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新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第92話

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島が連絡を入れる。彼としても出撃に許可を出した身。無論、重大な責任を自覚していた。

  冴島 「要警部・・・・余り背負い込むな。今回の一件は君だけの責任ではない。君の出
撃と部隊編成の許可を出した私の方にこそ重い責任がある・・・!!」

  要 「冴島総監・・・・!!!」

  冴島 「君が今背負い込もうとしている責任は大きすぎる。むしろ自分自身で大きい責任
をより大きくしてはいないか??つまりは抱え込みすぎていると言うことだ。どうかその責任
を私に委ねさせてはくれないか?」

  冴島の大器の心に触れた要。だが、ここで彼が責任を一身に受けたら最悪辞任・辞職とい
う結果が待っているかもしれない。  

  要 「いいえ・・・・そうしたら、警視総監が・・・・!!!」

  冴島 「君はこれからの時代に必要だ。地球外侵略者や今回発覚した秘密結社が世界を乱
そうとしている世の中だ。今、君の力が必要とされている。頼む・・・!!!」

  要 「っっ・・・・ですが、それでも俺はっ・・・・謝罪し続けます・・・ノイローゼに
なろうと、自殺しようと・・・!!!」

  冴島 「自殺だけはならんっ!!!そこまでいうのなら今すぐ警視庁に赴きたまえ!!!
私も・・・・謝罪に同行させてくれ。」

  冴島はあくまで要が背負う責任が欲しかった。これからの期待がある彼の為に。



  その日の放課後、軽音部のメンバーたちの前で事件の事が澪と紬の口から告白された。律
も何かあったのは感づいていたが、「何か」の次元が想像を超えていた。

  律 「そうか・・・話はわかったよ・・・そう言う事だったのか。」

  唯 「ホントなの・・・?それ・・・。」

  澪と紬は唯の信じられないと言わんばかりの表情にこくっと答えた。梓は事件の内容に強
い憤りを覚えた。

  梓 「・・・ひどいですっ・・・!!!あんまりですっ!!!なんで澪先輩やムギ先輩が
そんな目に遭わなきゃいけないんですか?!!」

  部室は重い雰囲気に包まれた。さわ子も予想はしていた。事件が事件なだけに、同じ女性
として、事件に対しての憤りを覚えずにはいられない。たちまち唯は泣き出してしまう。

  唯 「うっっ・・・あずにゃんの言うとおりだよ。ひどいよ・・・澪ちゃんもムギちゃん
も何もしてないのに・・・ひっく・・・なんだか悔しくて許せないよっ、その人たち!」

  澪 「唯・・・。」

  その涙は友人を理不尽に傷つけられた悔しさからであった。対して律は、以前未遂で終わ
った実体験を回想しながら冷静に受け止めていた。逆に二人に対して質問をする。

  律 「・・・・じゃあ、何で直ぐに言えなかったんだ??」

  紬 「・・・・言うとみんなショック受けると思ったから・・・心配かけたくなかったん
だ。けど、言わずに隠してるほうがやっぱり違和感あって・・・・。」

  律 「はぁ〜・・・・そういうことはすぐに相談してくれりゃよかったのに!!私らは仲
間だろ?仲間の屈辱や悩みだって一緒になって分かち合うくらいの気持ちだってはあるっ!!
一人、一人で抱え込むことないと思うぜ?」

  澪 「律・・・・。」

  梓 「そ、そうですよ!!律先輩の言うように無理に個人で抱え込まなくてもいいんです
よ!!お二人の痛みは軽音部の痛みです!!軽音部の痛みはメンバーみんなの痛みです!!」

  紬 「梓ちゃん・・・。」

  良いことを言った梓。律もからかわずにはいられない。無論、場の空気を少しでも和らげ
ることを心がけての行動だ。

  律 「おおお〜梓、なかなかクサイコト言うなぁ〜・・・狙ったかぁ?」

  唯も涙を払って梓に食いつく。梓は顔を赤くして狙ったことを否定した。

  唯 「ぐすっ・・・・あずにゃん、一生懸命澪ちゃんとムギちゃんを励まそうとしたんだ
よね!!」

  梓 「べ、別に狙ってませんっ!!その、素直な気持ちを言っただけです!!も、もちろ
ん励ましたいと言うか、分かち合いたいって気持ちが・・・・うっ。」

  唯 「あずにゃん、更に赤くなったぁー!!かーわいー!!」

  梓 「ぎにゃあああああっ!!!抱きつかないでください!!!」

  更に自分から恥ずかしくなるような発言をした。顔を更に赤くさせて黙ってしまった。

  たちまち部室には笑いが立ち込める。第二次ハカイジュウ災害の時期の彼女達もそうだっ
たが、持ち前のひた向きな姿勢で部員の悲しみを和らげる感性が確かにあった。

  さわ子も彼女達の姿勢に教員ながら改めて学ばされた。

  さわ子 (分かち合うか・・・・今夜でも誠人君に諭してあげなくちゃ・・・。)

  だが、澪と紬の根本的な心の傷は決して癒えてはいない。時間を考えれば学園祭まで決し
て間に合うものではない。

  それから間もなくして、勇士朗たちがどかどかと入ってくる。他校生徒ながらもはや日常
的な事になっていた。

    ガチャンッ!

  光 「チースッ!!桜工ダグオン部参上〜ッ!!約一名バイトでいないけどっ!!」

  梓 「わ?!」

  唯 「光君!やっほー!!」

  さわ子 「あら、いらっしゃい!」

  さわ子も当然のように他校の男子生徒である彼らを歓迎した。

  蓮はデザートを入れた袋を持って現れる。それを律達に見せた。唯は目を輝かせて喜ぶ。

  蓮 「今日はバイト先からデザートかっ攫って来たぜー♪」

  唯 「きゃあああ!!お・や・つー♪お・や・つぅ♪」

  律は逆に蓮がバイト先から叱責をくらうのでは?と心配になってしまう。

  律 「サンキュー蓮!!でも・・・こんなことして大丈夫なのか?バレたらクビになっち
ゃうんじゃないか??」

  蓮 「その辺はだいじょーぶっ!!賞味期限ギリギリのやつばっかだから!!」

  律 「おいおい・・・でも、ぎりぎりってことは別に期限過ぎてるわけじゃないよな?」

  蓮 「ああ、そこは安心して食ってくれー。」

  早速机の上にデザートを並べてティータイムを始める。唯と律はいつも通りにデザートを
食べる。そこには普段と変わらない光景が広がる。

  唯 「おいひー!ありがとね、光君!」

  光 「どういたしましー。」

  蓮 「おいおい、調達したのは俺だぞ?!」

  梓 「実際に買ってたらコレッて結構な値段になっちゃうよね?コンビニのデザートって
買い込むと意外と値が張っちゃうから・・・。」

  俊 「そうだな!調子に乗っていると、すぐ墓穴掘るなんてことも、たまにあるよな!」

  紬はダージリンを淹れようとする。だが、ここ最近は彼女の事を少しでも気遣いさわ子が
淹れている。

  紬 「あ・・・。」

  さわ子 「今日も私が淹れるからさ。ムギちゃんはデザート食べてていいわよ?」

  紬 「そんな・・・このくらいはもう大丈夫ですよ。」

  さわ子 「いいって、いいって!たまには人の言葉に甘える時も必要よ?」

  紬 「くすっ、それじゃあ、お言葉に甘えます。」

  さわ子の淹れたダージリンがそれぞれに行き渡る。みんな揃ってずっとすする。すると、