こらぼでほすと 再来1
「やっぱり、買い足したほうがいいですね? 三蔵さん。」
「そうだな。さすがに、それで耐えられるのは、うちのサルぐらいだろうな。」
アレルヤたちのものは、オールシーズン用意がある。こちらではなくマンションのクローゼットに入っているから、それで問題はない。もちろん、普段のティエリアのものならあるのだが、今回は、それが使えない。
「えーっと、コートとセーターとパンツとインナーと靴下ぐらいか。」
「おい、それは全部って言うんじゃねぇーのか? 」
「あはははは・・・そうですね。今なら、冬物バーゲンをやってるから、そこいらを買ってきます。」
「靴は? 」
「あ、そうでした。前回はサンダルでしたね。」
「そんだけ買い物すんなら、アッシーを呼べ。」
「はいはい。」
「大丈夫なのか? 誰かに使いをやらせたほうがいいんじゃねぇーのか? 」
昨年後半のトランザムバーストで、遺伝子情報の異常は完治したものの、まだまだ、体調は万全ではない。半年は、以前と同じようにグウタラ専業主夫でいるようにドクターから指示されているので、マイペース驀進の三蔵でも気にしている。出かけるとなると、誰かを必ず付き添いに連れて行けと叱る。叱るが、自分が出向くことはないのが、三蔵という男だ。
「まあ、これぐらいはなんとか。」
「おまえのなんとかはアテにならん。」
「大丈夫ですよ。あんたまで心配性にならないでください。俺も気をつけてますから。」
にこっと微笑まれると、三蔵もしょうがねぇーな、と、苦笑する。本当に、それまでよりは、女房も身体のことは考えているのだ。さすがに、自分の身体が思うように動かないことは自覚したらしい。
「とりあえず、シンでもレイでもアッシーだ。」
「はいはい。」
すちゃりと携帯端末を取り出して、まずはハイネに連絡をつける。さすがに、ウィークデーのこの時間だと、大概、ラボのほうへ詰めている。誰か寄越してやるということなので、それを待つ間に、衣装のほうは、もう一度、畳んで行李に仕舞うことにした。
作品名:こらぼでほすと 再来1 作家名:篠義