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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 2

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 サテュロスは不敵な笑みを浮かべている。
「サテュロス、お前に訊きたい事がある」
 ロビンはサテュロスの前に出た。
「何だ?」
「ジャスミンやスクレータは無事なのか?」
 サテュロスは嘲笑した。
「ああ、無事だとも。大切な旅仲間だ」
「旅仲間だと?」
 ロビンは目を細めた。
「そうさ、ヤツらも灯台を灯す手伝いをしてくれているからな」
 ロビンは驚いた。
「ジャスミンやスクレータが灯台を灯す事に協力しているだって!?」
「信じられぬか?まあそうだろう…」
「サテュロス!」
 サテュロスの後方から彼を呼ぶ声がした。
 その方向にはメナーディがいた。
「メナーディ、貴様まだ灯台を降りていなかったのか?」
「お前1人で戦う気なのではないかと思ってな」
「ふん、こんな者どもは私1人で十分だ」
 この言葉にジェラルドは憤った。
「サテュロス、てめぇオレたちをなめるんじゃねえ!」
 ロビンはジェラルドを制止した。
「ロビン、どうして…」
「分からないか、コイツらとんでもなく強い…」
 ロビンの頬を汗が一筋流れた。
「この分なら確かにお前1人でも大丈夫そうだな、だが本当に行ってもいいのか」
「くどい、さっさと行くがよい」
 メナーディはサテュロスに従って、灯台が灯ったことによって動くようになったリフトを使って降りていった。
 リフトには他にも何人か乗っているようだった。それは、ロビンにとって馴染み深い人物。
「ガルシア!」
 ガルシアはちらっとロビンを見たが、見ると同時にリフトが降下していった。
「ふん、ガルシアの心配などしている場合ではなかろう」
 サテュロスはロビンの前に立ちはだかった。そして腰の剣を鞘から抜いた。
「抜け、これ以上灯台の解放の邪魔ができんようにしてくれる」
 ロビン達はたじろいだ。
「どうした来ぬか」
 ロビンにはサテュロスの強さがよく分かっている。剣の持ち方も一見ただだらっと持っているように見えるが実際にはどこにも隙がない。戦士としての実力は圧倒的に違っていた。
「来ぬのか、ならばこちらから行かせてもらおう…」
 エナジーを発動させようと力を溜めた。
「これで消し飛べ、『ブラストヴァルカン!』」 サテュロスの脳裏にはこの瞬間でロビン達の身体は火柱に焼き尽くされているところが浮かんでいた。しかし、目の前の彼らはただたじろいでいるだけで消滅は愚か火傷1つ負っていない。
 サテュロスははっとしてマーキュリーの灯火を見た。
――しまった、マーキュリーの灯火、我がエナジーを弱めているのか…!?――
 サテュロスはロビン達に向き直った。
「勝負を早めねば、行くぞ雑魚ども!」
 サテュロスは剣を振るった。ロビンは剣を防いだが、太刀筋は鋭く、受け止めなければ間違いなく身体が真っ二つにされているところであった。
「えーい!」
 ジェラルドは大剣をサテュロス目掛けて振り下ろした。
「へ、なんださっきのは?ハッタリかましやがって!」
 ジェラルドはかわされながらもサテュロスを挑発した。先ほどのサテュロスのエナジーが不発だった事で気が大きくなっていたのだ。
「ふん、調子に乗らないでもらおうか!」
 サテュロスは剣を振るった。2人の剣が弾き飛ばされる。
 続けてサテュロスはロビンに斬りかかった。ロビンは寸でのところで受け止めた。戦士としてはまだまだ日が浅いというのにも関わらずサテュロスの剣に食らいついている。
