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小鳥遊 遊
小鳥遊 遊
novelistID. 44612
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女性恐怖症のIS<インフィニット・ストラトス>

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「うん、よくかけているね。自分の過去を整理することはできるようになったかな?」

医師である先生は優しく言ってくれる

今は3月、まだ寒さは残るものの春の陽気に変わりつつある、そんなところか

今日までに自分の過去のことをなるべく詳しく書いてくるようにというカウンセリングの宿題を見た先生を後ろにある窓からは暖かな日差しが包んでいる

「はい・・・けど」

「けど、見つめることはまだ難しい・・か」

自分の言わんとすることは既に理解しているようだ

「神楽君、学園の方はどうかな?」

学園・・・そう、学園だ。小学校から通信教育だったので学校というものに行ったことがなかった自分に先生が一度行ってみた方がいいという事なので入学はしたものの・・・

「い、まは・・・不登校になってますね・・・」

入学式で足がすくんでしまい、それ以来というか一度も足を向けたことはない

「そうか・・・まぁ、まだ早かったかな?ゆっくり時間をかけても良いよ、っといても、もう卒業か、ははっ」

「はい・・・ありがとうございます・・・」

「そうだね、ちょっと暗くなっちゃったかな?じゃあ明るい話をしようか、今の趣味は何かな?」

「趣味・・ですか、それは・・・」

頭に思い浮かんだのはひとつだけだった

「IS・・・ですかね」

「へぇ、ISかぁ・・・これまた何でISに?」

IS、インフィニットストラトス、女性だけしか反応しない、世界最強の兵器、女性というところに何も感じないわけではないが何よりあの外装やフォルムに何か厚いものを感じる

そのことを話すと先生はもともと笑顔だった顔がますます笑顔になり始めた

少し熱く語りすぎたか?恥ずかしい

「いや、君がそこまで熱くなれるものを持てて、嬉しくてね」

「それは・・・ISが女性専用だからですか?」

「いいや、違うよ。」

先生は強く否定した

「確かにそこは嬉しくはあるけど、重要なのはそこじゃないんだ。神楽君が自分の趣味をもてるって言うことが大事なんだよ」

「趣味って言うのは自分の好きなことだろう?そういうのをたくさんもてれば自然とほかの意見が気になってくるものだ、最初はネットだけでもいい、徐々に人とのかかわり方を学んでいくと良いよ。そこに、使用者が女性であるということがあるのは、医師としていい傾向だとは思うけどね」

先生の言っていることは頭では理解できた、が、その感触があまりつかめない

「夢・・・たとえば将来の夢とかはあるかな?」

「そうですね、ISの部品とか作れる会社にいけたらいいな、と」

「じゃぁ、そのための勉強も?」

「はい、結構楽しくてもうIS学園卒業分はやってるはずです」

「すごいね、でも僕はあんまりISのことはわからないなぁ」

「あ・・・そう、ですね」

そうだ、先生は医師でありISとはほとんど関係ないところで生きている人だ

「今、少し残念に思ったでしょ?」

「え?」

「その感情で人は関わり合いを持ちたいと思うんだ、大切にしなさい」

少しからかわれたように感じたが少しだけ先生の行っていたことが分かった気がした

その後もう少し会話し、今日のカウンセリングは終了帰路へと着く

いつもどうりの帰り道

何もなく終わるはずだった今日という日

しかし

それで終わってしまうほど彼の運命は容易くはなかった