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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 2

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『キュア』
 ロビンから発せられたエナジーは光のリングとなってジェラルドの傷口を優しく包み込んだ。
「へへ、ありがとなロビン!」
 回復した肩を回して、ジェラルドは盗賊に向き直った。
「さっきは油断したけどな、次はこうはいかないぜ!」
 大剣を構えなおした。
 一方、盗賊はというと驚愕していた。
――な、なぜ平気なんだ!?――
「行くぜ?!」
 ジェラルドにエナジーが溜められていく。それが限界になった瞬間放った。
『フレア!』
 ジェラルドより発せられた高温の炎は盗賊の体を避けてナイフに当たった。炎に当てられたナイフの刀身はドロドロに溶けて盗賊の手にかかった。
「あ、熱、熱つつ!!」
 盗賊は手をめちゃくちゃに振って溶けたナイフを振り払った。それが振り払えたころには目の前にジェラルドが立っていた。
「うわあああっ…」
「てい!」
 盗賊は床に伏した。
「安心しな、みね打ちだからよ」
 ジェラルドは大剣を置いた。
――な、なんだこいつら…なぜ傷が治ったり火を出したり出来るんだ!?――
 もう一人の盗賊は恐怖で顔をひきつらせていた。
「容赦はしませんよ」
 イワンは杖を突き出した。しかしそれは盗賊のナイフで受け流された。
――よっしゃ、こいつは力が無さそうだぞ!――
 盗賊は勝算があるとふんだが、それは大きな間違いだった。
『スピン!』
 イワンが詠唱すると小型の竜巻が発生し、盗賊の体を切り裂いた。切られた箇所からは血がとんでいる。
「ぎゃあああ、痛っ、なんだこの風は!?」
 盗賊は腕で身を守ろうとしていたため、腕がもう既に血まみれになっている。「トドメです!」
 イワンは力を溜め始めた。その力に比例するように、彼の体も光に包まれる。そして発した。
『レイ!』
 とてつもない磁気の嵐が、電流を発生させて盗賊を襲った。
「ぎゃあああ!」
 磁気嵐の消失とともに、盗賊の意識も消えた。
「死なない程度に加減しましたから大丈夫です」
 イワンは誰にともなく言った。
「さあ、残るは…」 ロビンはバスタード・ソードの切っ先をこの場を呆然と見ていたリーダー格の盗賊に向けた。
「お前だけだな」
 盗賊は怯んだ。しかし、すぐにニヤリとした。
「こいつらはこうもうまくいったが、俺はこいつらより数段強いぞ」
 負けじと盗賊の方も短刀の切っ先を向けた。
「なら、やってみようよ」
 ロビンは剣を構えた。
「へ、後悔するなよ!」
 先に仕掛けたのは盗賊の方だった。手にする短刀はよほど軽いのか、自分の体の一部のように振り回してきた。
 ロビンはその一撃、一撃を全て受け流している。
「ほう、なかなかやるようだな」
 ロビンと盗賊の間合いは広がった。
「そういえば、お前ら妙な力を使っていたな?ならば俺も魔法の力を見せてやろう…」
 盗賊は短刀を天に振りかざした。
「宝刀、スイフト・ソードよ。その力見せたまえ!」
 盗賊の短刀は鼓動した。武器が唸りをあげたのだ。
 盗賊は淡い光の衣をまとっている。
「行くぞ、ソニックスマッシュ!」
 瞬間、盗賊の姿が消えた。かと思うとロビンの背後に現れた。
「何をしたんだ!?」
 ロビンは振り返った。
「フン、自分の体に聞いてみよ」
 突如、ロビンの体に激痛とともにおびただしい量の血が噴き出した。
 ロビンが斬られたのは肩口、腹、大腿部の3ヶ所である。しかし、全身全てを斬られたような気がして全身が痛み、床に伏すしか出来なかった。
「ぐっ…」
「どうした?先程までの威勢が無いぞ」
 床に伏すロビンの首に盗賊は短刀を突き付けた。
「痛そうだな、トドメを刺してやるとしようか」
 盗賊は短刀を振り上げた。
『キュ…、ア』
 どうにかのどの奥でつまる声を絞り出して詠唱した。エナジーが発動し、体に負った3ヶ所の傷が癒えた。
……カキン!……
 金属と金属とがぶつかり合う音が響いた。ロビンがのど元にきた短刀を剣の柄で受け止めた音であった。
「くそう、また回復しやがったか…」
 盗賊は後方にさがった。
――どうする、次は絶対回復する隙をくれないぞ…――
 ロビンはゆっくりと立ち上がった。
――でもあいつの動きを捉えられない。どうすれば?――
「フン、何を考えてるのか知らんが、次は容赦しないぞ」
 盗賊は特有な構えとともに、淡い光の衣を発生させた。
――来る!――
「ソニックスマッシュ!」
 ロビンの周りに風が吹いた。するとまた背後に盗賊が現れた。
 またしても、ロビンは血を流した。しかし、今回のそれはさほど多くはない。
「体を捻って直撃は避けたか。ソニックスマッシュを少しとはいえかわすとはやるな」
 盗賊また構えた。
「だが、次で終わりだ」
 ロビンは慌てなかった。ソニックスマッシュを避られたのはまぐれではない。ロビンはある策を思いついたのだ。
――消える瞬間が勝負だ。まだか、まだか…――
 盗賊を光の衣が包み込んだ。そして、
――消えた!――
『アースクエイク!』
 ロビンのエナジーによってこの一帯が振動し始めた。
「おわ!」
 振動によって足をよろけさせ、盗賊がロビンの目の前に現れた。
「たあああ!!」
 ロビンは剣を振り上げ、盗賊の短刀を叩き上げた。カチンという音と共に何かが宙を舞った。それは、盗賊のもっていた短刀スイフト・ソードであった。
「てい!」
 ロビンは盗賊の足を払った。盗賊は苦痛の声と表情で仰向けに倒れた。
「ソニックスマッシュを何回も使ったのがいけなかったな」
 ロビンはバスタード・ソードの切っ先を盗賊の鼻先に突き付けた。
「ま、待ってくれ!参った、降参だ!」
 その後盗賊3人組はロビン達が呼んだクープアップ村の村長に縄をかけられ、盗まれたものはそれぞれの人々に返された。
 ロビンとジェラルドらと一緒に戦ったイワンは彼の主であるハメットを連れ戻しに行くべく北を目指し、村を出ることとなった。
「では、お2人とも道中お気をつけて…」
「ちょっと待ってくれイワン」
 ロビンは床に転がっていた短刀を拾った。
「杖で魔物と戦うのは大変だろ、持って行けよ」
 ロビンは短刀を差し出した。
「ですがそれは…」
「なに、どうせヤツらがどこからか盗んだものだろ、ありがたく貰っておきなよ」
 イワンはまだためらっていたが、ロビンがイワンの手に握らせた。
「ありがとう…ございます」
「ああ、それじゃな」
 イワンは宿を後にした。
「さてと、これからどこへ向かう?」
 ジェラルドが問う。
「マーキュリー灯台のあるイミルまではまだまだ先だ。だから今日明日はしっかり準備をしておこう」