女性恐怖症のIS<インフィニット・ストラトス>
カワルセカイ【突然の変革】
すべての始まりは母親だった
後で聞いた話だが母親はISつかいのなかではかなり有名な選手だったらしい
その母親が事故で怪我をして選手生命を断たれたのが自分を産んですぐのこと
その頃から母親は自分のことを育てるのをやめていたらしい
そしてあれは、六歳の頃だった
とても久しぶりに母親と買い物に行くことになったので自分ははしゃいでしまっていた
そしてわがままを言ったのだ
よくスーパーなどで見かけるお菓子を買ってくれという奴
母親は言った
「男の子なのにわがままを言わないで」
言葉だけならそれこそ日常にありふれている光景だったのだろう
だが、その言葉がつぶやかれたのは
トイレに連れ込まれ
髪を掴まれ
頬を張られ
顔を殴られたあとだった
泣き喚くと更に暴力を加えられる
その後も母親の虐待続いた
父親は仕事でほとんどいなかったのでこの事に気がつかず
一つ年上の姉は母親が気付かせないようにこの頃から他の家に預けていた
虐待から逃れる術を知らない自分は唯々母親を怒らせないようにするだけだった
しかしまるで存在自体が母親を憤らせるかのように・・・実際そうだったのだろう
事あるごとに虐待を受けた
買い物を間違える
母親に話しかける
母親と目が合う
それらすべてが暴力の起因となった
母親から暴力を受けなくなったのは13歳の時だ
久しぶりに帰ってきた姉がこのことに気がつき、そして警察に電話したのだ
母親は逮捕、自分は病院へそして精神鑑定を受けた
その時に出た診断が「女性恐怖症」
それまで自分が虐待されていることに気付かなかったおかげかほかの精神病にはならなかったが、その代わりこの面だけが強く現れた
その時はおおよそ人の女性を見るだけで、めまい、吐き気を起こした
それから3年、自分は病院に通い続ける
医師の先生方のカウンセリングによってようやく言葉を交わす程度までになれた、だが
目を合わせることはできないし、会話に発展させるまではまだ無理だ
これでも二年という時間でここまでこれたと先生は言ってくれた
自己形成が進む段階で虐待を受けていたもののトラウマは一生のこることが多いそうだ
これからもカウンセリングは続いていくだろう
コレが自分「中務 神楽(なかつかさ かぐら)」の過去である
作品名:女性恐怖症のIS<インフィニット・ストラトス> 作家名:小鳥遊 遊