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とある二人の無能力者3話

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「さっきの台詞って、よく考えたら私には好きな人がいますって認めてるような感じになりますよね?」
「えっ!?ちょ、そんなわけないでしょ!」
「どーですかね〜。例の類人猿さんの話も気になりますし」
「だからそれは」
「ぶっちゃけ、私にだけは話して下さいよ?」
「だ、だから!私はいないって」
「私人の嘘を見抜くの得意なんです」
「さ、佐天さん・・・」


(ん〜、やっぱり好きな人いるんだろうな)


「ま、でも元気になってよかったわ」
「え?」
「もうすっかりいつもの佐天さんって感じよね」

(御坂さん・・・もしかして私を元気づける為にわざわざあの話題を・・・)

そう考えると御坂に対して感謝に気持ちでいっぱいになる。

(御坂さんには助けてもらってばかりだな)

「ここの辺よね?」

ふと顔を上げるとそこはいつも皆と別れる大通りの曲がりだった。

「そうですね」
「じゃあ今日はしっかり休んでね」
「はい、今日は色々とありがとうございました」
「そんじゃあ、またね」
「はい、さようなら!」

佐天は御坂の背中が見えなくなるまでその姿を見ていた。
遠ざかりやがて見えなくなったところで背伸びをする。

「よーっし、私も帰るかな」

(いつまでもうじうじしてらんないよね、また明日も張り切ってガンバロー!)

気持ちを一新し佐天は暗くなった夕方の大通りを歩いて行った。














とある路地裏ー・・・・




「・・・ったく、なんだっていうんだよ」

少年はぼつりとそう呟く。

『全く・・・少しは落ち着いたらどうだね?』
「これが落ち着いていられるかっての」

少年は携帯に向って半分自嘲気味な言葉を吐く。

『言われたことをしっかりやってくれさえすれば私は何も言わんさ』
「あのゴミが大袈裟に逃げ回るせいで大騒ぎになっちまうしよ」
『それに関してはこちらが何とかしておくから君が心配する必要はない』
「全くよー、やってらんねーぜ」
『・・・例の彼と接触したと聞いてるよ?』

携帯から響く男が急に話題を変える。

「ああ?顔を見たってだけの話だ。まだアレの確認もしてないしな」

少年はふと歩くその足を止めた。

「つーかお前には関係ないだろ」
『興味本位で聞いただけさ。気を悪くしないでくれ』
「フン・・・かまわねーさ。俺も自分のやるべきことをやるだけだ」
『君は本当に話の分かる人間だね』

頼んだよ、そう言って電話は切れた。
少年は顔を上げ、


「あんときの借りはきっちり返させてもらうぜ」

1人そう呟くと少年は、
闇に溶け込むように消えていった。