二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

機動戦士ガンダムRS 第11話 刃VS鎌

INDEX|1ページ/5ページ|

次のページ
 
サオトメは、ドゴス・ギアのブリッジでルナツーに補給要請を送っていた。
「貴様は、クラインの娘を解放した挙句に補給要請を送るとは何様だと思ってる?」
 しかしルナツーの司令官であるビリー・メイスン中将は、憤慨していた。
その様子をブライアン艦長が見守っていた。
「良いんですか?
補給を断ったらアマド将軍に中将が愛娘の船に補給を断ったと報告してもかまわないんですよ」
 サオトメの脅迫とも取れる発言にビリー中将は、苦虫をかんだような表情を浮かべた。
ブライアン艦長は、ため息をついた。
「わかった。
補給部隊を送る」
 そこで通信は、切れた。
「あの状況では、配属するのは素人ばかりだぞ」
 ブライアン艦長がサオトメに忠告した。
「戦時中において優れた指揮官とは、どういう人を指すと思います?」
 サオトメは、唐突にブライアン艦長に質問した。
「勝ち続ける指揮官だろ?」
 ブライアン艦長は、負け知らずの指揮官こそ優秀な指揮官だと答えた。
「違います。
戦争は、消耗戦です。
玄人が日に日に少なくなって素人が増していくのは、当然です。
優れた指揮官とは、そういう素人をいかに戦士にできるかです。
それができる指揮官こそ優れた指揮官だと思います」
 サオトメは、そういうとイワン曹長に命令した。
「イワン曹長、シグマン大尉をブリッジに呼んでくれ」
(それは、理想論だ)
 ブライアン艦長は、心の中でつぶやいた。

               ※

 キラは、アークエンジェルの廊下を移動していた。
「キラ」
 キラは、呼び止められて立ち止まり振り返った。
呼び止めたのは、フラガ大尉だった。
「ユーピテルを連続撃墜した時の事を詳しく教えてほしいんだが」
 キラは、そういわれてわけもわからずユーピテルを連続で撃墜したことを思い出した。
「すみません。
よく覚えていないんです」
 キラは、うつむいてそういった。
「そうか。
何か思い出したら些細なことでもいいから俺に教えてくれ」
 フラガ大尉は、キラの心情もわからず明るくそういった。
「わかりました」
 キラは、暗くそう答えて去った。
キラは、アルテミスでガルシア少将に言われた言葉を思い出していた。
「僕は、何でスーパーコーディネーターなんかに産まれたんだろう」
 キラは、もし自分がスーパーコーディネーターでなければこんなことにならず軍人からもその操縦方法を聞かれなかっただろうと感じていた。
トールたちが今艦の仕事の手伝いを行っている理由も自分の助けであってもっと言ってしまえばキラが新型モビルスーツを操ることができるからだとキラは、自分の産まれの不幸をのろった。

                ※

 ドゴス・ギアのブリッジでは、アーガマもどきを襲撃するかどうかを決めかねていた。
「確かに合流前に追いつきますね。
しかしこちらが敵の射程圏内に入るまで10分くらいですからそれまでに決着を付けないといけません」
 シグマン大尉が現状を説明した。
「10分で決着をつける。
いいな?」
 サオトメが2人に言った。

                ※

 モントゴメイリでは、乗員の1人が廊下を移動していた。
するとラクスがいる部屋のドアが開いた。
そしてそこからピンク色のボールが何か言いながら乗員のほうへ飛び出た。
乗員は、目の前でそのボールをつかんだ。
確かハロと呼ばれるロボットというのは、本国で聞いたことがあった。
「ラクス様」
 乗員は、ため息交じりでそういった。
このロボットが出てきたということは、持ち主も出るということだと思ったからだ。
案の定ハロをつかんだ手を下げると目の前には、ラクスがいた。
「ハロが散歩に出たいと言っています。
この子の趣味ですの」
 ラクスは、空中遊泳してこっち来て乗員の目の前で着地した。
「ハロが散歩の趣味を持っていてもモントゴメイリは、軍艦です。
いくらラクス様とは、いえ民間人がうろうろしてもいい船ではありません。
さあ部屋に戻ってください」
 そういうと乗員は、ラクスを部屋に戻した。
「どこに行ってもそういわれてつまりませんの」
 ラクスは、つまんなそうに言った。
「仕方ありません。
そういう現状ですから」
 平時であればクライン副大統領の令嬢ということもあり多少散歩は、許されただろう。
しかし今は、戦争中である。
戦争中であればいくらクライン副大統領の令嬢とは、いえ民間人が艦内を散歩しては困るのが現実である。
ラクスは、ため息をついた。
「あのお加減は、いかがでしょうか?」
 乗員は、ラクスを気遣った。
しかしラクスは、乗員が言わんとすることがわかっていなかった。
「救助したのがナチュラルどもだと聞いたのでもしからしたやつらにひどいことをされたのでは、と思いました」
 乗員がそこまで説明するとラクスもやっと理解し微笑んだ。
「私は、元気ですわ。
あちらの船でもサオトメ様がよくしてくれましたから」
「そうですか」
 乗員は、それを聞いて少し表情が暗くなった。
「あなたたちの中には、ナチュラルすべてが悪いという考えが多いですが私はそうは思えませんわ」
 ラクスは、無邪気にそういった。
「あなたは、単純です。
クライン副大統領の令嬢だからこそいいところを見せようとしてあなたを帰したに決まってるじゃないですか。
あなたは、ただただ利用されただけです。
コロニー軍は、コーディネーターの民間人を救助し相手に帰すが地球軍は迷わず殺すみたいなプロパガンダがコロニー本国で放送されているはずです」
 ラクスは、それを聞くと悲しい表情になった。
「私は、シーゲル・クラインの娘です。
向こうにもそれなりの利用価値は、あったでしょう」
 ラクスは、サオトメがそれが目的に自分を帰したとは信じられなかった。
「おそらく戦争の終結よりイメージアップのほうを優先したのでしょう」
 乗員は、コロニー軍の方針を推測した。
「失礼しました。
私は、これで」
 乗員は、これ以上いれば自分がラクスを不愉快にさせてしまうと判断し部屋を後にした。
「つらそうな顔ばからりですのね、このごろのあなたたちは」
 ラクスは、最近人々の笑顔というものをあまり見かけなくなった。
「にこにこしながら戦争をやる人間は、クズです」
 乗員がそういうとドアが閉まった。

                      ※

 アークエンジェルのブリッジでは、ラミアス艦長がはるか先を見ていた。
既に第8艦隊の本隊をレーダーに捉えていた。
「後30分程度で合流ポイント。
どうにかここまでこぎつけたわね」
 ラミアス艦長は、やや緊張感が欠けていた。
「索敵、警戒を厳に。
艦隊は、目立つ。
あちらを目標にくる敵もいるぞ」
「はい」
 バジルール副艦長の命令にロメロ伍長が答えた。
先のこともあり合流するまでは、バジルール副艦長は緊張感を持って対応した。
ラミアス艦長は、バジルール副艦長が優秀な艦長になると確信していた。

                       ※

 サイとカズイは、食堂で食事をしていた。
「いろいろあったけど後もう少しだね」
「ああ」
 平和な日常が一変し友人のため戦争の手伝いをした。