機動戦士ガンダムRS 第6話 鉄壁の要塞
キラは、ガルシア少将の言葉を思い出していた。
「もう僕たちを放っておいてくれ」
そう叫ぶとキラは、フットペダルを踏み込みユーピテルに肉薄した。
ユーピテルは、ビーム・マシンガンからユーピテル・バズーカに持ち直し3発撃ってきたが全弾回避した。
そして気迫あふれる連撃をくりだした。
※
シグマン大尉は、ユーピテルの武器をビーム・マシンガンからユーピテル・バズーカに替え換装型ガンダムに3発撃った。
しかし換装型ガンダムは、全弾回避し肉薄すると気迫ある連撃をくりだした。
さすがにシグマン大尉もこれには、やや押された。
※
ほかの防衛部隊は、これから進入しようとしているガンダムサイガーらを迎撃していた。
マン・マシーン部隊は、乗ってきたゲタをモビルスーツ、モビルアーマーと艦艇に命中させ撃墜させていった。
※
メビウス部隊とジン部隊は、いっせいに発進した。
「攻撃目標をアルテミスに替えろ」
ガルシア少将の発言に副官は、驚いた。
「正気ですか?
皆が死にますよ」
副官は、ガルシア少将に詰め寄ったが銃声音とともに副官は離れた。
「そうだ。
死ねばいいんだ。
死神は、ここで死ぬんだ。
私が殺したんだ」
ガルシア少将は、正気ではなくなった。
それは、別段ガルシア少将だけではなかった。
ここに配備されてきたのは、前線兵士としては失格の烙印を押されたものばかりだった。
そのためパイロットの中にもこのような人々が多数出て基地を破壊するものが出た。
※
しかしこれが意外な効果を発揮した。
この同士討ちによってアルテミス内で誘爆が発生した。
「あの艦は?」
「わからない。
アイリアス少尉、どこだ?」
この爆発でマン・マシーンのパイロットは、アーガマもどきを発見できなかった。
※
アークエンジェル、ヴェサリウス、ヘルダーリン、ホイジンガー、ガモフ、ツィーグラーは180度回頭した。
「ストライクを戻して。
反対側の港口よりアルテミスを離脱します」
ラミアス艦長が脱出命令を出した。
※
「キラ。
キラ、戻って。
アークエンジェル、発進します」
キラは、ミリアリアの命令で速やかにアークエンジェルに向かった。
※
シグマン大尉は、換装型ガンダムが撤退するのを見た。
「逃げるのか?」
シグマン大尉は、追撃しようとしたがそこにサオトメから通信が入った。
「撤退する。
このままでは、俺たちもこの要塞とともに心中してしまう」
「了解」
シグマン大尉は、追撃をやめ撤退した。
己の戦果のために無茶をやらないのも熟練者の業だった。
※
ストライクガンダムは、無事アークエンジェルに着艦した。
「ストライク、着艦」
それをバジルール少尉が報告した。
「アークエンジェル、発進。
最大船速」
ラミアス艦長の命令とともにアークエンジェルと機動部隊は、最大船速で反対側の港口から脱出した。
※
マン・マシーン部隊が撤退するとアルテミスは、大爆発をした。
サオトメは、腸が煮え返る気分だった。
1度ならず2度までも敵を追い込みながらも戦果を挙げられなかった。
※
キラは、ストライクガンダムのコックピットから出た。
「坊主」
しかしキラは、フラガ大尉とマードック軍曹を無視してモビルスーツデッキから出て行った。
そんなキラをフラガ大尉は、心配そうに見ていた。
「どうしたんだ?」
フラガ大尉は、たまらずマードック軍曹を質問した。
フラガ大尉は、アルテミスにずっといたため食堂での出来事を知らなかった。
※
キラは、暗い就寝室につくとベッドに横になった。
そこにトリィが飛んできて肩に止まった。
「僕は」
キラは、自分の産まれの不幸さに涙した。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第6話 鉄壁の要塞 作家名:久世秀一