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こらぼでほすと 年末風景2

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「俺も家で食おう。トダカさんたちは? 」
「私たちは、こっちで頂くよ。」
「じゃあ、僕らも、寺夫夫のいちゃこらを鑑賞しつつ食事させていただきましょうか? 悟浄。」
「くくくく・・・そうだな。じゃあ、適当に、カレーも貰っていこう。」
「ああ、悟浄、家のほうにもあると思うから、こっちから運ばなくてもいいぜ。メシだけ盛っていけばいい。俺の三杯。山盛りで。」
「それ、メシのことだよな? サル。」
「ああ、カレーうどんは、あっちにもあるからメシだけ。」
「どんだけ食うつもりなんだ? このバカザル。」
「午後からも働くんだから目一杯詰めるに決まってるだろ。」
 寺の台所に、予備ということで、小さい鍋にカレーとカレーうどんのルーは残してある。そちらを綺麗に浚うつもりだ。
「とーさん、今回のカレーうどんは俺と悟空の味付けなんだ。味見してくれ。」
「シンの味かい? 辛いんじゃないのかなあ。」
「ちゃんと万人向けにしておいたから大丈夫。レイ、ちょっとだけ。」
「わかった。トダカさん、俺とママで味のほうは調整しましたから。」
 シンと悟空の味付けだと激辛になるので、そこいらはレイとニールで調整はした。それなら大丈夫だね、と、トダカも味見をする。スープとしても飲めるようにうどんは短くカットしてあるので、いい感じの汁物になっている。トダカが、おいしい、と、言うと、トダカーズラブのメンバーも、それでは、と、自分たちも給仕を始める。メンバーは、トダカと触れ合いたいのだから、ここは任せておけばいいだろうと、八戒たちは家のほうへ戻った。



 夕方には、無事に境内も墓所も本堂も綺麗に片付いた。トタガーズラブのメンバーは、掃除が終わると、忘年会会場へマイクロバスで移動していく。あちらで、風呂に入ってゆっくりするとのことだ。シンとレイも着替えは持参しているので、寺の面子と一緒に移動する。ついでに、トダカとアマギも、こちらに同行だ。寺の面子は会場を知らないし、一緒に行動したほうが無難だろうとのことだ。坊主の帰りを待って、居間で休憩している時に、忘年会会場についてトダカが説明してくれた。ドレスコードも何もないので、そのままでいいとのことだ。
「健康ランドだから、温水プールもあるよ? 悟空くん。思いっきり遊んでくれていいからね。」
「そういうとこなら、シン、一発勝負だな? 」
「ハハーン、望むところだぜ、悟空。競泳とか潜水とかいろいろやろうぜ。」
 大掃除の後だというのに、年少組は元気だ。忘年会の後で、プールで対決までするらしい。ニールも長年、特区で暮らしているが、健康ランドは未知の世界だ。体調がよくなかったから、人だらけのところへ出かけるのは避けていたからだ。
「じゃあ、水着も持って行かないと。」
「いや、娘さん。レンタルがあるから、何もいらない。風呂上りは湯上り服っていうのがあるから、下着だけでいいんだ。私は、泊るけど、きみらは、適当に帰ればいいからね。たぶん、騒々しい宴会になるだろうから、ゆっくり寝るなら家のほうが安全だ。」
 親衛隊の八割以上が集結するとなると、トダカも、ゆっくり子供たちと過ごす暇はない。今回は、トダカのファン感謝サービスみたいなものだから、接待する側になるからだ。
「トダカさん、ママのほうは俺に任せてください。ちゃんと見張っていますから。」
「ああ、頼んだよ、レイ。」
「しかし、トダカさん、健康ランド貸切って、えらく張り込んだんだな? 」
「そうでもないさ、悟浄くん。一々、泊まりやら宴会場やらを確保するよりは割安なんだ。人数が人数だから、ホテルだと、そっちも貸切になってしまうんでね。」
「え? トダカさん、今日、手伝いに来てくれた方たちだけじゃないんですか? 」
 今日の人数ぐらいなら、それほどのことにはならない。むしろ、健康ランドの貸切のほうが高額になるはずだ。ということは、まだ参加者がいるということだと、八戒が気付く。
「特区の各親衛隊メンバーも参加なのさ。どうせなら、纏めてやってしまおうってことになってね。」
「ああ、そういうことですか。じゃあ、僕らは面識のない方も多いってことですね。」
「そうなるね。だから、きみたちのほうは好きに遊んでてくれていいから。私は客寄せパンダの役をしないといけないんでね。娘さん、お父さんと遊ぶのは明日からだよ? 」
 お茶菓子を運んで来たニールに、トダカは茶目っ気たっぷりにウインクする。今回は、いろいろと手伝ってくれた親衛隊メンバーにお礼する宴席なので、トダカも勝手なことはしていられない。まあ、これが終わったら、家族でのんびりするつもりだから、一日限りのことだと割り切っている。
「あんまり無理しないでくださいよ? お父さん。年末年始を寝たきりになったら大変なんだから。」
「そこまで、私は年寄りじゃないと思うけど? 」
「今日は、結構、動いてるでしょ? 腰に負担がかかってると思うんですが? 」
「風呂で温めて回復させるさ。きみこそ、午後から家の掃除をしてたんだから、今日は早く寝なさい。」
「台所の片付けをしたぐらいです。トダカさんほどではありません。だいたい、俺、昼寝までしてたんですよ? 疲れてるわけがないでしょう。」
 すっかり親子な関係なので、ニールもトダカに容赦ない。ポンポンと注意して、アマギに無茶しないように監視を頼んでいたりする。アマギのほうも、はいはい、と、ニールの注意に応答している。まあ、アマギがついているから、トダカも無茶することはないだろう。
「健康ランドなんて、久しぶりだなあ。」
「まあ、どっかのカッパは欲情するもんな。」
「ああ? そりゃ、サル。綺麗なおねーちゃんの水着姿には、男なら欲情すんだろ。」
「ちげぇーよ、八戒の裸だ。」
「バァーカァ、公衆の場所で欲情なんかするかよっっ。てめぇー俺のことをなんだと思ってやがるっっ。」
「エロガッパだろ? それ以外に、なんかあるか? 」
「まあ、概ね、そういう評価になりますよね? 」
「ちょ、八戒さん? ひどくない? それ。」
「事実ですからね。ニール、僕と行動しましょう。うちの宿六は危なくていけません。」
「あははは・・・そういや、俺、三蔵さんと一緒に風呂って入ったことないなあ。」
「そうでしょうねぇ。貧弱ではないですよ。」
「それは知ってますよ、八戒さん。ものすごく綺麗に筋肉がついてるから。」
「いろいろと鍛えてますからね、三蔵も。」
「確かに、いい背筋がついてます。やっぱり、あれぐらいないとマグナムは片手で扱えないんでしょうね。」
「以前は、肉体資本でしたから。実戦で鍛えてんです。」
 オールヌードというのはないが、水着姿は拝んでいるし、着替えも手伝っているから、ニールだって、それなりに坊主の体格は見ている。八戒も、旅の時に、怪我の治療やら水浴びやらで、そこいらは見ているから、どちらも疚しいものはないのだが、女房同士で語られると、ちょっと恥ずかしい気分にはなる。
「なっなあ、ママ。リジェネの着替えとか用意したか? 」