The beginning of a journey.
きっと、あたしへの罰だったんだ。
一面、灰色の世界。
崩れたビル群の景色。
その中を吹き抜ける砂埃。
全て、この目に写る現実。
それら全てが、君を騙し続けたあたしへの罰。
君と最後に話し、ひび割れた景色の隙間に吸い込まれ、この世界にやって来て、果たしてどれ程の時が経ったのだろう。
あの時、ふと気付けばあたしが手に持っていた、古びた一枚の写真。
隅にいるあたしを含め、仲間達に囲まれて、無邪気にカメラ目線で笑っている君の笑顔が眩しかった。
そんな君に会う為、あたしは再び、この場所から旅(リープ)を始めた。
また笑えるかな、あたし。
この世界で……。
君の写る写真は、この場所に置いて再び歩き出した。
笑い合えるって凄く幸せな事。
君はあたしに、そう教えてくれたね。
その意味に、今になって気付く事が出来た気がした。
作品名:The beginning of a journey. 作家名:レイ