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こらぼでほすと 再来4

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 アレルヤは、その言葉の意味を尋ねようとしたが、ハレルヤが止めた。組織に居る人間なんて、マトモではない。たぶん、ニールも、ハレルヤたちのように、どこかで何かがあって普通ではいられなくなったのだろう。守秘義務の所為で、そこいらの事情は各人、知らない。触れてはならないことだ、と、ハレルヤは観察だけにした。暗い瞳は、遊んでいる家族連れを眺めて、さらに暗くなった。それから、ゆっくりと目を閉じて、ゆっくりと開かれる。開かれた瞳は、いつものピーコックブルーの明るいものに変わっている。
「とりあえず、ホテルへ荷物を置きに帰るか? 」
「ああ。」
「その後、俺だけで行って来るよ。おまえらも、遊びに行きたいだろ? 1900あたりに連絡してくれ。」
「わかった。荷物はいいのか? ロックオン。」
「後は、大したことはない。・・・・外泊希望なら、それでもいいけどさ。おまえら、まだ未成年だから二人で酒場とかはダメだぞ? それから喧嘩もダメだ。目立つことはするな? 」
 おまえはおかんか? と、ツッコミたくなるようなことを言って立ち上がった。
「おまえが外泊の場合は? 」
「おまえらを連れてる時は、そっちはしない。いや、おまえさんたちが、そういう遊びをしたいなら場所と方法は教えてやるけど? そろそろ、そういうことも経験しておくのも、いいかもな? 」
「わざわざ、保護者同伴ですることか? それ。」
「だって、遊び方なんて知らないだろ? 宇宙にいると、そういうことはできないから、こういう時にやっておくんだよ。次からは、ふたりで勝手にすりゃいいさ。」
「アレルヤが内で、もがいてるぜ? 」
「あー、アレルヤ、無理に、とは言ってない。おまえは? ハレルヤ? 」
「そうだな、やってみてもいいかもしんねぇ。」
「わかった。じゃあ、今夜にでも連れて行ってやる。アレルヤは、内で寝てろ。いくらなんでも、相手の生々しいのは見たくないだろ? 」
 ぎゃあーーやめてぇーーーとアレルヤは内で暴れていたが、ハレルヤは大笑いだった。どちらも対等に接してくれるニールならではのことだ。

 翌日、午後近くにホテルに戻ったら、ニールはいなかった。休暇なのだから、四六時中一緒に行動することもない。ふらりとハレルヤも外へ出た。アレルヤは内で意識を閉ざしたままだ。ハレルヤから声をかけなければ、浮上しない。昨日の公園を通りかかったら、ベンチにニールが座っていた。やはり、暗い目で荒んだ顔をして、公園を散歩するものたちを眺めていた。あれが、ニールの本来の顔なんだろう、と、ハレルヤも、それを見て通り過ぎた。ニールの内にあるものを知ったのは、ニールが消えてからだ。なるほどな、と、あの光景に合点はいった。潜む闇は、それほどに深かったということだ。それについては、感慨も何もない。ハレルヤもアレルヤも、そういうことか、と、納得しただけだ。ただ、まあ、どうせなら愚痴ぐらい吐けばよかったのに、とは思った。ニールは、そういう過去のことは何も口にしなかった。いつも、陽気な雰囲気を漂わせて、クルーたちと接していたからだ。それがニールの仮面だ。そこからは、誰にも踏み込ませなかったのだ。
作品名:こらぼでほすと 再来4 作家名:篠義