機動戦士ガンダムRS 第7話 宇宙の傷跡
遊撃艦隊第251艦隊は、軍事コロニー「グリーン1」宙域にある浮きドック群に到着した。
ここは、簡単な修理と補給が行われる簡易ドックである。
「誘導ビーコン、捕捉。
第4ドックに入渠指示がでました。
進入ベクトルを合わせます。
針路修正、0ポイント。
3マーク16。
ポイント2デルタ。
回頭180度。
減速開始」
艦隊は、入渠シークエンスのため180度回頭し減速を始めた。
コロニー軍のマン・マシーンと艦船は、基本的に着艦と入渠のときは自動操縦により機械が勝手にやってくれる。
人間の仕事としては、管制官と艦のブリッジ要員が艦の動きを口頭し逐一異常がないか監視するだけである。
遊撃艦隊第251艦隊は、異常もなくグリーン1に入渠していった。
※
アークエンジェルでは、哨戒行為を繰り返していた。
「再度確認しました。
半径5000に敵艦の艦影は、捉えられません。
完全にこちらをロストした模様です」
アークエンジェルは、敵艦を確認できなかった。
その報告にラミアス艦長は、ほっとした。
「アルテミスがうまく敵の目をくらましてくれたってことか」
フラガ大尉がそういってラミアス艦長のほうを見た。
「多少は、補給を受けられたし傘の情報ももらったし俺たちはますます沈められなくなっちまったな」
その言葉にラミアス艦長の双肩が重くなった。
「しかし」
「ええ、わかっているわ」
バジルール副艦長の言葉をラミアス艦長がかぶせた。
「あの艦隊がロストして補給を受けられたことは、幸いだけどまだ連戦を耐えられるほどの物資はない」
アークエンジェルが受けた補給は、微々たる量でまだ十分ではなかった。
※
アークエンジェルの食堂ではトール、サイとフレイが話をしていた。
「どうしてもしないとだめ?」
フレイは、サイに不満をぶつけた。
「そんな『どうしても』って言われると困っちゃうんだけど。
やっぱり謝っとくべきだよ、この場合」
サイは、フレイに対して強くいえなかった。
「お前の一言であいつがとんでもないことになったのは、事実だからな」
対照的にトールは、ずばずば言った。
「でも私は」
それでもフレイは、言い訳をしようとした。
「俺たちは、慣れてるけどあいつがスーパーコーディネーターっていうのは微妙な問題なんだよ。
この状況では」
トールは、最後のほうを悲しくいった。
「とにかくいうだけは、言おうよ。
『ごめん』って。
言わずにキラに会ったら気まずいでしょ。
降りられないんだから」
やはりサイは、ずばずば言えなかった。
「サイがそこまで言うなら言ってもいいけど」
フレイは、やっとキラに謝ることを決めた。
「だけどこれからどうなるのか、この船」
トールがアークエンジェルの心配をした。
「うん、アルテミスでは補給ってちょっとしか受けられなかったってニコル中尉が言ってたし」
サイは、アルテミスでの補給状況をニコル中尉から聞いていた。
「あの艦隊もまだ追ってるのかな」
皆は、サオトメの艦隊が動きが気になって仕方なかった。
※
第4ドックに入渠したアル・ギザからケイト准尉が出てきて首都であるサイド3のユート・シティへ行く小型船に乗り換えた。
そこには、マーク・ヘイル少将がいた。
ケイト准尉は、敬礼した。
マーク少将も敬礼した。
「ご同行させていただきます、マーク少将」
そういってケイト准尉は、座席に座った。
小型船は、ユート・シティーに向かって発進した。
「俺もサオトメのレポートを見たがまだ半信半疑だ。
バッテリー動力のモビルスーツごときでマン・マシーンと互角以上に渡り合える機動兵器を開発したとは」
マーク少将は、サオトメのレポートを見たができればサオトメの思い違いだと思いたかった。
「しかもそれがガンダムときた。
しかしそれが事実ならわが軍は、高性能な機動兵器の開発する時間を許してしまったとなる」
マーク少将は、危機感を覚えていた。
「それが原因で更なる悲劇を生まれることは、なんとしてでも避けたいものだ。
祖国の財政と資源は、地球と比べると微々たる物だからな」
マーク少将は、コロニー軍の台所と資源を心配していた。
「今後本腰を入れた大胆な作戦が展開するかもしれないな」
マーク少将は、今後の作戦も考えていた。
※
アークエンジェルの食堂ではトールたちが食事をしていた。
するとトールがむせた。
「水・・・・水・・・・水・・・・」
トールが苦しい顔をしながら胸をたたき水を求めた。
「もう」
ミリアリアは、そういって自分の水を出した。
トールは、それを勢いよく飲んだ。
「水を・・・・もっと水を・・・・」
