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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL

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 ロビンは例のレリーフの元に行く。
『ムーブ』
 レリーフが穴に向かって動き始めた。そして落ちた。
 突如、眩い光が辺りを照らした。ロビンは目を手で覆った。光がおさまる頃には先程の情景が眼前に広がっていた。
「一体何が起きたんだ?これも罠か?」
 ジェラルドは驚いていた。当然の事であろう。
「いや、これできっと罠が外れたはずだ。次はさっきの部屋の像を動かそう。ジェラルド、手伝ってくれ」
 言うとロビンは足早に動き出した。
「ああ、ちょっと待ってくれよ」
 ジェラルドもついて行った。
「ちょっと、二人とも私の事忘れないでよ!」
 あまりにも衝撃的なことが続いていたためジャスミンは忘れられていた。
 三人は先程ジェラルドが罠を作動させてしまった部屋に戻ってきた。
 目の前にはあいも変わらず太陽の紋章とそれを囲むようにしてある4体のレリーフ。外見からは罠が外れたようには見えないが、ロビンによると外れたらしい。
「ロビン、本当に大丈夫かよ?また雷が出たりしないだろうな」
 ジェラルドは前の事があるので一抹の不安を拭えずにいた。
「大丈夫さ。オレを信じろって」
 ロビンは自信に満ちていた。
「ジェラルド、君はこっちの二つを。オレはあっちの二つをやる。頼んだよ」
 言うとロビンはジェラルドの返事を聞く前に行ってしまった。
『ムーブ』
 エナジーによってレリーフが動かされた。
 前にジェラルドがやった時とは違い、今回は神殿の揺れも小型雷雲の発生もなかった。
「ロビン、こっちは終わったぜ!」
 向かいにいるジェラルドがロビンに向かって叫んだ。
「ああ、こっちも今終わるよ」
 ロビンは応えると同時に、
『ムーブ』
 エナジーを発動した。
 例によってレリーフが動く。
 日光がレリーフの鏡に当たり、反射する。
 反射した日光が床の太陽の紋章に当たる。次の瞬間不思議なことが起こった。
 太陽の紋章がまばゆいばかりの光を発したのだ。それは数秒続いた。そして数秒の後、驚くべきことが起こった。
 なんと太陽の紋章であった床が月の紋章となり淡い光を放っていた。
 その月の紋章から溢れ出る光が道を指し示している。下へ、と。
「ロビン、この光もしかしてこの下の部屋を指しているんじゃない?」
 ジャスミンが言った。
「下の部屋って言うと今ごろスクレータが調べている部屋じゃないのか?」
 ジェラルドも言った。
「オレもそう思うんだ。よし、スクレータのところに戻ろう」
 三人は顔を合わせて頷くと駆け出した。
 その様子を見ていた男がいた。
「見事ですね…」
 男は再び姿を消した。
        ※※※
 階段を下りるとそこは思いもよらない風景に包まれていた。
 辺りは部屋の中心の太陽の紋章によりまばゆい光によって照らされていた。
「こ、これは…」
 ロビンは絶句した。絶句するのも仕方のない事であろう。なぜなら、ここに最初来た時には夜のようになっていたのに今では昼のようになっていたからである
「お、おいロビン、スクレータがいないぞ」
 ジェラルドに呼びかけられてロビンははっとした。
「隣、隣の部屋にいるわよ!」
 スクレータはジャスミンによってすぐに発見された。
 昼間の部屋と隣接する部屋はやはり夜のようになっていた。太陽の紋章であった部屋の中心は月の紋章となり、そこから淡い光の道ができている。
 オーロラの発生している部屋の片隅にスクレータは立ち尽くしていた。
 スクレータはロビン達が声をかける前に彼等に気づいた。
「おお、お主らか、こんな事が起こったので呼びに行こうかと思っとったのじゃが…」
 スクレータはロビン達の方に歩み寄った。
「お主ら一体上で何をしとったのじゃ?」
 スクレータは訊ねた。
「この真上の部屋にも太陽の紋章があって、その周りには鏡を持った像があったんだ」
 最初に説明し始めたのはジェラルドだった。
「そこでジェラルドが勝手に像を動かしちゃったの、そしたら太陽の光が像の鏡に当たって床の太陽の紋章に当たった瞬間…」
 ジェラルドがジャスミンの説明を遮るようにして続けた。
「罠が動いたんだ。突然神殿が揺れだして、雷まで鳴り出したんだ」
「うむ、確かに揺れたな。あれにはワシも腰を抜かしたぞ」
 さらに説明は続いた。
「そこでボクらはこの罠を外すための物を探してみました。それはすぐとなりの部屋にありました」
 ロビンが続けた。
「そこにあった像と全く同じ像が2つあって、更に大きな蓋を持った像がありました」
「そいつらをオレとロビンで日の当たる位置に動かしてやったら、反射した日光が合わさってそこに穴が空いたんだ」
 ジェラルドである。
「そこにロビンは蓋を持った像を落とし込んだわ」
「これで罠を外す事が出来ました。後は太陽の紋章を囲む像を動かして日光を当てたら、紋章が月に変わって光がこの部屋の方向を指したんです。そして来てみたらこんな風に…」
 ロビンは部屋の中心にある月の紋章からでている一筋の光の道を指差した。
「あれはワシもきっと何かすごいものが隠されていると思うんじゃ。行ってみたいが…」
 スクレータはロビン達をちらりと一瞥した。
「何言ってんのさ、ここまで来たんだから行かなきゃ後悔するよ!」
 珍しくジェラルドは強気だ。
「ロビン、あなたも行くわよね?」
 ジャスミンは訊ねた。しかし、応えは分かりきっている様子だった。
 案の定、ロビンは強く頷いた。
「おお、行ってくれるのか」
 ロビン達は笑顔で了承した。
「よぉし、行くぞ〜!」
 スクレータは先陣を切って走った。光の道に乗った瞬間スクレータの体が浮き上がり、淡い光とともにどこかへと消えていた。
「スクレータ!」
「大丈夫だ」
 次にロビンが消えた。
「ロビン!」
「ほら、ぼさっとしない!」
 ジャスミンも消えた。これによってジェラルド一人がその場に残された。
「ええい、間々よ!」
 ジェラルドは光の道目掛けて飛びかかった。
 何とも言えない浮遊感が全身を包み込んだ。
「うわあああぁぁ!」
 ジェラルドも彼の叫びとともに光の中へと消えていくのだった。
「ついに、ついに見つけましたよ聖地への扉…」
 またしても謎の男がどこからともなく現れた。
「必ず手に入れてみせますよ。エレメンタルスターを!」
 野望を胸に男は消えていくのだった。
作品名:黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 作家名:綾田宗