ミーメvsシャカ
ミーメvsシャカ(ムウ)
美形対決
ここは廃墟跡。
その瓦礫に腰を下ろし、竪琴を弾いている男が1人。
そして、座禅を組んでいる男が1人。
2人はお互い微動だにせずに、静かにその場に座していた。
そして、その様子にヤキモキしている男も1人・・・
『・・・まったく、シャカが心配で来てみれば・・・あの2人はなにをしているのでしょうか・・・・』
ムウは、まったく動かないシャカとミーメを見て、半ば呆れていた。
今は一刻も早く、神闘士達を倒し、オーディンサファイアを集めなければならないというのに・・・
だが、そんなムウの心配をよそに、2人はひたすら、座禅を組み、竪琴を弾いていたが。
耐え切れなくなったムウが出ようとした、まさにその時!
今までお互い目を閉じていた2人が同時に瞳をクワッと開いた!
それと同時に、凄まじい小宇宙と殺気が溢れ出す。
これにはさすがに驚き、慌てて引っ込むムウ。
そして、
『カーン!!』
『・・・っ!?』
ミーメがいきなり放った光速拳を、バリアを放って防ぐシャカ。
どうやら2人は、ただ座っていただけではなく、お互いに隙のない者同士、相手の隙を窺っていたようだ。
『フッ、さすがはバルゴのシャカ・・・私の光速拳を見事見切り防ぐとはね・・・』
『ふっ、私をなめてもらっては困るな。ベネトナーシュのミーメよ・・・』
2人はそのまま静かに対峙して、シャカがおもむろに手にした数珠を振りかざした。
その数珠には10つの珠が繋がっていた。
今はどれも雪のように真っ白だが。
『この数珠がなんだか分かるかね?、この珠が全て黒く染まる時、それは君たち神闘士達が全滅した証だ』
『・・・まて、神闘士は全部で8人だ。なぜ2つ多いのだ?』
『ふん、そんなこと、ヒルダとフレアに決まっていよう』
『・・・・君は、女性にまで手をかけようというのか・・・?』
『敵ならば仕方あるまい。このシャカ、あいにく弱者に対する慈悲の心など持ち合わせてはいないのでね』
『・・・・なるほどね』
ミーメはなにかを悟ったように頷くと、立ち上がった。
『どうやら君は、このミーメを本気にさせたいらしいね・・・・?』
『フッ、元よりそのつもりだが・・・君が死ねば、他の神闘士も、そして彼女らも死ぬ。ただそれだけのことだ』
『これで分かったよ。私も本気を出させてもらうよ。他の神闘士達はともかく、ヒルダ様とフレア様は、命を賭しても守らねばならないんでね』
『私も君と同じで、アテナをなんとしても助けねばならんのだ、手加減はできん。本気でいかせてもらう』
そして、先に動いたのはミーメだった。
『聴け!甘美なる死の旋律を・・・、ストリンガーレクイエム!!!』
ミーメの竪琴から弦が伸び、シャカへと襲いかかっていく。
だが、シャカの張ったバリアで、それはことごとく跳ね返された。
『・・・っく!?』
『フッ、どうしたのだ?、君の技はその程度か?今度は私から行くぞ』
そして、シャカは、
数珠を一振りして、
『オーム!悪霊退散!天空覇邪魑魅魍魎!!』
ミーメに向かい、無数の魑魅魍魎たちが襲い来る。
だが、そんな幻影に騙されるミーメではない。
それを冷静にやり過ごし、静かに竪琴を奏で、精神を集中させる。
そして、小宇宙を最大限にまで燃やし、ミーメはシャカに向かって光速拳を放った。
それはシャカに届く前にバリアに阻まれるかと思われたが・・・
ガシャン!!
見事シャカのバリアを打ち砕いた!
