機動戦士ガンダムRS 第6話 鉄壁の要塞
その異変にアークエンジェルのモビルスーツデッキにいたガルシア少将たちも気づいた。
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サオトメは、シグマン機とサウス機に命中させないようにアルテミスにビームを連続で命中させた。
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その振動にキラも尋常じゃないと感じた。
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部屋にいた5人もその異変に気づいた。
「何だ?」
バジルール少尉は、思わず立ち上がった。
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アークエンジェルの食堂にいた皆は、不安に陥った。
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「管制室、この振動は何だ?」
ガルシア少将は、基地内通信で管制室に聞いた。
「不明です。
周辺に機影なし」
「超長距離攻撃だ。
傘を開け、ライズマン。
何をしている?」
無理もない。
ニュートロンジャマーとミノフスキー粒子の影響で有視界戦闘が当たり前になったこの時代で距離3500km以上を超える距離からの攻撃など通常では、ありえない。
そのような状況を想定せずまともな訓練もしてこなかった彼らに今の状況で即対応など不可能だった。
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やっと光波防御体の発生器が姿を現した。
「あれだ」
2機のユーピテルは、ダミーバルーンを脱ぎビームサーベルで発生器を破壊し始めた。
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それは、管制室でも確認できた。
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「防御エリア内にマン・マシーンが2機を確認。
リフレクターが堕とされていきます」
「何だと?」
ガルシア少将は、その報告に驚愕した。
キラは、コックピットの中からその光景を見た。
詳しいことは、わからないが予想もしなかった状況であることはわかった。
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シグマン大尉とサウス中尉は、すべての発生器を破壊した。
「あいつは、たぶん港だ」
2人は、港に向かっていった。
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「おい。
この警報は、何だ?」
アークエンジェルの食堂では、ノイマン曹長が2人の憲兵にたまらず近づいて質問した。
「いや、これは」
しかし発生器をすべて破壊されたとは、想像もつかない憲兵は回答に困った。
「わからないのか?」
ジャッキー伍長が歩み寄りながら言った。
そこにマードック軍曹とダリダ伍長も続いた。
「だったら誰かに聞いて来い。
どう考えたってこれは、攻撃だ」
そういうとノイマン曹長は、2人の憲兵を突破してブリッジに向かった。
「待て」
2人の憲兵はノイマン曹長に自動小銃を向けたがダリダ伍長、ジャッキー伍長、トールとサイに押さえつけられた。
「そんなことしてる場合かよ」
思わずダリダ伍長が怒鳴った。
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アークエンジェルを取り囲んでいた兵士たちは、皆いっせいに退避していた。
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アークエンジェルのブリッジにいた技術者たちもブリッジを出て行った。
それと入れ替わるようにノイマン曹長たちが入った。
そして皆が所定の位置に座った。
「起動するぞ」
ノイマン曹長が起動プログラムを立ち上げた。
「艦長たちがまだ帰ってきてないです」
思わずロメロ伍長が叫んだ。
「この状況じゃただの的だ」
ノイマン曹長は、アークエンジェルの発進前に艦長たちが戻ってくると信じていた。
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どうやらサオトメの鎌は、母の腕を切ったようだ。
部屋にいたフラガ大尉は、そう判断した。
「今の爆発で部屋に亀裂が入った。
空気が」
突然フラガ大尉が叫び始めた。
「助けてくれ。
ここで死ぬわけには、いかないんだ」
するとそれにクルーゼ中佐がドアの近くで続いた。
「叫べよ。
ドアを開けさせるんだ」
小声でラミアス大尉、バジルール少尉とアデス少佐に言った。
「助けて。
死んじゃう」
それにラミアス大尉とアデス少佐が続いたがバジルール少尉は、性格上できなかった。
フラガ大尉は、叫びながらゆっくりドアの近くまで行きドアが開き入ってきた憲兵を手刀で気絶させた。
「中佐」
バジルール少尉は、思わずこれが正しいのか考えた。
もう1人様子見に来た憲兵をクルーゼ中佐が殴って気絶させた。
「確かにアルテミスとの心中は、ごめんね」
5人は、部屋を出て行った。
バジルール少尉は、仕方ないという感じだった。
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シグマン大尉とサウス中尉は、港で防衛に当たっていたジン部隊とメビウス部隊をビーム・マシンガンで排除し港の奥に侵入した。
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アークエンジェルのモビルスーツデッキでは、技術者が逃げ出していた。
「傘が破られた?
そんなばかな」
ガルシア少将は、現状を認めたくなかった。
キラは、ストライクガンダムのコックピットハッチにいた技術者を蹴落としハッチを閉じた。
そしてストライクガンダムを発進させようとした。
「貴様」
ガルシア少将は、キラを怒鳴った。
「攻撃されてるんでしょ?
こんなことしている場合ですか?」
キラは、現状を理解できないガルシア少将に嫌気が差していた。
ガルシア少将は、管制室に向かって走っていった。
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ストライクガンダムには、ソードストライクパックが装備された。
装備後キラは、フェイズシフトを展開した。
※
シグマン大尉は、最後のメビウスを撃墜しアーガマもどきを発見した。
「いたぞ」
その報告にサウス中尉もその方向に行った。
すると換装型ガンダムが迎撃に現れた。
「今日こそ」
シグマン大尉は、換装型ガンダムに向かっていった。
換装型ガンダムは、ロケットアンカーを使ってきた。
シグマン大尉は、それを左手で持っていたビームサーベルで切った。
すると換装型ガンダムも大型ビームサーベルを構えて接近してきた。
換装型ガンダムの斬撃をビームサーベルで防いだ。
2機のビームサーベルが交差し激しいスパークを発生させた。
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キラは、パンツァーアイゼンを射出したがビームサーベルで切られた。
「クソ。
こんなところにまで」
キラは、サオトメのしつこさに嫌気が差していた。
キラは、シュベルトゲベールを持たせユーピテルに切りかかった。
ストライクガンダムの斬撃をユーピテルは、左手で持っていたビームサーベルで防いだ。
ユーピテルのビームサーベルと交差し激しいスパークを発生させた。
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推進剤の節約のためユーピテルとF型に換装したガンダムサイガーは、ゲタに乗って進攻していた。
「内部であまり爆風を発生させるなよ。
爆風を使って身を隠すかもしれない」
サオトメは、部下たちに命令を出した。
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アークエンジェルが発進準備中にラミアス艦長たちが戻ってきた。
「よくやったぞ、坊主ども」
そういってフラガ大尉がサイとミリアリアをなでた。
「何なんですか、この要塞」
サイは、思わずフラガ大尉に不満をぶつけた。
「ここでは、身動きが取れないわ。
アークエンジェル発進します」
ラミアス艦長が命令とともにスラスターが点火しアークエンジェルは、補給用の機材を破壊しながら発進した。
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その光景を見守りながらキラは、ユーピテルのビーム・マシンガンを回避しシュベルトゲベールで攻撃したが回避された。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第6話 鉄壁の要塞 作家名:久世秀一