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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL

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「そうじゃ、ホラそこの床に太陽の紋章がきざまれておろう?」
 ジャスミン達はスクレータが指差す所を見た。
 太陽の紋章からは光が溢れている。これがこの部屋を明るく照らしているようだ。
「ソルとは太陽の意味を指す。きっとここから名付けられたんじゃろう」
 スクレータは続けた。
「ワシは今日ここにくる前に一度神官に頼み込んでこの神殿の入り口だけを見せてもらったが、その時は太陽に関するものがみられんかったんじゃが、そうか、ここにあったのか…」
 スクレータは胸につかえていたものがとれたような穏やかな表情を浮かべていた。
「それじゃあスクレータも満足したようだし、帰ろうぜ」
 ジェラルドが帰ることを切り出した。
 それに対してロビン達は賛成しなかった。
「あれ、みんな帰らないの?」
「惜しい、と思ってのう」
 スクレータが言った。
「惜しい、何が惜しいのさ?」
 ジェラルドが訊ねた。
「謎に思っとったことがもしかしたら解明するかもしれんというのに、このまま帰るのは…」
 スクレータが答えた。
「それが惜しいの?」
 スクレータはばつの悪そうな顔をして、頷いた。
「もう少しだけ調べることはいかんかのう?」
「いやいやもう何にも無いって…なあロビン?」
「オレはもう少し先に行きたい」
 ロビンが思いもよらない返答をした。
「何だって」
 ジェラルドは驚愕した。
「私もロビンに賛成かな」
 ジャスミンも賛成した。
「マジかよ…」
「おお、許してくれるのか?」
 ロビンは笑顔で頷いた。
「オレもここにはとてつもないものが眠っている気がするんです」
 そう、エナジーが強くなる何かが。
 言った後にジェラルドに向かって
「怖かったら帰っていいよ」
 と言った。
「じょ、冗談じゃねえよ。オレは村長の孫だぜ?怖いわけねえだろ!」
 ジェラルドはピシャリと言い放った。随分と前に村長の孫がいたらまずいなどと弱気な事を言っていたのに。
「っ!?」
 突然ロビンが後ろを振り返った。
「どうしたのロビン?」
 ジャスミンがロビンに訊ねた。
「いや、誰かに見られてるような気がして…」
 ジャスミンもロビンの後方を見てみたが、だれもいなかった。
「気のせいじゃない?」
「だったらいいんだけど…」
 なぜだか釈然としない。
「おい、どうした。行かねえのか?」
 ジェラルドが口を尖らせた。
「あ、ごめん。今行くよ」
 こんな調子でスクレータを除く三人はさらに奥へと進んでいった。
「ふむ、では調べてみるとするかのう」
 遠くになっていくロビン達の足音を聞きながらスクレータは調べものを始めた。
「ふぅむ、彼らまだこの神殿の謎を解いていないようですね」
 部屋の蔭からロビン達を見ていた男が言った。
「サテュロス達、謎解きとなると全然ですね。こうなったらあのご老人方に任せましょう」
 言いつつ男は空間から消えた。まるで泡が水に溶けるように。
    ※※※
 そこはなんとも不思議な部屋であった。
 いや、先ほどの部屋と比べればこちらは大分普通の部屋なのだが、置いてある物などが不思議であった。
 部屋の中心に描かれた太陽の紋章、そのまわりに立ち並ぶ4つのレリーフ。その手には鏡のような円上のものが握られている。このレリーフを横にずらせばちょうど太陽の光が鏡に当たり、反射した光が床の太陽の紋章にとどきそうである。
「…なんか、いかにも動かしてくださいってかんじね〜」
 ジャスミンが言った。
「なあ、ロビン動かしてみねえか?」
 ジェラルドも続いた。
 確かにここは動かしてみるべきであろうとロビンも思っていた。しかし、ロビンには何か引っかかるものを感じていた。
 この部屋が先程の部屋とのつながりがあるとすればここに何かソル神殿の謎を解く手がかりがあるに違いない。しかし、それほどの物がここまで剥き出しになっているはずはない。もしや何か裏があるのでは。
「全くそんなに黙りこくっているならオレが動かしてやるよ」
 ジェラルドが行動にでてしまった。
「!?、止めるんだ。ジェラルド!」
『ムーブ』
 ロビンの制止は虚しく、エナジーが発動された。
 光がレリーフを包み込み、ジェラルドの意のままに動いていく。そして日の光がレリーフの持つ鏡に当たり、反射した日光が床の紋章に当たる。
―――ゴゴゴゴ……――
 突如、神殿全体が揺れだした。さらに小型の雷雲が発生し、部屋のあちこちで落雷し始めた。
「くそ…、」
 うろたえている仲間達を後目に、ロビンは詠唱を始めた。
「間に合え…!」
 手を突き出した。
『ムーブ!』
 レリーフが動き始めた。そして先程の位置に戻った。
 揺れは止まり、雷雲も消え失せた。
「な、何だったんだ!?今の」
 ジェラルドが誰にともなく叫んだ。それに対してロビンは冷静に答えた。
「罠だ」
「罠だって!?」
 ジェラルドの叫びはロビンへのものとなった。
「落ち着け、ジェラルド。そして聞いてくれ二人とも」
 ジェラルドは静かになった。ジャスミンもロビンの方を向く。
 ロビンは居住まいを正して話出した。
「これは恐らくこの神殿に隠されたものを守る罠なんだ。多分その守りを解くのには手順がある、それを無視すれば…、多分だけど、神殿そのものが無くなってしまうのか、アルファ山ごと消えてしまうかもしれない」
 ロビンから衝撃的な事が告げられた。
「ほ、ほんとかよ!?それじゃオレは…」
 ジェラルドは俯いた。
「ああ、大きな間違いをするところだった。オレが像を戻さなかったら大変な事になっていただろう」
 ロビンはジェラルドを責める様にではなく言った。
「ごめん…、みんな」
「もういいさ、次から気を付けさえすれば。それよりも…」
 ロビンは辺りを見回した。
「罠を解く何かがどこにあるかなんだ…」
「ねえ、2人ともこっちにすごく怪しい物があるよ!」
 ジャスミンがこの部屋から隣接した部屋から2人を呼びかけた。
 そこにはあのレリーフと全く同じものが2つあった。手には鏡、ちょっと前にずらせば日光から当たる。
「探し物は近くにあるってやつか」
 ロビンは調べ始めていた。
「ん?なんだこの像。こいつだけ鏡じゃなく何かでかいものをかついでやがるな」
 ジェラルドがその部屋にある周りのものとは特異なレリーフを発見した。
 ジェラルドによる何かでかいもの、とは蓋のようなものである。
「これは、もしかすると…」
 ロビンは呟いた。そしてジェラルドを向き、
「ジェラルド、像を動かしてみよう」
 提案した。
「ええ、大丈夫かよ!?」
「動かすのは鏡を持っている像だ。こいつを日の当たるところにずらすんだ。オレはこっちのをやるから君はあっちを頼む」
 わかった、とジェラルドは答えると向こう側にあるレリーフの方へ行く。
「いいかい、せーので一緒に動かすんだ」
 ロビンはレリーフに手を向けた。ジェラルドも続いた。
「おう、せーの!」
 2人の声が合わさる。
『ムーブ』
 エナジーによってレリーフが動かされる。レリーフの動きが止まった。日光が当たる。
向こう側のものにも当たる。反射した光が床に合わさった。そこに穴が開いた。
「思った通りだ」
作品名:黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 作家名:綾田宗