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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 4

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「もうすぐ日が暮れるし、ジャスミンも1日休ませた方がいいだろう。今日はもうどっか休める所を探そう」
 いいよな、とシンは2人に確認した。2人とも賛成した。
 もうしばらく休んだ後にガルシア達は移動を始めた。
 ガルシアはジャスミンをおぶった。「おい、ちょっと待てよガルシア」
 シンは背中のジャスミンを指差した。
「ちゃんと服は着させといてやれよ」
 すっかり見慣れてしまって忘れていた。
    ※※※
 月明かりが広大な砂漠を照らしている。
 魔の取り付いた砂漠の夜は昼間とは打って変わって、氷点下の気温である。
 そんな気候の中でガルシアは1人見張りをしていた。ガルシア自身が魔物と戦えるわけではないが、いち早く見つけられればすぐにその場から離れる事ができる。
 普段はシンやサテュロスが見張りをしているところだが、シン1人に任せるわけにはいかず、ガルシアが買って出たのだった。
――随分と冷え込むな…――
 外套をしっかりと着込んで焚き火に近づいた。
 ガルシアはすぐ近くの皆が休んでいる洞穴を見た。
――みんな寒くはないだろうか――
「よう、ご苦労さん。そろそろ交代の時間だぜ」
 洞穴から明朗な声とともにシンが出てきた。
「交代って、今日は俺が…」
 シンはいいんだ、と言わんばかりに手を振った。
「サテュロスにお前を守るように言われてるからな」
 サテュロスがそんな事を言ったのかと、ガルシアは疑った。そこまで大切な扱いを受けた事がなかったからである。
「あいつ、何を考えてそんな事を言ってきたのか知らないけど、お前魔物と戦った事ないだろ?言われなくてもオレが守らなきゃな」
 少なくとも優しさからきた事ではないだろう。サテュロスにそんな優しさがあるのならジャスミンが倒れた時、すぐに休ませたはずである。
「やはり、俺は…」
「いいからもう休んでろって。明日からもまだまだ長い道のりが待ってるんだからさ」
 ガルシアはなかなか休もうとしない。
「いや、一度言い出した事は最後までやり通す」
 ついにシンは困り果てて呆れた笑みを浮かべつつ溜め息をついた。
「分かったよ。じゃあ、こうしよう。一緒に見張りしよう、これでお互い損はないんじゃないか?」
 それなら、とガルシアは了承した。
 しばらくの間2人は無言で果てしなく広がる砂漠を見守っていた。月明かりが照らされているおかげで、遠くの様子までよく見えた。どこまで見ても砂の大地が広がっているだけだった。
 やがてガルシアが口を開いた。
「なあ」
「うん?どうしたガルシア」
「その、ありがとうな。ジャスミンの事…」
「別にお礼なんていいって、オレ達は仲間だ。仲間を助けるのは当たり前だろう?」
「そうか。所でシン、何でお前あんなに詳しかったんだ?」
「ふ、あちこち旅して回りゃあ、いろいろと分かってくるもんだぜ」
「『忍術』ってやつもそれでか?」
「ん、まあ、そんなところだ。…ん?ガルシア、あそこに何か見えないか?」
 シンは遠くを指差した。
「別に何も見えないぞ」
「悪い、どうやらオレの勘違いだ。ガルシア、ちょっとこっち見てみ」
 ガルシアは振り返った。
『まどろみの術!』
 振り向いた途端にシンの目が怪しく輝いた。それを見たガルシアはそのまま気を失うように眠り込んでしまった。
「やれやれ、やっと隙を見せたか。悪いな、こうでもしなきゃ寝てくれなさそうだったからよ」
 シンはガルシアの肩を担いだ。
「ま、今日はゆっくり休みなよ」
 シンとガルシアは洞穴へと消えていった。