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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 2

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 制止も虚しくエナジーは発動してしまった。『リード』
 ロビンの心にジェラルドの声が響く。
『うわ?、オレの心が読まれてるなんて。や、止めてくれイワン!』
 それは思ったよりも鮮明なものだった。
 声音までも本人のものと同じである。
「聞こえた…」
 ロビンは不思議な感覚のあまり、これくらいの感想しか言えなかった。
「おいこら、イワン、オレの心を覗いといてオレには心を読ませてくれないのか!?」
 この言葉に今度はロビンが固まった。「そうですね、やはり1人だけというのは不公平ですね」
 そう言ってイワンはジェラルドの手を握った。
――止めてくれ!――
 イワンはロビンに左手を向けて発した。
『リード』
 イワンとジェラルドの心にロビンの声が届く。
『止めろイワン!なんでオレの心も…』
「すっげ?、ホントにロビンの心を読めた!」
 ジェラルドははしゃいでいる。そんな彼を尻目にロビンは訊ねた。
「イワン、ちょっと聞きたいんだが、お前はこんなところで何をしていたんだ?」

 イワンは答えた。
「今騒ぎになっている盗賊を捜しているんですよ」
 ロビンは更に訊ねた。
「さっき犬と遊んでいなかったか?」
 イワンは得意気な顔をした。
「リードで犬と話していたんです」
 ロビンは訝しげな表情である。
「動物にも効くのか?」
 イワンからは、はいという返事が帰ってきた。
「盗賊を捜してるんだって?だったらオレすごく臭いやつ知ってるぜ」
 その盗賊とは誰かをジェラルドが言おうとした所をイワンの手が遮った。
「知ってますよ、宿に泊まっているあの浮浪者達、ですね?」
 イワンからはエナジーは出ていなかったが、また心を覗かれたような気がしてジェラルドは後ずさった。
「ご心配なく、これはさっき犬から聞いたことですので」
 それでもなにか抵抗がある。イワンはまたそれを見越したようで、
「大丈夫です。もうリードはしませんから」
 笑顔で念を押した。
「リードで彼らが盗賊であることをはっきりさせましょう」
 まだイワンとロビン達の距離は開いている。
「本当にしませんからそんなに離れないでください」
 また思いを見越された。もしかしたらイワンはリードを使う以前に人の気持ちを読めるのかもしれない。
 ロビン達は用心しつつイワンと共に宿屋へと向かった。
    ※※※
 再び村の宿屋。
 今度の彼らは宿屋の主ではなく浮浪者の前にいる。
「なんだお前ら、まだ何か文句があるのか?」
 浮浪者は迷惑そうな顔をしている。
「お前たちが盗賊だって事を確かめに来たのさ!」
 ジェラルドは前に出た。
「だから我々は盗賊ではないと何度言えば…」
 もう一人の浮浪者が言いかけた所にイワンが歩み寄った。
「なんだ、女だか男だか分からん顔をしおって。何か言いたいことでも…」
 イワンは手をかざした。
『リード』
 エナジーを発動した。
「うわ、なんだこいつ!?」
 浮浪者は後ろに下がった。これによってエナジーは途切れてしまった。
「なんだこいつは、何か嫌だ。逃げるぞ!」
 浮浪者は部屋を出ようとした。
「おっと、そうはさせないぞ!」
 ジェラルドは部屋の入り口の前で仁王立ちをした。
「く、この…」
「逃がしはしないぜ」
 ロビンは浮浪者の背後に立った。
「今だ、イワン!」
 イワンは浮浪者の前に立ち、詠唱した。
『リード』
 イワンの心へと声が響く。
『ひえ?、どうしよ。もう俺達が盗賊だってばれてるのかも?』
――やっぱりか――
『いや、言わなきゃ多分まだ大丈夫だ。はやくこの宿のロフトにある宝を持って逃げよう!』
 エナジーは止まった。
「なんだこいつ、目なんか閉じておかしいぜ。まあいい俺達は用事を思い出したので失礼させてもらうよ」
 すまない、と顔に似合わない仕草をしてジェラルドの横を通り抜けた。
「どうだったイワン?」
「やはり彼らが盗賊のようです」
「何か他に分かったこととかねえのか?」
「この宿のロフトに盗んだものを隠しているそうです」
 イワンは読み取った事を一通り説明した。
「よおし、ならヤツらより先にロフトに登ってとっ捕まえてやろうぜ!」
 ジェラルドは意気揚々といった様子である。
「うん!」
 ロビンとイワンはそれに答えた。
 ロビン達はロフトへと上がった。そこは彼ら盗賊の仕業であろう、通路が大きな木箱で塞がれていた。
「こんな物、どうってこと無いぜ!」
 ジェラルドは手をかざした。
『ムーブ』
 エナジーの光が木箱を包み込み、ジェラルドの意のままに動く。
「よし、これで大丈夫。行こう!」
 ジェラルドを先頭に、ロビン、イワンは通路の先へ駆け込んだ。
「これは…」
 驚くしか無かった。なぜなら金品はもちろんのこと、金目の物が沢山溢れかえらんばかりであったからである。
「ヤツら、こんなに盗んでいたのか」
 ロビンは盗品の中にある杖を手に取った。
「それは、シャーマンの杖!」
 イワンは駆け寄った。
「これ、イワンのなのか?」
 ロビンは杖をイワンに差し出した。
「はい、これはこの村に着いた日に盗まれた杖なのです」
 イワンは杖を受け取った。
「よかった、ハメット様にもらった大切な杖だったんですよ」
 ロビンには気に掛かる事があった。ハメットという名前にである。
「イワン、ハメットって商人のハメットかい?」
 ロビンは訊ねた。
その言葉にイワンは驚いた。
「ロビン、ハメット様を見たんですか!?」
 イワンは妙に慌てた様子である。
「落ち着けよイワン」 イワンははっとして
「すみません…」
 謝った。
「あの、それでハメット様は今どこに?」
「なんか、北に向かうって言ってたよな」
  ジェラルドが答えた。
「北…ですか…」
「そうかそうか、ハメットの野郎ルンパ村に向かったか」
 ロビン達の後方から声が聞こえた。
「バカなヤツだぜ。あんな金持ちがルンパ村になんか行ったら一生金蔓(かねづる)にされちまうってのによ」
 盗賊の3人が揃っていた。
「そしてお前もまた愚か者だ。こんな所にさえ来なければ、怪我をせずにすんだものを…」
 盗賊のリーダー格の男は珍しい短刀を鞘から抜いた。横の2人も抜き身のナイフを手にしている。
「ロビン、これはもうやるしかないよな?」
 ジェラルドは腰にある大剣の柄に手を置いている。
「ああ、やらなきゃオレ達がやられるからな…」
 ロビンは背中のバスタード・ソードを抜きはなった。
「ボクも戦いますよ…」
 イワンはシャーマンの杖を構えた。
「イワン、大丈夫なのか?」
「これでも長い旅をしてきましたから…」
 いよいよその場は殺気に満ち溢れた。
「本当にバカだな、俺達とやり合おうなどとは」
 盗賊は嘲笑った。
「やってみなけりゃ、分かんねえだろ!」
 叫びをあげながらジェラルドが盗賊に斬りかかった。
「でりゃあ!」
 大振りの一撃は盗賊を掠めることなく床を打った。
「何!?」
 ジェラルドは振り返ったが遅かった。振り向きざまに肩口に熱いような感じがした。
「ぐああぁ!」
 ジェラルドは出血する肩を押さえ、痛みのあまり苦痛な顔をしている。
「ジェラルド、手をどけるんだ!」
 ジェラルドはロビンに言われたようにした。