに自ら憤る。だが、澪はそれを泣きながら否定した。
澪 「いいよ・・・勇士朗は悪くないもん・・・・助けて・・・くれたもん・・・・うう
うっっ・・・・うううっ・・・うあああああん・・・うああああぁぁぁん!!」
勇士朗 「澪・・・・・っっ!!」
感情があふれ出して泣き叫ぶ澪。勇士朗は彼女の頭を撫でて更に抱きしめた。
同じ頃、地下では舞人と丈も武器を奪い、エグゼブの部下達を倒しながら突き進み、二人
同時に奪ったマシンガンを発砲しながら駆け抜ける。
バララララララララララララァ・・・ダダダダダダダララララアアアッ!!
エグゼブ部下達 「がっ・・・・ぐおあっ・・・・がああ!!」
舞人 「救出するにあたって、紬さん達がどこで捕らわれているのかわからないんじゃあ
元も子もない。部下達なら居場所を知っているはず・・・・!!
丈 「ああ。そろそろ道案内を確保する・・・!!」
ドバラララララララッッ!!
エグゼブ部下F 「があああっ・・・!!!」
現エリア最後の部下一人を仕留める。そして近づきながらマシンガンの銃口を額に押し付
けた。
丈 「おい・・・紬嬢達が囚われている場所へ案内しろ。抵抗しても無駄だ。」
ダアアアアアアアンッッ!!
エグゼブ部下F 「があああああああ?!」
丈はえげつないまでにマシンガンをエグゼブの部下の男の右肩に放った。菫達の救出の為
に精神が修羅と化していた。
作品名:新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第90話 作家名:Kブレイヴ