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こらぼでほすと 再来5

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 ティエリアとアレルヤが、そんなことを考えていた頃、ニールのほうは、ハイネに連絡して早々に大型バイクの教練の段取りをしていた。五日後に寺に届くので、それまでに乗れるようにして欲しい、と、言ったら、ハイネも二つ返事で了解した。練習用に、本宅にあるバイクを整備して運んでやる、ということで話も纏まった。

「ニール、マンションのカードキーを貸して? 」
 ファッションショーを終えたアレルヤがティエリアを片手でだっこして戻って来た。はいはい、と、居間のチェストからカードキーを取り出して、ニールも渡してくれる。
「ハイネには話をつけといたから、明日から練習できるぞ、ハレルヤ。それから、アレルヤ、マンションのほうは冷蔵庫も電気は入れてないから、何にもないからコンビニで飲み物とか買っていけよ? たぶん、冬仕様にはしてあると思うけど、してなかったら、こたつは、どこかの部屋にあるはずだ。えーっと、出すのが面倒ならホテルのほうがいいかもしれないなあ。」
 いろいろと注意事項を説明してくれるのだが、アレルヤは、大人しく拝聴する。別に一晩、過ごすだけだし、これといってやることもない。二人して日付変更線越えのお祝いというだけだから、用意も必要ではないのだ。
「別に、一晩なんだから大袈裟にすることはないよ、ニール。とりあえず、コンビニで食料だけ仕入れて行く。」
「くうちょうはあるんらから、だいじょうぶにゃ、にーりゅ。」
「風邪引かないようにな? クルマ借りて行くだろ? 駐車スペース、わかるか? 」
「ううん、タクシーで移動する。じゃあ、いってきまーす。」
「いってくるにゃ。」
 カードキーとティエリアの着替え一式だけ持って、アレルヤは玄関へ出た。いってらっしゃい、と、見送られて山門を抜ける。大通りまで、十数分の距離だから、ぶらぶらと公園を通り抜けていく。
「けーきは、あした、にーりゅがつくるにゃ。」
「そうなの? じゃあ、アイスケーキかジュレにしようか? 他に必要なのは花かな? 」
「はにゃやは、あっちにゃ。おりぃがかう。」
 大通りの向うにスーパーがある。そこに花屋もあったとティエリアが言う。誕生日のお祝いと言われても、アレルヤもティエリアも、ニールがやってくれたものしか知らない。だから、ケーキと花を用意するぐらいが関の山だ。ごちそうを作るのは、明日、ニールがやってくれるから、それもスルーだ。マンション近くのショッピングモールで適当にテイクアウトの料理を買ってお祝いするつもりだ。ただ、一番最初に、「おめでとう」の言葉を贈りたいだけだから、ふたりとも、そこいらはスルーの方向だ。
作品名:こらぼでほすと 再来5 作家名:篠義