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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 2

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 アレクスは手をかざしてバリアーを張った。炎が爆発を起こしたが爆風はアレクスに届かなかった。
「私に火のエナジーは通用しませんよ」
 アレクスは笑ってみせた。しかし、リョウカも余裕の表情である。
 リョウカは顔の側で手からパリパリと電気を作り出した。
『レイ!』
 リョウカはアレクスに向けて電撃を繰り出した。
「何!?」
 アレクスはすれすれの所で電撃をかわした。
「それは、風のエナジー。何故火のエナジストが…?」
 それだけではないと言わんばかりに今度は土で槍を作り始めた。
『スパイア!』
 リョウカは土槍を放った。しかし、土槍はアレクスを逸れアレクスの足元に突き刺さった。
「まさか、貴女は…」
 リョウカは冷気を放った。
『チルド!』
 両者の間に氷柱が発生した。
 リョウカはその氷柱を斬り砕いた。刀を鞘に納め、アレクスの前に立ちふさがった。
「神の力を得ているというのですか」
「神の力、何だそれは?」
 リョウカは刀の切っ先をアレクスに突き付けた。
「ふ、知りませんか。ならそれもよいでしょう。貴女は今から私にやられるのですから」
 状態としてはリョウカが圧倒的に優勢である。にも関わらずアレクスはまだ戦うつもりでいる。
「ふん、貴様はどうやら自分の置かれている立場がわかっていないようだな。ならば、死によって分かるがよい!」
 リョウカは刀を振り上げた。次の瞬間辺りを青白い光が包み込んだ。
 それには大きな力が込められている。立っているのも辛いほどである。
 やがて光は収束し、青い巨大な球体と化した。マーキュリーの灯火である。ついにマーキュリー灯台は解放されたのだ。
「バカな、灯台が解放されてしまうなんて…!」
「もっと早くに私を倒していればこんなことにならなかったというのにね」
 アレクスは立ち上がっていた。とてつもない力を込めて。
「正直、貴女がここまで強いとは思いませんでした。灯火の力を借りずとも貴女を倒せると思ったのですが…」
 アレクスは力を発した。先ほどまでの彼とは比べものにならないほどの力であった。
「どうやら見くびっていたようですね」
 アレクスは剣を構えた。
「ですが、ここからは容赦しません。全力で貴女を倒します」
「何を言っている。貴様ごときに私は負けん!」
 リョウカはエナジーを発動させようとした。しかし、いつもと様子が違う。
『フレアウォル!』
 詠唱してみたものの炎が出ない。
「な、何故だ!?」
 アレクスは口元を歪ませた。
「ふふ、やはりそうでしたか。安心しましたよ、貴女が火のエナジストで」
「どういうことだ」
「貴女は火のエナジスト、ですから、主体となるエナジーがマーキュリーの灯火によって弱められる。だから、貴女はエナジーが使えなくなった。そう言うことです」
 アレクスはさらに力を発した。
「そして、私のエナジーは水、だからマーキュリーの力を活用することができる」
 アレクスの目に見えない力が強風を巻き起こしリョウカを吹き抜けていった。
「さあ、お喋りはこのくらいにしてそろそろ続きを始めましょう」
 マーキュリーの力を得たアレクスはとてつもなく強くなっていた。
 アレクス、エナジーを強化。リョウカ、エナジーを封印。この状態が既に勝負を分けている。
 しかしながらリョウカには自分の得意な火のエナジーの他に様々なエナジーを使う事ができる。実際にこれらは封じられた後もある程度は使うことができた。しかし、それらも力をだいぶ弱められてしまっていた。パワーアップしたアレクスには到底通用しない。
 アレクスのエナジーやら剣を受け続け、リョウカは満身創痍の身体となり、地面に伏した。
「他愛ないですね」
 アレクスは剣をリョウカの首に付けた。
「先ほどまでは貴女がこちら側でしたのに」
 リョウカは刃を弾いた、そして身体を震わせ立ち上がった。血が2、3滴滴った。
「貴様らを…、放っておくわけにはいかん…何としても、私がここで…」
 リョウカは震える手で刀を構えた。
「倒す…!」
 リョウカは構えたままで力を溜め始めた。力は刀へと集まっている。やがて刀が赤く輝いた。
「炎龍刃!」
 リョウカは一気に刀を抜いた。刀身の軌道から炎が龍の形をなしてアレクスへと向かっていく。
 アレクスは驚き、剣でそれを受け止めた。しかし、それは大きすぎる為短刀では受けきれない。横に広がる炎がアレクスの肩を焦がしていく。
 ついにアレクスの短刀は炎の龍によって弾かれた。炎がアレクスを包み込む。
「ぐわあああぁぁ!」
 やがて炎は鎮火した。煙でアレクスの姿は見えないがリョウカは勝利を確信していた。
「どうだ、これが私の奥義だ…」
 リョウカはよろけて膝をついた。
――少々、やられすぎたか…――
 リョウカは回復しようとした。しかし、驚いてその手を止めた。
 なんとアレクスがリョウカを見下ろしていたのだ。しかもまともに技を喰らったと言うのに所々焦げているだけである。
「貴様…なぜ生きている…?」
 アレクスは答える代わりにリョウカを蹴り飛ばした。腹を蹴られリョウカはうずくまる。
「危ないところでしたよ。とっさに火を防ぐバリアーを張らなかったら…」
 アレクスは炎に包み込まれる瞬間に前にも使ったバリアーを張る事でダメージを防いでいた。
 ただでさえ満身創痍の身体であるのに大技を出したので、リョウカはとても動ける状態ではない。
「終わりにしましょう」
 アレクスは剣を振るった。
「アクアストライク!」
 剣を振ると同時に地面から水柱が上がった。リョウカは水柱で空中に打ち上げられる。
『ヘイルプリズム!』
 すかさず空中のリョウカにエナジーを発動した。無数の氷の塊がリョウカを襲った。
「一応急所は外しておきました」
 傍らで横たわるリョウカは血まみれではあるが息がある。
「さあ、後は…」
 アレクスは灯火を見た。その近くでサテュロスとロビン一行が睨み合っている。
「マーズスターですね」
 アレクスは音もなく忍び寄った。
    ※※※
 ロビン達が灯台を探索しているときに、灯台が大きく揺れた。灯台が倒壊せんばかりの揺れであった。これに驚き慌てふためいているところで揺れは収まった。同時にメアリィのエナジーが増大された。
 そのエナジーの力で流れおちる大きな滝の流れを変えることが出来、頂上まで登るのにだいぶ時間を短縮することが出来た。
 いざ灯台の火口へ向かってみると一同は愕然とした。
「と、灯台が…」
「灯されるなんて…!」
 ロビン達は灯台を守ることが出来なかった。 メアリィは絶望のあまりに膝をついた。
「メアリィ!」
 ジェラルドは駆け寄った。メアリィは涙を流している。
「私は…、私は灯台を…守れませんでした……」
「メアリィ、大丈夫だ。灯台はまだ3つあるんだそれらを守ればいいんだ」
 ジェラルドは慰めた。
「ほう、あの中から逃げ延びたか。なかなかにしぶといようだな」
 こつ、という足音とともに声がした。
 見るとそこには顔面蒼白の男がいた。
「サテュロス」 サテュロスは灯火を指差した。
「この通り、灯台は灯させてもらった」
「どうやら灯台が灯るのを阻止しに来たようだが、少し遅かったな」