「ロビンだったか、貴様なかなかの剣の腕だ」
 しのぎを削りながらサテュロスは言った。
「貴様よりも遥かにマシだ」
 サテュロスの言葉はジェラルドに向けられていた。
 激昂したジェラルドは考えも無しにサテュロスに突っ込んだ。
「なめんじゃねぇ!」
 どうりゃ、と大剣を振り下ろす。
「当たる気がせんな」
 サテュロスは後ろに飛び退いた。
――ジェラルド、そのまま少し時間を稼いでくれ。サテュロスを倒すにはアレしかない…――
「イワン、ジェラルドにインパクトだ!」
 ロビンは後方でメアリィと共に援護していたイワンに叫んだ。
「どうするつもりなんですか!?」
 イワンも叫び返した。
「いいから早くするんだ!」
『インパクト!』
 イワンは言われるがままにエナジーを発動した。
 エナジーが光線となりジェラルドに当たって光がジェラルドを包み込んだ。
「…へへ、力が湧いてきやがるぜ!」 やがて光が止んだ。
 見た目には大きな変化はないように見える。
「さあ続きだサテュロス!」
 ジェラルドは再びサテュロスに突っ込んだ。
「また、来たか。馬鹿の一つ覚えだな」
 サテュロスは迎え撃とうとした、しかし剣は虚空を切り裂いた。
「こっちだぜ!」
 ジェラルドはサテュロスの背後にいた。言葉と共に放った大剣はかわしきれずサテュロスの肩口を掠った。
 少し掠っただけだというのに肩口は止めどなく血が溢れた。
「この速さに力、強化エナジーか…」
 『キュア』と詠唱すると傷はみるみるうちに塞がった。
「ならばもう容赦はせんぞ!」
「かかってきやがれ!」
 その後の勝負は圧倒的にサテュロスが押していた。
 先ほど掠った一撃以来ジェラルドの攻撃は当たるどころか掠りもしない。それどころか彼の武器は大剣故に攻撃がどうしてもパターン化してしまう。魔物相手であるならば一撃必殺の広範囲攻撃は有利であるが、小回りの効く、特にも歴戦の戦士相手ではひらりとかわされてしまうのである。しかも大振りの攻撃はかわされれば莫大な隙を生んでしまう、何度も隙を作ったせいでジェラルドはもう満身創痍であった。
 今まで軽かった脚が急に動かなくなった。
「どうやらエナジーの効き目が切れたようだな」
 サテュロスはニヤリと笑った。
「く、くそう…」ジェラルドはよろけてそのまま地面に倒れ伏してしまった。
「ふふふ、終わりだ」
 サテュロスはジェラルドの背中に剣の切っ先を突き立てようとした。
『アイス!』
 氷の槍がサテュロス目掛けて飛んだ。
 メアリィの後方援護であった。
「ふん、いいだろう。貴様から消してやろう」
「サテュロス!」
 メアリィ目掛けて斬りかかろうとしたサテュロスにロビンが叫んだ。
「次はオレが相手だ」
 サテュロスはニヤリとした。
「よかろう」
 サテュロスはロビンに向き直った。
「お前を一撃で倒してやる」
「何を世迷い言を」
「だと思うか…?」
 ロビンは叫んだ。
「メアリィ!アンチエナジーレイだ!」
 いつの間にかサテュロスの後ろにいたメアリィはセイントアンクを横薙に振るった。
「アンチエナジーレイ!」
「何!?」
 不意を打たれたサテュロスはメアリィの杖をまともに受けてしまった。
 杖の軌跡から光が生じ、サテュロスを縛り付けた。
「こいつにはまだ慣れてなくてな…」
 ロビンはとてつもなく大きなエナジーを溜め込んでいる。
「くらえサテュロス!」
 エナジーは発動した。
『ラグナロック!』
 ロビンの上空に巨大な剣の形のエナジーが発生した。
 えええい!とロビンは剣を振り下ろした。巨大な剣はサテュロスへと迷わず向かっていく。
「ぐ、ぐおおおお!」
 サテュロスは身動きがとれない。
 やがて巨大な剣はサテュロスを貫いた。
「どうだ、ちくしょう…」