『・・・ふ、見事だ、このシャカのバリアを破るだけでなく、私から血を流させるとはな・・・・だが、それが君の命取りになるのだぞ?』
見ると、シャカは血を床に垂らしていたが、それがミーメの足元まで迫り、ミーメをぐんぐん飲み込んでいくではないか!
そう、その様はまさに血の池地獄そのものだった。
『・・・っ!?』
自分の体が、シャカの血によって徐々に沈みいくミーメ。
もがけばもがくほど、体は血の海の中へと潜っていく。
ミーメは念じた。
(落ち着け、これは幻影だ。いくら神に最も近い男・シャカといえど、本物の血の池地獄など作り出せるはずなどない)
そして、気持ちを落ち着け、ミーメはもがくのをやめた。
体は依然、血の池へと沈みいくが・・・・
気付くと、全身を覆っていた生暖かい血の感触が消え、いつもと変わらぬアスガルドの冷たい空気に晒されていた。
『・・・私の技を見破るとはな、さすがはベネトナーシュのミーメよ・・・』
シャカは感心したように呟いた。
『ならば、これはどうかな?、天魔降伏!!!』
更なるシャカの攻撃にも、ミーメはなんとか耐え忍んだ。
『一度ならず、2度までも、私の攻撃に耐えうるとはな・・・・面白い!』
シャカは本気で楽しそうだ。
それもそのはず、今まで、シャカの技をことごとくかわしてきた相手が、一輝以外にいただろうか?
『・・・ふ、どうやら君の技は、精神攻撃が主らしいね、ならばこのミーメには効かない』
ミーメもシャカの技の本質が分かってきた。
単なる力技ではなく、主に相手の精神を直接攻撃して破壊する技だということに。
『フッ、その通り、だが、次はそう簡単にはかわせんだろう?、今から君に6つの地獄を見せよう!』
そして、シャカはその手にした数珠を振りかぶり、
『オーム!六道輪廻!!!』
ミーメをいきなり地獄送りにした。
『さて、君にはどの地獄がお似合いかな?気に入った地獄に落ちたまえ』
ミーメは地獄を巡り、1つの地獄へとその意識が向いた。
そこは・・・・
ミーメが依然、地獄巡りから戻ってこない様を、少々残念に思うシャカ。
『・・・・逝ったか?、あやつならば、この六道輪廻さえも見事生還してくるやもしれんと思っていたが・・・このシャカ、少々彼を買い被りすぎたか・・・・?』
だが・・・・やはりミーメは生きていた。
『ふっ、やはり生きて戻ってきたか、ミーメよ・・・、そうでなれば面白くない』
『・・・シャカ、君には礼を言おう。地獄巡りさせてくれたおかげで、父に・・・フォルケルにまた会うことができたよ・・・・』
『・・・そうか。ならばもはや、もうなにも思い残すことはあるまい。今度こそ本当に父の御許まで送ってやろう!』
そして・・・
クワッ!
再び閉じていたシャカの目が開いた!
『オーム!!天舞宝輪!!!』
『・・・!?』
ミーメは突如、体の自由を奪われ、動けなくなった。
(なっ、なんだこれは・・・!)
『フッ、君はもはやこのバルゴのシャカ、最大の奥義・天舞宝輪にかけられ動くこともできぬ』
(なに!?これがバルゴのシャカ、最大の奥義・天舞宝輪!?)
『そうだ、そしてこれから、君の五感を1つ1つ確実に絶っていき、最後には、ただ心臓が動いているだけの、生ける屍となろう』
(・・・!?)
『そら、まずは・・・第一感・剥奪!!』
シャカが数珠を一振りすると、途端、ミーメは視力を奪われ、なにも見えなくなった。
(・・・・くっ!?)
