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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 3

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 それにしても石になって痛い攻撃、そんなものがはたしてあるのであろうか。ジェラルドには分からなかった。
――一体どうしろってんだ?――
――石をも砕く攻撃…そうか!――
「ジェラルド、やつにエナジーを使うんだ!」
「なんだと!?」
 エナジーは通用しないはずである。それはリョウカにも十分に分かっていると言うのに、
 ジェラルドはためらってエナジーを使わなかった。
「何してる、早くやれ!」
 納得いかないままジェラルドはエナジーを発動した。
『フレアストーム!』
 迫り来る大火を見るとハイドロスタチューはみるみる石に変化していく。
――よし!――
 リョウカは右拳を堅く握りしめ、全身の力をそこ一点に集中させた。やがて力がすべて集まった時、拳を突き出した。 目で捉えることはできないが、確かに強い衝撃が石のハイドロスタチューに走る。すると、ハイドロスタチューの短い肩と手が砕けた。
 ハイドロスタチューは一瞬で生身に戻り、苦悶の声をあげた。
「今何をしたんだ?」
「シーアン村で会得したエイヤさ」
「エイヤだって?そうか!」
 エイヤは体の力を拳にため込んで物に強力な衝撃を与える技である。つまり石になったところで衝撃には耐えきれず砕けてしまうのだ。砕ければ生身の時は何ともない攻撃でも分断させることができる。しかもリョウカのエイヤはシーアン村の人々のそれを圧倒的に凌いでいる。これこそが石になって痛い攻撃である。
 エイヤを受けて体の一部を砕かれたハイドロスタチューは青っぽい血をどろどろにこぼしている。
「ジェラルド、ひとまず私に任せてくれ。お前はロビンの様子を」
「分かった。気をつけろよ!」
 ジェラルドは後ろに下がった。
 リョウカとハイドロスタチューは対峙する形となった。片や余裕の笑みを浮かべ、片や血を滴らせている。勝負はもはやついているようなものだった。
「お前に私の剣技、見切れるか!?」
 リョウカは一瞬でハイドロスタチューの懐に潜り込み、刀の柄でハイドロスタチューを打ち上げた。空中を漂う魔物を捉えて連続で突きを繰り出した。あまりの速さに魔物は地面に落下することも許されない。
 再び魔物を打ち上げ、最後の一撃を繰り出した。ハイドロスタチューは壁にぶつかり、砕けた壁の瓦礫に埋まった。
 誰もがリョウカの勝利を確信している中、コウランだけが浮かない顔をしている。
 コウランには予期できるのだ、この次に何が起こるのかを。最初はぼんやりとだが後からはっきりと見えくる。
 瓦礫の中から魔物が起き出し、何かをする。それは氷か、いや違う、それは。「気を付けるアル!まだ魔物は死んでないネ!」
 コウランが叫んだ時、瓦礫からハイドロスタチューが這い出してきた、そしてエナジーを発動した。
 エナジーからはとてつもなく強い冷気が発せられた。ハイドロスタチューの周りから順にどんどん凍りついていく。発動されたのはチルドの最大のエナジー、『チルドマウンテン』であった
『フレアウォル!』
 リョウカは炎のエナジーで応戦したが、冷気とともに吹き付ける強風が炎をかき消してしまった。
 コウランの見た予感はこの冷気に包まれてここにいる皆が死に絶えるものだった。その予感は今まさに的中しようとしている。
 しかし、その予感は変わった。
『ラグナロック!』
 巨大な剣の形をしたエナジーがハイドロスタチューを突き刺した。急な一撃を受けた魔物のエナジーは止まった。
「ごめん、遅くなった」
 ロビンとジェラルドは前線に戻ってきた。
「ったく、どこまでタフなヤツなんだ」
 ロビンの一撃必殺のエナジーを受けたにもかかわらずハイドロスタチューはまだ死なずに攻撃しようとしている。
「よし、あいつの弱点を突こう」
 ロビンは作戦を説明した。
「うまくいくのか?そんな作戦」
「あれだけ固いヤツだ。二度と元に戻れないようにしてやるしかない」
「分かった。ロビンに自信があるならその作戦にかけよう」
 ロビンの作戦は始まった。
『ヒートバーナー!』 ジェラルドは一直線に伸びる炎を起こした。
 炎を察知してハイドロスタチューは石へと変化する。石になった事で炎は防がれた。
『ラグナロック!』
 普段はこれでとどめをさしているが、ロビンはかなり力を抑えて放った。
 いつもの半分くらいの大きさの剣がハイドロスタチューに突き刺さり、石の体にひびをを入れた。
「はああ…」
 拳にすべての力をため込む。エナジーのように力の流れを目で捉えることはできないが、確かにある凄い力。
「ええい!」
 リョウカは体ごとハイドロスタチューに衝撃を与えた。あまりの速さにリョウカの姿が一瞬消えたように見えた。
 リョウカの姿が魔物の背後に現れる頃には魔物の体は粉々に砕け散っていった。