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氷雲しょういち
氷雲しょういち
novelistID. 39642
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第9Q 子供も案外怖いかもよ?

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1-紺野舞
さて、歓迎会の次の日の練習。
「集合ー!!」
日向主将の呼びかけで、集まる部員たち。私も着替えを済ませ、駆けた。
「もうすぐIHだ!去年はあと一歩及ばなかったが、今年は絶対行くぞ!!そこで、どれも強豪ではあるが、同地区の一番の難関は秀徳高校!!去年は全国ベスト8、しかも今年は、『キセキの世代』の緑間真太郎がいる。この超強豪に勝てなければ、全国への切符はない!!!」
長いセリフが終わり、バカ神くんや伊月先輩らが私やホクロ君のほうを振り返る。
「なあ、二人共……そいつ、どういうやつか知ってるか?」
「口で言っても、信じないと思いますよ」
「そうね……私も自分の目で見ても信じられないし。ただ、」
「黄瀬くんが言ってたようにほかの四人は、僕はともかく、」
「ニセとも別格よ。それが進化なんてしたら、――想像なんてつかないよ」
みんな真剣な顔になり、一拍おいてから日向先輩が続けた。
「秀徳に挑むためにも、まずは初戦!気ぃ引き締めて行くぞ!!」
「「オウ!!」」
部員一同は気合を入れた。そいえば、
「相田先輩はどこですか?」
「ああ、すぐ近くで1回戦で当たる新協学園が練習試合やってるらしいんだ。その偵察らしい」
ふぅん。
そう反応したら、ちょうど一年のクリ旗くん、瓦くんがこう呟いた。
「GW明けたら、すぐ予選か。早っえなー。あと3週間だっけ?」
「だなぁ。でも、先輩たちって去年決勝リーグまで行ったんだろ?」
「しかも、今年は火神と黒子、紺野さんもいるし、1、2回戦くらい行けるんじゃね?」
「ハハハッ、かもな」
あぁ、アホか……。
ちょうどよく、「ダアホッ」と日向先輩が勢いよく頭に拳を打ち、突っ込んだ。「スンマセン」と2人も謝った。
「一度負けたら、おしまいのトーナメトだぞ。一回戦だろうが、決勝戦だろうが、気を抜いていい試合なんてねぇよ」
2人はそれを聞いて、唾を飲んだ。
「おーい、主将ー。予選トーナメント表のコピーしてきましたー」
フグ田くんがプリントを持ってきた。なんか、多くないか?
プリントが回る。
「『キセキの世代』がいる秀徳と当たるのは……決勝か」
「こうして表になると、やっぱ多いな」
「全くだわ……」
「って、え、2枚目?!」
「よく見ててよ、フグ田くん」
部員全員にプリントが行き渡って、日向先輩と伊月先輩が説明を続けた。
「A~Dの4つのブロックでの頂点となった一校だけが決勝リーグに進出できる」
「さらに決勝リーグでの上位3位までがIHにいけるんだ。およそ300もある高校から、たった3校」
「1%の選ばれた高校生しか立てない、夢の舞台……それがIH」
「……あの、ちょっといいか……です?」
「どした、火神?」
「なんとなくはわかったけど、一つ間違ってるッスよ……選ばれるんじゃなくて、勝ち取るんだろ……です」
……うわぁ、ドヤ顔だー。なにその、そこ突っ込むなって顔……。
そう思ったところで、タイミングよく相田先輩が帰ってきた。
「ただいまー」
「おぅ」
相田先輩の様子を見て、フグ田くんが不思議そうに言った。
「あれ?カントク、海常のときはスキップしてたけど、今日は?」
その言葉に、相田先輩は頭に猛烈な怒気を発しつつ、
「するか!!!!」
と低く言った。
当たり前、だな。
「公式戦でもヘラヘラするわけねぇだろ、ダアホッ」