『次は・・・第二感・剥奪!!』
さらに、今度は聴力が。
『第三感・剥奪!!』
次は嗅覚が。
『第四感・剥奪!!』
そして味覚が剥奪され、残るは触覚のみにされたミーメ。
だがミーメは抗うこともせずに、むしろ甘んじて感覚を剥奪されているようにもみえる。
美形対決
ここは廃墟跡。
その瓦礫に腰を下ろし、竪琴を弾いている男が1人。
そして、座禅を組んでいる男が1人。
2人はお互い微動だにせずに、静かにその場に座していた。
そして、その様子にヤキモキしている男も1人・・・
『・・・まったく、シャカが心配で来てみれば・・・あの2人はなにをしているのでしょうか・・・・』
ムウは、まったく動かないシャカとミーメを見て、半ば呆れていた。
今は一刻も早く、神闘士達を倒し、オーディンサファイアを集めなければならないというのに・・・
だが、そんなムウの心配をよそに、2人はひたすら、座禅を組み、竪琴を弾いていたが。
耐え切れなくなったムウが出ようとした、まさにその時!
今までお互い目を閉じていた2人が同時に瞳をクワッと開いた!
それと同時に、凄まじい小宇宙と殺気が溢れ出す。
これにはさすがに驚き、慌てて引っ込むムウ。
そして、
『カーン!!』
『・・・っ!?』
ミーメがいきなり放った光速拳を、バリアを放って防ぐシャカ。
どうやら2人は、ただ座っていただけではなく、お互いに隙のない者同士、相手の隙を窺っていたようだ。
『フッ、さすがはバルゴのシャカ・・・私の光速拳を見事見切り防ぐとはね・・・』
『ふっ、私をなめてもらっては困るな。ベネトナーシュのミーメよ・・・』
2人はそのまま静かに対峙して、シャカがおもむろに手にした数珠を振りかざした。
その数珠には10つの珠が繋がっていた。
今はどれも雪のように真っ白だが。
『この数珠がなんだか分かるかね?、この珠が全て黒く染まる時、それは君たち神闘士達が全滅した証だ』
『・・・まて、神闘士は全部で8人だ。なぜ2つ多いのだ?』
『ふん、そんなこと、ヒルダとフレアに決まっていよう』
『・・・・君は、女性にまで手をかけようというのか・・・?』
『敵ならば仕方あるまい。このシャカ、あいにく弱者に対する慈悲の心など持ち合わせてはいないのでね』
『・・・・なるほどね』
ミーメはなにかを悟ったように頷くと、立ち上がった。
『どうやら君は、このミーメを本気にさせたいらしいね・・・・?』
『フッ、元よりそのつもりだが・・・君が死ねば、他の神闘士も、そして彼女らも死ぬ。ただそれだけのことだ』
『これで分かったよ。私も本気を出させてもらうよ。他の神闘士達はともかく、ヒルダ様とフレア様は、命を賭しても守らねばならないんでね』
『私も君と同じで、アテナをなんとしても助けねばならんのだ、手加減はできん。本気でいかせてもらう』
そして、先に動いたのはミーメだった。
『聴け!甘美なる死の旋律を・・・、ストリンガーレクイエム!!!』
ミーメの竪琴から弦が伸び、シャカへと襲いかかっていく。
だが、シャカの張ったバリアで、それはことごとく跳ね返された。
『・・・っく!?』
『フッ、どうしたのだ?、君の技はその程度か?今度は私から行くぞ』
そして、シャカは、
数珠を一振りして、
『オーム!悪霊退散!天空覇邪魑魅魍魎!!』
ミーメに向かい、無数の魑魅魍魎たちが襲い来る。
だが、そんな幻影に騙されるミーメではない。
それを冷静にやり過ごし、静かに竪琴を奏で、精神を集中させる。
そして、小宇宙を最大限にまで燃やし、ミーメはシャカに向かって光速拳を放った。
それはシャカに届く前にバリアに阻まれるかと思われたが・・・
ガシャン!!
見事シャカのバリアを打ち砕いた!
『・・・ふ、見事だ、このシャカのバリアを破るだけでなく、私から血を流させるとはな・・・・だが、それが君の命取りになるのだぞ?』
見ると、シャカは血を床に垂らしていたが、それがミーメの足元まで迫り、ミーメをぐんぐん飲み込んでいくではないか!