しかしトールは、まだ胸をたたきながら水をほしがった。
「やめろよ。
状況に似合わないギャグ」
食事を受け取ったサイがトールに注意した。
「ギャグじゃないって。
たく」
トールは、やっと咽を治してそう叫んだ。
サイは、トールの反論を受け流しフレイの隣に座った。
するとフレイがサイから離れた。
またサイが近づくとフレイは、離れた。
「何、どうしたの?」
サイは、フレイに避けられるような言動をしていないためさっぱりわからなかった。
「だって水の制限で昨日シャワーを浴びられなかったんだもん」
フレイは、恥ずかしく答えた。
お嬢様として育てられたフレイにとってみれば風呂に入っていない自分すら信じられない状態だった。
サイは、なんとも言えずため息をつきめがねを上げた。
そこにキラがきた。
「ストライクの整備は、完了か?」
トールが立ち上がって聞いた。
「うん。
でもパーツ洗浄機もあまり使えなくて困ってるよ。
手間ばっかりかかって」
キラは、頭をかきながら答えた。
フレイにとってこの状況は、謝るチャンスなのだがその一歩が出ない。
「フレイ」
それを見透かしたのかサイが後押しした。
フレイは、その後押しで立ち上がった。
「あの、キラ」
キラは、不意にフレイに声を掛けられた。
「この間は、ごめんなさい」
フレイは、キラに頭を下げた。
「考えなしにあんなこと言って」
「あんなこと?」
キラは、なぜフレイが謝ってるのか皆目見当がつかなかった。
「アルテミスでキラがスーパーコーディネーターだって」
その一言でキラは、ようやく思い出した。
「いいよ、そんなの。
気にしてないから。
あの時フレイが言わなくてもたぶん自分で言ってたと思うから」
キラは、この前にもミリアリアとアスランにも謝られたがすっかり忘れていた。
キラが忘れっぽいのか忘却を望んでいたのかは、わからない。
(でも本当にどうするんだろう、艦長たち)
キラの心配事は、ラミアス艦長たちのことだった。
※
アークエンジェルのブリッジでは、モニターに複数の月基地へのルートが映し出されていた。
しかしどれも時間がかかりすぎだった。
「これで精一杯か?
もっとましなコースは、取れないのか?」
バジルール少尉が苦言を言った。
「無理ですよ。
あまり地球に軌道を寄せるとデブリ帯に入ってしまいます」
ここは、簡単な修理と補給が行われる簡易ドックである。
「誘導ビーコン、捕捉。
第4ドックに入渠指示がでました。
進入ベクトルを合わせます。
針路修正、0ポイント。
3マーク16。
ポイント2デルタ。
回頭180度。
減速開始」
艦隊は、入渠シークエンスのため180度回頭し減速を始めた。
コロニー軍のマン・マシーンと艦船は、基本的に着艦と入渠のときは自動操縦により機械が勝手にやってくれる。
人間の仕事としては、管制官と艦のブリッジ要員が艦の動きを口頭し逐一異常がないか監視するだけである。
遊撃艦隊第251艦隊は、異常もなくグリーン1に入渠していった。
※
アークエンジェルでは、哨戒行為を繰り返していた。
「再度確認しました。
半径5000に敵艦の艦影は、捉えられません。
完全にこちらをロストした模様です」
アークエンジェルは、敵艦を確認できなかった。
その報告にラミアス艦長は、ほっとした。
「アルテミスがうまく敵の目をくらましてくれたってことか」
フラガ大尉がそういってラミアス艦長のほうを見た。
「多少は、補給を受けられたし傘の情報ももらったし俺たちはますます沈められなくなっちまったな」
その言葉にラミアス艦長の双肩が重くなった。
「しかし」
「ええ、わかっているわ」
バジルール副艦長の言葉をラミアス艦長がかぶせた。
「あの艦隊がロストして補給を受けられたことは、幸いだけどまだ連戦を耐えられるほどの物資はない」
アークエンジェルが受けた補給は、微々たる量でまだ十分ではなかった。
※
アークエンジェルの食堂ではトール、サイとフレイが話をしていた。
「どうしてもしないとだめ?」
フレイは、サイに不満をぶつけた。
「そんな『どうしても』って言われると困っちゃうんだけど。
やっぱり謝っとくべきだよ、この場合」
サイは、フレイに対して強くいえなかった。
「お前の一言であいつがとんでもないことになったのは、事実だからな」
対照的にトールは、ずばずば言った。
「でも私は」
それでもフレイは、言い訳をしようとした。
「俺たちは、慣れてるけどあいつがスーパーコーディネーターっていうのは微妙な問題なんだよ。
この状況では」
トールは、最後のほうを悲しくいった。
「とにかくいうだけは、言おうよ。