日向先輩の言葉で一年3人はシュンとなった。
それを一瞥して、日向先輩は相田先輩を見た。
「にしても機嫌悪ぃな。相手、強いのか?」
「はぁ、ちょっとやっかいな選手がいるのよ。とりあえず、ビデオはあとで見せるとして……まずは写メ見て」
パカッと、日向先輩が相田先輩の携帯を開けた。
「……これは?!…………かわいいが」
ニャーンッと可愛げな効果音がしそうな猫の画像だ。
ってか、本当にかわいい……。
相田先輩は照れながら、「ごめん、次の」と促した。
日向先輩が携帯のボタンをひと押しした。
そして、画面を覗いていた日向先輩、伊月先輩、小金井先輩が驚愕した。
「名前は、パパ・ンバイ・シキ。身長200m、体重87㎏。セネガル人の留学生よ」
そこには、茶色い肌の長人が写っていた。
ってか、……
「セネガ……留学生ってあり?!」
「でかぁ!!」
「名前もメンドっ!!」
「ってか、その、ごめん、セネガルってどこ?!」
続けざまのつっこみ、お疲れ様でした。いろいろと。
「でかいだけじゃん」
「そこ、突っ込め!バカ神に!」
「思ったまんまなんだけど?!です!!!」
「だあぁぁぁぁ、ちょっと、みんな黙って!」
「で、リコ、その、パパ……ンバイ……」
「パパンバ、じゃなくて、」
「もう、話が進まん!あだ名つけて、紺野さん!」
「シキの親分」
「別作品ネタ却下。しかも、またワンピースって」
「じゃあ、パパイヤ」
「微妙!却下!!……ええい、次、黒子くん!」
「……じゃあ、パパだから、『お父さん』で」
「なに、そのセンス!!?」
まぁ、考えてくれたから、とりあえずホクロくんの『お父さん』となった。
「で、このお父さんを……って、聞けよ!」
みんな、プルプルと震えていた。え、ああ、私も。
気にせず、いや、正確には先輩たちを痛めつけて、相田先輩は続けた。
「彼の特徴は、背だけでなく手足も長いこと。とにかく『高い』の一言に尽きるわ。戦力アップのために外国人留学生の選手を取り入れる学校は増えている。次の相手、新協は去年まではただの中堅校だったけど、たったひとりの加入で、チームは別物になってるわ」
相田先輩は真剣な顔でこう締めくくった。
「高い……ただそれだけで彼を止めることができることができないのよ」と。
その言葉に、全員が一気に沈黙した。それを、相田先輩が断った。
「ちょっとみんな、なに黙ってるのよ!だからって何もしないわけないでしょ!……ってわけで、火神くん、紺野さん、あなたたちは明日から別メニューよ」
「え、あの、僕は?」
「黒子くんは、いまから技を一通り見せて欲しいわ。まぁ、あとは通常のチーム練習で事は足りるでしょう」
「……わかりました」
少しだけ意気消沈したホクロくんであった。

2-黒子テツヤ
さて、僕らの練習の日々は一日一日過ぎていく。火神くんは駆け、ボールは巡り、僕はボールの行方を促した。
そして、5月16日土曜日、IH予選の初戦。僕らは適当な場所に集まった。
「全員、揃ったわね」
と相田先輩が言い、日向先輩は答えるように言った。
「よし、行くぞ!!!」
と。
ちなみに、
「またですか」
「うるせっ」
火神くんの目はやはり充血していたのだった。

九時半頃、ようやく体育館につき、指定の場所へ行く。
そこでシュート練習をする僕たち。だが…
「なぁ、パパ、いなくね?」
「そういえば」
「えぇ?!!」
超残念がる火神くんである。たしかにあの背の高い人がいない…。
と思ったらちょうど――来た。
「すみません、遅れましたー……アイテッ」
ガツンッと天井に頭を打ち付ける黒人選手”お父さん”だ。
「日本低イ……ナンデも……」
おぅ、高い……いや、
「デケーーーーーーーーッ!!ってかなんか長い!!!」
古賀先輩は叫び、そのタイミングで新協学園の選手たちは口々にお父さんに文句を言った。