そう、その様はまさに血の池地獄そのものだった。
『・・・っ!?』
自分の体が、シャカの血によって徐々に沈みいくミーメ。
もがけばもがくほど、体は血の海の中へと潜っていく。
ミーメは念じた。
(落ち着け、これは幻影だ。いくら神に最も近い男・シャカといえど、本物の血の池地獄など作り出せるはずなどない)
そして、気持ちを落ち着け、ミーメはもがくのをやめた。
体は依然、血の池へと沈みいくが・・・・
気付くと、全身を覆っていた生暖かい血の感触が消え、いつもと変わらぬアスガルドの冷たい空気に晒されていた。
『・・・私の技を見破るとはな、さすがはベネトナーシュのミーメよ・・・』
シャカは感心したように呟いた。
『ならば、これはどうかな?、天魔降伏!!!』
更なるシャカの攻撃にも、ミーメはなんとか耐え忍んだ。
『一度ならず、2度までも、私の攻撃に耐えうるとはな・・・・面白い!』
シャカは本気で楽しそうだ。
それもそのはず、今まで、シャカの技をことごとくかわしてきた相手が、一輝以外にいただろうか?
『・・・ふ、どうやら君の技は、精神攻撃が主らしいね、ならばこのミーメには効かない』
ミーメもシャカの技の本質が分かってきた。
単なる力技ではなく、主に相手の精神を直接攻撃して破壊する技だということに。
『フッ、その通り、だが、次はそう簡単にはかわせんだろう?、今から君に6つの地獄を見せよう!』
そして、シャカはその手にした数珠を振りかぶり、
『オーム!六道輪廻!!!』
ミーメをいきなり地獄送りにした。
『さて、君にはどの地獄がお似合いかな?気に入った地獄に落ちたまえ』
ミーメは地獄を巡り、1つの地獄へとその意識が向いた。
そこは・・・・
ミーメが依然、地獄巡りから戻ってこない様を、少々残念に思うシャカ。
『・・・・逝ったか?、あやつならば、この六道輪廻さえも見事生還してくるやもしれんと思っていたが・・・このシャカ、少々彼を買い被りすぎたか・・・・?』
だが・・・・やはりミーメは生きていた。
『ふっ、やはり生きて戻ってきたか、ミーメよ・・・、そうでなれば面白くない』
『・・・シャカ、君には礼を言おう。地獄巡りさせてくれたおかげで、父に・・・フォルケルにまた会うことができたよ・・・・』
『・・・そうか。ならばもはや、もうなにも思い残すことはあるまい。今度こそ本当に父の御許まで送ってやろう!』
そして・・・
クワッ!
再び閉じていたシャカの目が開いた!
『オーム!!天舞宝輪!!!』
『・・・!?』
ミーメは突如、体の自由を奪われ、動けなくなった。
(なっ、なんだこれは・・・!)
『フッ、君はもはやこのバルゴのシャカ、最大の奥義・天舞宝輪にかけられ動くこともできぬ』
(なに!?これがバルゴのシャカ、最大の奥義・天舞宝輪!?)
『そうだ、そしてこれから、君の五感を1つ1つ確実に絶っていき、最後には、ただ心臓が動いているだけの、生ける屍となろう』
(・・・!?)
『そら、まずは・・・第一感・剥奪!!』
シャカが数珠を一振りすると、途端、ミーメは視力を奪われ、なにも見えなくなった。
(・・・・くっ!?)
『次は・・・第二感・剥奪!!』
さらに、今度は聴力が。
『第三感・剥奪!!』
次は嗅覚が。
『第四感・剥奪!!』
そして味覚が剥奪され、残るは触覚のみにされたミーメ。
だがミーメは抗うこともせずに、むしろ甘んじて感覚を剥奪されているようにもみえる。