『ごめん』って。
言わずにキラに会ったら気まずいでしょ。
降りられないんだから」
やはりサイは、ずばずば言えなかった。
「サイがそこまで言うなら言ってもいいけど」
フレイは、やっとキラに謝ることを決めた。
「だけどこれからどうなるのか、この船」
トールがアークエンジェルの心配をした。
「うん、アルテミスでは補給ってちょっとしか受けられなかったってニコル中尉が言ってたし」
サイは、アルテミスでの補給状況をニコル中尉から聞いていた。
「あの艦隊もまだ追ってるのかな」
皆は、サオトメの艦隊が動きが気になって仕方なかった。
※
第4ドックに入渠したアル・ギザからケイト准尉が出てきて首都であるサイド3のユート・シティへ行く小型船に乗り換えた。
そこには、マーク・ヘイル少将がいた。
ケイト准尉は、敬礼した。
マーク少将も敬礼した。
「ご同行させていただきます、マーク少将」
そういってケイト准尉は、座席に座った。
小型船は、ユート・シティーに向かって発進した。
「俺もサオトメのレポートを見たがまだ半信半疑だ。
バッテリー動力のモビルスーツごときでマン・マシーンと互角以上に渡り合える機動兵器を開発したとは」
マーク少将は、サオトメのレポートを見たができればサオトメの思い違いだと思いたかった。
「しかもそれがガンダムときた。
しかしそれが事実ならわが軍は、高性能な機動兵器の開発する時間を許してしまったとなる」
マーク少将は、危機感を覚えていた。
「それが原因で更なる悲劇を生まれることは、なんとしてでも避けたいものだ。
祖国の財政と資源は、地球と比べると微々たる物だからな」
マーク少将は、コロニー軍の台所と資源を心配していた。
「今後本腰を入れた大胆な作戦が展開するかもしれないな」
マーク少将は、今後の作戦も考えていた。
※
アークエンジェルの食堂ではトールたちが食事をしていた。
するとトールがむせた。
「水・・・・水・・・・水・・・・」
トールが苦しい顔をしながら胸をたたき水を求めた。
「もう」
ミリアリアは、そういって自分の水を出した。
トールは、それを勢いよく飲んだ。
「水を・・・・もっと水を・・・・」
しかしトールは、まだ胸をたたきながら水をほしがった。
「やめろよ。
状況に似合わないギャグ」
食事を受け取ったサイがトールに注意した。
「ギャグじゃないって。
たく」
トールは、やっと咽を治してそう叫んだ。
サイは、トールの反論を受け流しフレイの隣に座った。
するとフレイがサイから離れた。
またサイが近づくとフレイは、離れた。
「何、どうしたの?」
サイは、フレイに避けられるような言動をしていないためさっぱりわからなかった。
「だって水の制限で昨日シャワーを浴びられなかったんだもん」
フレイは、恥ずかしく答えた。
お嬢様として育てられたフレイにとってみれば風呂に入っていない自分すら信じられない状態だった。
サイは、なんとも言えずため息をつきめがねを上げた。
そこにキラがきた。
「ストライクの整備は、完了か?」
トールが立ち上がって聞いた。
「うん。
でもパーツ洗浄機もあまり使えなくて困ってるよ。
手間ばっかりかかって」
キラは、頭をかきながら答えた。
フレイにとってこの状況は、謝るチャンスなのだがその一歩が出ない。
「フレイ」
それを見透かしたのかサイが後押しした。
フレイは、その後押しで立ち上がった。
「あの、キラ」
キラは、不意にフレイに声を掛けられた。
「この間は、ごめんなさい」
フレイは、キラに頭を下げた。
「考えなしにあんなこと言って」
「あんなこと?」
キラは、なぜフレイが謝ってるのか皆目見当がつかなかった。
「アルテミスでキラがスーパーコーディネーターだって」
その一言でキラは、ようやく思い出した。
「いいよ、そんなの。
気にしてないから。
あの時フレイが言わなくてもたぶん自分で言ってたと思うから」
キラは、この前にもミリアリアとアスランにも謝られたがすっかり忘れていた。
キラが忘れっぽいのか忘却を望んでいたのかは、わからない。
(でも本当にどうするんだろう、艦長たち)
キラの心配事は、ラミアス艦長たちのことだった。
※
アークエンジェルのブリッジでは、モニターに複数の月基地へのルートが映し出されていた。
しかしどれも時間がかかりすぎだった。
「これで精一杯か?
もっとましなコースは、取れないのか?」
バジルール少尉が苦言を言った。
「無理ですよ。
あまり地球に軌道を寄せるとデブリ帯に入ってしまいます」
作品名:機動戦士ガンダムRS 第7話 宇宙の傷跡 作家名:久世秀一