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小鳥遊 遊
小鳥遊 遊
novelistID. 44612
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女性恐怖症のIS<インフィニット・ストラトス>

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ここはどこだ?

目が覚めると自分の知らない天井があった

身を起こそうとすると手が自由に動かない

どうやら手錠でつながれているようだ

「また・・・なんでこんな事に」

そう一人で愚痴るといきなりドアが開く音がする

「目が覚めたか?気分は・・・それ程よくなさそうだ」

声がする女の人の声、自分の苦手な、しかし、この声には聞き覚えがある

「目覚めてすぐのところ悪いがついて来てもらおうか、ちなみに拒否権は行使しない方がい
い、君の状況を悪くするだけだからな」

寝ぼけ眼で声のする方を向くとそこにいたのは自分が気絶する前に見た女性だった

「済まないがこれをつけてもらう」そう言った女性はサングラスのような物を取り出して神楽
につける

そうすると神楽の視界は黒で塗りつぶされた

「では、移動しようか」

ダメだ。質問したい事は山ほどあるのに相手が女性だというだけて名に一つ言葉にする事がで
きない

もうすでに意識はクリアだかいっそ、そのことが恨めしい

「ど、とこにむかってるんですか?」

かろうじて口から漏れたのはそんな言葉だった

帰ってくる言葉はそっけなく

「取調室だ」

の一言のみ

なすがままに連行されると連れてこられたのは取調室というには少し大きい部屋だった

しかし、その部屋の真ん中にはいかにもな一つの机と二つの椅子

部屋の明かりは机の上にある時代遅れのスタンドライト一つだけ

「さて、では取り調べを始めるわけだか・・・最初に一つだけ質問を許そう。何か聞きたいこ
とは?」

自分の反対側に腰掛けた女性が携帯端末を立ち上げながらいう

質問しようにもほぼパニック寸前で、聞くべきことが見つからない

「あ、貴方は・・・誰ですか?」

「私?、人に名前を聞く時はまず自分からだと思うのだか?」

使い古されている言葉だが礼儀としてはそうだろう

「ぼ、僕はっ・・・」

「中務神楽十五歳、九月十八日生まれの乙女座、身長158センチ、体重50キロ、少し痩せすぎ
だな。血液型はA型RHマイナス、ふむ、珍しい血液型だ。学校は半月前まで通信制で中学卒業
分は取得済み、普通の中学校に編入するも不登校、趣味はISのフレームを考える事。主な身
体疾患無し、主な精神疾患・・・女性恐怖症。・・・他に君から説明する事はあるかな?」

言葉が出ないとはまさにこの事だろう

相手が女性という事を除いてもどうしていいのかわからない

頭を真っ白にして口をパクパクさせていると目の前の女性は微笑む

「いや、すまない。事前に調べさせてもらったよ。次は私の番だな。私の名前は織斑千冬だ、
君の取り調べを担当させてもらう」

おりむらちふゆ、どこかできいたことがある。おりむらちふゆ織班千冬・・・織斑千冬!?

「も、もしかして、あの第一回モンドグロッソの優勝者の!?」

めんどくさそうな反応で千冬は話す

「あぁ、そうだ、どうやら趣味がISと言うのは間違っていないようだな」

目の前にいるのはisの世界大会優勝者、ある意味で自分の憧れる人物だった

しかし目の前の人物は当然の如く女性、神楽には一瞬そちらに目を移すのが精一杯だった

「中務神楽、診断書によると女性でも受け答えぐらいはできると書いてあるが、これに間違い
はないか?」

静かに頷く

「そうか、ならばいい、今から君にするのは取り調べだ。あっている事はYes、違っているこ
とはNO、できれば細かい説明もしてもらえるとありがたい、いいか?」

再び静かに頷いた

「協力、感謝する。それでは一つ目の質問だ。この男に見覚えは?」

そう言って織斑さんは一枚の画像データを見せる

その顔には見覚えがあった

さっき・・・いや、目が覚めた時にはもう明るかったから昨日だろうか?自分を脅した人物だ

腕輪を外せと

腕輪・・・IS!?

自分の右腕を見るとそこには黒い腕輪が存在した

「質問、に答えられるか?」

そう聞かれてやっと自分が挙動不審になっていると気付いた

「はっ、ハイ、知って、ます」

「こいつは君を攫って恐喝した間違いないか?」

精一杯頷く

「そうか、では次の質問だ。これが誰だかわかるか?」

そう言って端末の画像をスライドさせる。そこに写っていたのは・・・

「僕・・・ですか?」

紛れもなく眠っている中務神楽、自分である

その答えを聞いた千冬は画像の拡大表示を解いた

「覚えているか?コレはお前と私が話す数分前に撮影された画像だ。お前はコレに乗っていた
んだ」

あの時は操縦者視点からしか見えなかったが画像ではその全貌が伺えた

それを例えるならどのような言葉がふさわしいだろうか?

まるで一つの絵画を見ているようだほとんど骨格だけとなってまるで骸骨の様な身体部分の装
甲に対して明らかに不釣り合いな大きさでのに存在する巨大な黒い翼

翼と体を比率に表すとしたら1:8ぐらいだろうか

その翼はまるで自分を守る様に体部分を包み込んでいる

この光景は異様を通り越して異常だ

「これが・・・IS?」

「ISではない」

ついつい発してしまった独り言に返事が返って来たことに驚く

「ISではない・・・って」

「規格、骨格、装甲、外装、全て異端ではあるがISのそれに相応する・・・たが、一つだ
け、決定的な違いがあるんだ」

冷静な目で画像を見つめる千冬

その視線にどのような感情が混ざっているかなどは全くわからない

「コアがないんだよ・・・このISには」

天才化学者の篠ノ之束博士、その天才が467個生み出したとされるISのコア

製造法などほとんどすべての情報は未だに解明されていない

ただ一つの真実としてコアがないことにはISは「動かない」

「でも、あのとき・・・」

確かにISは起動していた。

実際に活動形態から待機形態にすることもできた

ふと、あの後の出来事が頭を過るが無理やり抑え込む

緊張と動揺と嫌悪感と恥ずかしさと、他の自分でも説明がつかない感情で顔が真っ赤になった

「少し誤解を生む言い方をしてしまったか・・・済まない、訂正しよう。「正確にはこのIS
の中には」コアがないんだ、どれだけ検査してもその腕輪からコアの反応を発見できなかった、しかし・・・」