機動戦士ガンダムRS 第7話 宇宙の傷跡
アークエンジェルでは、水や弾薬の補給作業が行われていた。
「後どのくらい?」
「4時間ってところでしょう。
弾薬の補給は、後1往復です」
ラミアス艦長の質問にノイマン曹長が答えた。
「なるべく急いでね」
ラミアス艦長は、狙われると弱い補給作業中をなるべく短時間で終えてほしかった。
※
η艦隊は、アーガマもどきがそんなことをしてるとは夢にも思わず追撃を継続していた。
ブライアン艦長は、休憩として仮眠を取っていた。
その間は、サオトメが艦長代理としてブリッジで艦長席に座っていた。
サオトメは、何かを感じた。
「ハリダ曹長、救難信号を捕捉していないか?」
「えっと、ちょっと待ってください」
ハリダ曹長は、サオトメに不意に声を掛けられあたふたとしてしまった。
「はい。
そうですね。
でもこの波長は、地球側のものですね」
ハリダ曹長が救難信号を出しているのは、地球側のものだと報告した。
「どっちでもいい。
回収に行く。
ブライアン艦長を起こせ。
総員第二戦闘配備。
ガンダムサイガーは、R型に換装。
俺が帰ってくるまで警戒を怠るな」
そういうとブリッジを後にした。
マン・マシーンデッキに向かう途中シグマン大尉に合流した。
「なぜコーディネーターを助けるんです?」
シグマン大尉には、コーディネーターを助ける意味がわからなかった。
「お前は、なぜ人類が何もない宇宙に進出できたと思う?」
サオトメは、シグマン大尉の質問に質問で返した。
「それは、技術向上のためでしょ」
シグマン大尉は、教科書に書いてあるような回答を言った。
「違うな。
人間に助け合う心があるからさ。
どんなときでも仲間が救出してくれると信じるから人類は、死と隣り合わせの宇宙に進出できた。
それを地球出身のコーディネーターにも行うのが宇宙に住むナチュラルのエチケットだと思ってる」
そういってサオトメは、足早にマン・マシーンデッキに向かった。
※
マン・マシーンデッキに到着するとガンダムサイガーは、既にR型に換装されていた。
サオトメは、計器類に異常がないかチェックしガンダムサイガーをカタパルトに固定した。
「アツシ・サオトメ、ガンダムサイガー出る」
ガンダムサイガーは、カタパルトによって宇宙に飛翔した。
サオトメは、救難信号をキャッチするとその発信源に向かった。
救難信号を発していたのは、小型ポッドだった。
サオトメは、そのポッドをスキャンした。
サオトメは、ポッドに偽装した機雷という可能性も考えていた。
そのためR型で細部までスキャンし機雷の類では、ないか詳しく調べた。
結果は、機雷ではなく正真正銘の救命ポッドだった。
「調査の結果救命ポッドで間違いありません。
中に爆薬の類も発見されません」
サオトメは、ドゴス・ギアに本物の救命ポッドであることを報告した。
「了解。
戻って来い」
ブライアン艦長の言葉にサオトメは、ガンダムサイガーに救命ポッドを持たせてそのまま帰還した。
※
ドゴス・ギアに収容された救命ポッドの前には、自動小銃を構えた兵たちがいた。
救命ポッドの中に誰がいるかは、わからないためである。
「あけます」
技術者がそういうと救命ポッドの扉が開いた。
するとピンク色の小型でしゃべるボールが何かをしゃべりながら彼らの間をすり抜けていった。
皆の注目は、ピンク色の小型でしゃべるボールに集中した。
「ありがとう。
ご苦労様です」
その女性の声に皆が救命ポッドのほうを見た。
するとピンク色で髪の長い少女が救命ポッドから出た。
皆は、その少女から目が離せなくなってしまった。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第7話 宇宙の傷跡 作家名:久世秀一