こらぼでほすと 年末風景2
なんとなく居た堪れない気分になったので、悟空が話題を逸らす。年末年始は里帰りするので、もれなくリジェネもついて行く。ニールの着替えは、どこでも一式、保管されているから問題はないが、リジェネは、あまりない。
「この間、ハイネにマンションまで連れて行ってもらって、ティエリアのを用意してきた。ラクスのとこには一式あるだろうから、三日ぐらいなら十分あるよ、悟空。」
「それならいいんだけど。カレー、ちっとも残らなかった。残念だ。」
「帰ったら、また作るさ。辛いのがいいのなら、アイシャさんのを作ろうか? 」
「うん、それいいなあ。」
「あれは夏の料理なんだけどな。本当は、特区のルーで作るのが冬はいいんだぜ? 」
「それも食いたい。あと、アイリッシュシチューもいいな。」
「はいはい、帰ったら、順々にリクエストに答えるよ。」
「僕、ホワイトシチューがいいな、ママ。明日、ラーメンが食べたい。」
リジェネのほうは明日のリクエストだ。野菜たっぷりのインスタントラーメンが、リジェネはお気に入りだ。
「うーん、トダカさん、インスタントラーメンってありますか? 」
「それはないなあ。明日、シンに走らせればいいさ。私たちは、午後から帰るから、そっちはそっちで適当にしてくれるかい? 」
「俺、塩ラーメンが好きなんだ。ねーさん、塩ラーメンで野菜増し増しで卵つけてくれ。」
「それ、材料を確保してくれ、シン。わかりました、トダカさん。適当にしておきます。夜は、どうします? 」
「何人か連れて帰るから鍋でいいよ。シン、それも調達しておいてくれ。」
「オッケーッッ、レイと買出ししておく。」
トダカ家の年越しには、トダカーズラブの抽選会で宿泊の栄誉を勝ち取ったものが数人、やってくる。今年は、三十日から来るのと、三十一日からの二部構成になっていて、大晦日はトダカ家の大掃除の予定だ。ニールとリジェネが年越ししたら、歌姫様に拉致されるので、その部分を埋めるために、そういうことになっている。
日が暮れかけた頃に、ようやく坊主が、本日の予定を終わらせて戻って来た。全員が揃うと忘年会会場へ、タクシーで向かった。
作品名:こらぼでほすと 年末風景2 作家名:篠義