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Wizard//Magica Wish −6− 後編

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「マミさん…は、いつ起きるかわからないの?」
「ごめんね、まどかちゃん。これしか、マミちゃんを救う手段はなかったんだ」

マミの住むマンションの寝室で、巴マミは安らかな寝息をたてて、いつ起きるかわからない深い深い眠りに陥っていた。
ハルトは4人に訳を話した。
もっと落ち込むかと思っていたが、どうやらそうでもなかったらしい。
時間はかかるが、いずれ目を覚ますと伝えただけで、4人に少しだけ笑顔がもどったのだ。

まどか はマミの手を握り、眠っている彼女に話しかけ始めた。
「マミさん…今まで、たよりない私をここまで引っ張ってくれて、ありがとうございます…私、ずっと待ってますから…マミさんが起きるまで…私とマミさんは、もう…友達…うぅん…『親友』だから」
「マミさん、今度は私たちがマミさんの変わりにこの見滝原を守ります…今は、ゆっくり休んでください…」
「さやか、私もいるぞ?」
「わかってるわよ。これからもよろしくね、杏子、それに ほむら」
「……先に帰らせてもらうわ…」
「あ、ちょっと…あ…」

普段と変わらない ほむら を さやか は止めようとした…が、一瞬彼女の顔を さやか は見てしまったのだ。
涙をこらえきれず、我慢していた彼女の表情を…


きっと、ほむら は玄関先で泣いているだろう。


「マミさん……ふっ…うぅ…」
「こ~ら まどか!別にマミは死んだ訳じゃないんだ!それに…泣かないって約束しただろ?」
「わかってるよぉ…ぐすっ……うん、もう大丈夫」
「さて、もう遅いし。私たちも帰ろ?まどか」
「そうだね、…ハルトくん。杏子ちゃん。マミさんをお願いね」

「あぁ、任せろ!」
「うん」

まどか と さやか はカバンを持ち、部屋を出て行った。瞬間、外から大声で泣き叫ぶ まどか の声を聞いてハルトは少し笑ってしまった。
「あ、そうだ…」
「『コネクト』プリーズ!」
ハルトは以前、3人で買った ケーキと紅茶を取り出し、マミのベッドのすぐ傍へと置く。

「マミちゃん。これは、マミちゃんの為に3人で買ったケーキだよ。…だから、いつでも良い。ゆっくり休んだら、絶対起きるんだよ?」
「これからは、私達でマミを守ろう…な、ハルト」
「そうだね…俺と、杏子ちゃんで…ん?」

杏子が急にハルトの右手を握ってきた。
ハルトは何事かと杏子の顔を覗く…すると、下を向き、唇を噛み締め、必死に涙をこらえていたのだ。

「杏子ちゃん」
「な、なんだよハルト!ただ、ちょっと…その…」
「もう、我慢しなくて良いよ」
「っ!!」
「ここには、もう俺たちと、マミちゃんしかいないんだから…」

「あ…あぁ……ひぐっ……う、

うあぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!う、うえぇぇぇぇぇんっ!!えぇぇぇぇぇんっ!!」




ずっと、耐えていたのだろうか。
あの時、マミちゃんの友達がファントムになり、マミちゃんが魔女化しそうになっていた時から。
ずっと自分の気持ちを堪えて、一番大事な事を最優先して…。
本当に、杏子ちゃんは強いよ…。




大丈夫、これからは皆、俺が守る。
あの時約束したんだ。…俺が、皆の最後の希望なんだから。