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Wizard//Magica Wish −6− 前編

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「まさか実体をもった分身を作り出す魔法まで使えるなんて…」


「くっ…指輪の魔法使い!」

「「キャモナシューティングシェイクハンズ!『フレイム』シューティングストライク!!」」
「フィナーレだ」

2人に分身したウィザードは自身の必殺技、フレイムシューティングストライクをメデューサに叩きつけた!メデューサは2つの火炎弾が直撃し大爆発を起こした。
「…ふぃ~…」
流石にあの大技、しかも二人分を喰らえば少しはダメージになるだろう。
ウィザードはウィザーソードガンをくるくる回し銃口に息を吹き付けた。


「やったなハルト!流石にあいつも無事じゃねぇだろうな!」
「全く、美味しいところは全部持っていくんだから」

「ごめんよ、マミちゃん。さて、あいつはどうなっただろうなぁ~……え」


しかし、爆発が起こった箇所の異変にウィザードは気がついた。
…まるで、火炎を飲み込むかのように吸収されていっている…。
「まさか…私をここまで本気にさせてしまうなんて…許さないわよ…はぁぁぁぁ!!!!」
「…何?」
地面のコンクリートにヒビが入り始め、やけに周りの空気が一瞬で乾燥していっている。気温も上がり始めうっすらと自分の額に汗が流れ落ち始めた。
炎の中に人影が見える…あれは、先程のメデューサの姿ではない…。


「死になさい!!指輪の魔法使い!!!!」
「なっ!!」

その時、炎の中からとてつもない高温の火炎弾がウィザードに放たれた!
ウィザードはそれを回避する…その火炎弾が落ちたコンクリートは一瞬で融解し始めた。ほぼマグマに近い状態だったのだろう。

「この姿を見せたのはあなたたちが始めてだわ…!!」


「姿が…変わった?」
「大丈夫か、ハルト!」
「気を付けて二人とも!…さっきと魔力が桁違いだ、どうやら本気みたいだね」

3人の目に映ったのは先程の姿とはまた違う怪人が立っていた。その姿はまさに不死鳥…『フェニックス』だった。身体は真っ赤になり目つきもさらに悪くなり身体中から炎を噴出させている。彼女が歩いた地面は全て燃え上がり、彼女の身体がいかに高温かを物語っていた。
3人は再び武器を構える…が、メデューサは一瞬ふらつきどこか苦しそうだった。

「…?」

「力を使いすぎたかしら……うっ…今日はここまでのようね…次は覚えていなさい…」

「おい、逃げるのか!?」
「待ちなさい佐倉さん!!…今の彼女は危険よ…」
「け、けど!」
「あの姿を見て私たちに勝機があると思うの!?…悔しいけれど、今は我慢しなさい。今戦えば、間違いなく全滅よ…」
「…くそっ…」


「メデューサ!!」
「今は生かして置いてあげる…けど、この屈辱!!いずれ、返してあげるわ!!」

メデューサはそれだけ言い残し、翼を展開して空高くへ飛んでいってしまった。いつの間にかウィザード達の周りは砂漠のように枯れ上がっていた。常人なら身体中の水分が抜けきって間違いなく干上がっていただろう。
「みんな大丈夫?加勢しに来たわよ!!」
「…おせ~よ、さやか…」
丁度、彼女が立ち去った瞬間に さやか が到着した。だが時は既に遅く、全て戦闘が終わった後だ。マミは緊張が抜けたのか さやか の姿を見て微笑み、杏子は額に手をつき大きなため息をした。

「あれ…遅かったかしら?…てかなによ!!周りになにも残ってないじゃない!一体どれだけ派手な戦闘があったのよ!!」
「全く、さやかちゃんを見ているとどんな時でも落ち着くよ」
「うっさい!あんたは黙ってなさい!!」
「…はいはい…」