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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 5

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 見るからに怪しいので、イワンが『イマジン』を使ってみた。真実のみを映す瞳には周りの岩全てに目の前にある玉に対応した色をしているのが見えた。
 玉が示す色の岩に触れてみると、ただの壁だと思われた所が突然崩れ、穴が空いた。入ってみると、案の定薬があったのである。
 恐らくあの仕掛けはエナジストにしか解けないであろう。ならば、あの人物もエナジストなのであろうか。しかし、あのような姿を消すエナジーなどあっただろうか。
 数々の疑問がロビンの頭をよぎった。
「おお、取ってきてくれたのか」
 ロビンが影の人物に薬を渡すと、空中で瓶が傾き、液体が空間に消えていく。
「一種のポルターガイスト現象だな、こりゃ」 ジェラルドは呟いた。
 薬を飲み干すと、闇の中から人が現れた。
「本当に助かった。礼を言う」
 ロビン達は驚いた、その人物に見覚えがあったからだ。
 トレビの町で尋ね人として戦士に肖像画を見せられた。確か名は、
「あの、失礼ですが、あなたはトレビの町の支配者、バビ様では?」
 ロビンは訊ねた。
「そうじゃが、お主なぜワシを?」
「トレビの戦士達があなたを捜していたんです」「オレ達も訊かれたんだ。この人知らないかって絵と一緒に」
「ふむ、そうか。皆に心配かけたようじゃな」
「どうしてあのように倒れられるまで薬を飲まなかったのですか?」
 メアリィは訊ねた。
「薬が僅かを残し、底を尽き始めたからじゃ」
 バビの飲んだ薬はレムリアの薬という不老長寿の薬である。
 バビによるとその薬のおかげで200年もの時を生きる事ができたそうだ。 人が200年も生きたということにロビン達は驚きを隠せなかった。何よりもそんな薬があるということが信じられなかった。
「薬が底を尽き始めたため、大切に飲もうと間隔を空けすぎたようじゃ」
「もし、薬を飲まなかったら、あなたはどうなるのですか?」
 バビはきっぱりと答えた。
「その時がワシの死期じゃ」
 今度はバビが訊ねてきた。
「お主ら、あの時は死に物狂いで頼んだのじゃが、ワシにしか開けないはずの扉を開いて薬を持ってきてくれたな。ひょっとしてお主らには何か特別な能力があるのではないか?」
 ロビン達には心当たりがある。エナジーのことだ。
「エナジーじゃと?」
 バビは問い詰めた。
「それはどのようなものじゃ?」
 エナジーの存在を知らないバビに、ロビン達は不思議に思った。なにせ先程まで影になっていたのはエナジーに他ならない力だったからだ。
「ちょっとボクが調べてみましょう」
 イワンはバビに歩み寄って手をかざすと、エナジーを発動した。
『リード』
 リードは本来その者の考えている事を読み取る能力であるが、その者の認識など、意識的なものも読むこともできるのである。
「どうやらバビ様の持つ『シャドー』という力はエナジーではなく古代の呪法のようです」
 バビは驚いていた。
「なぜワシがしゃべっていないのにその事が分かる?」
「それがエナジーだよ。物を手を使わずに動かしたり、持ち上げたり、イワンのように心を読むことだってできるんだ」
 ジェラルドの説明により、バビの驚きはさらに大きなものとなった。
「なんと、それはワシがレムリアで見た事がある。そうか、ワシはついに出会えたのか、レムリア人に…!」
 バビは喜色を浮かべていた。
 メアリィは訊ねた。
「あの、先程から何度も仰っているレムリア、とは何ですか?」
 バビの喜色は一瞬にして消えた。
「お主ら、特殊な能力を持ちながらレムリア人ではないと申すか?」
 ジェラルドが答えた。
「オレ達はハイディアって所から来たんだ。この2人は違うけど、2人ともレムリアなんて知らないぜ」
「そうか、またふりだしか…」
 バビはすっかり落胆していた。
「バビ様!」
 全員が振り向くと、そこにはトレビの戦士達がいた。町でロビン達に尋ねてきた者達である。「バビ様、まさかこのような場所に本当におられるとは」
「お主らが見つけてくれたのだな?」
「ええ…」
「バビ様にもしもの事があったら…、感謝の言葉もない」
 戦士は深々と頭を下げてきた。
「さあ、バビ様、町へ帰りましょう」
 バビは思い出したように訊ねた。
「そうじゃ、コロッセオはどのようになった?」
「トライアルがつい先ほど終わり、ファイナルが明日行われます」
「そうじゃったか、ファイナルには間に合いそうじゃな」
 バビは戦士達に連れられて歩き出した。ロビンの前をすれ違いざまにバビは何かを思いついたような顔をした。
「お主、名を何と言ったかな?」
 そういえば名乗っていなかった。ロビンは慌てて自分の名を伝えた。ついでに仲間の名も教えた。
「ロビン達、ファイナルが終わったらワシを訪ねてきてくれんか。話がある」
 少し歩いてからバビは立ち止まった。口元には笑みがある。
「どうなされました、バビ様?」
「お主、ロビンといったか、どうじゃ、ファイナルに出てはみぬか?」
 思いがけない誘いの言葉だった。