女性恐怖症のIS<インフィニット・ストラトス>
・・・ここは?
クラクラする頭で目が覚める、手足を動かそうとしても動かないこれは・・・寝ているのか?いや、座っている?うん、多分座っている
かすれる視界は明らかに自分お部屋ではない光景を映し出す
ここは、廃墟だろうか?ところどころ壊れているし
「お、こいつ目が覚めたみたいですよ?」
「そうか、おい、オイコラこっち向け」
乱暴に髪を掴まれるとそこにはヒゲをはやした男がいた
「あ・・なたは?」
「あぁん?そんなことどうでもいいんだよ、とりあえずオメェ、これ外せ」
そう言って見せてきたのは自分お右手にある腕輪である、
「これさ、俺たちが預かったモンだから返してくれないと困るんですわ」
顔には下劣な笑顔が浮かんでいる
「普通に外れないんですか?」
「外れねぇから言ってんだよ、早くしろ」
「早くしろって言ったって、どっちの腕も動かな・・・」
ここでようやく状況を理解した、手足を拘束されている
「なん・・・ですか、これ?」
「気にすんなって、ISなんだから、外れろって考えれば外れねぇか?」
周りにいる男達はクスクスと笑う
「そんな簡単なものじゃ・・・」
「そうか、じゃぁ・・・」
男が取り出したのは鋸だ、そうノコギリ
「オメェ、の腕ごと持ってくしかなさそうかな?」
周りの男が騒ぎ始める、困惑ではなく歓声で、だ
「俺たちはこいつをどうしても運ばなきゃなんねぇ、どうしてお前の腕についてんのかは知らねぇが、どうしても取り外せないなら腕ごと持って行くっきゃないだろ?なぁ?」
そう言うと男は鋸を右腕にあてがった
「じゃあ今から十数えちゃいマース、それまでに外せなかったら君は右腕とは永遠におさらばデース」
いや、ちょ、まっ
「じゅーう」
クソっ、外れろ、外れろっ!
「きゅーう」
周りの歓声はどんどん盛り上がっていく
「はーち」
なんでこんなことになったんだ、くそっ
「なーな」
男にISなんか起動できるわけないじゃないか!それを変な希望を持ってしまったから・・・
「ろーく」
ISのことをもっと学びたかっただけなのに
「ごー」
―希望を持つ事はいけない事なのか―
「よーん」
え?誰だ、今喋ったのは
「さーん」
周りを見ても誰もが自分に向けてなど語りかけていない
「にーい」
しかし声は、確かに聞こえた
「いーち」
―希望を持って私を取ったのだろう、だったらその希望叶えてやろうではないか―
「ぜーろ」
―だからお前は・・・をよこせ!―
「タァーイムあーーーーーーーっぷ!」
鋸は無情にも引かれていく
作品名:女性恐怖症のIS<インフィニット・ストラトス> 作家名:小鳥遊 遊