機動戦士ガンダムRS 第12話 フレイの選択
モントゴメイリでは、民間人であるジョージ・アーガイル事務次官とラクス・クラインを脱出艇に乗せていた。
この脱出艇は、大気圏突入能力がある。
脱出艇には、既にアーガイル事務次官が乗っていた。
「残念ですわね。
皆さんとせっかくお会いできたというのにもうお別れなんて」
ラクスは、残念そうに言った。
「地球の皆があなたを心配しています。
早くお元気なラクス様のお姿を国民にお見せください」
案内人の乗員がそう説明した。
脱出艇の入り口では、コープマン艦長も敬礼し見送りに着ていた。
「コープマン艦長にもいろいろお世話を掛けました」
ラクスは、コープマン艦長に礼を言った。
「死神も民間船を襲うことは、ないでしょう」
コープマン艦長は、ラクスに身の安全を保障した。
「アークエンジェルは、追悼式典後くらいには戻られるのでしょうか?」
ラクスは、アークエンジェルというよりアスランが戻ってくるかどうかが気になった。
「それは、わかりませんが第8艦隊が全滅してでもアークエンジェルを地球に下ろすつもりです」
コープマン艦長は、そう誓った。
これが第8艦隊最後の仕事だということは、皆共通の気持ちだった。
その言葉にラクスは、表情をややゆがませた。
「戦果も重要なことでしょうが犠牲になるものもどうかお忘れなきを」
ラクスは、コープマン艦長に忠告した。
「肝に銘じておきます」
コープマン艦長は、お辞儀をして言った。
「何と戦わなくては、ならないのか。
戦争は、難しいのもですわね」
ラクスは、案内人にそういったが案内人は首をかしげた。
彼らにとって敵とは、国が認めたものでありそれを駆逐するのが軍人の仕事でありそのような「考える」という行為は「駆逐するもの」には不必要だった。
そのため軍人である案内人には、ラクスが言わんとすることがわからなかった。
「では。
またお会いできるときを楽しみにしております」
脱出艇は、地球に向け発進した。
※
アークエンジェルでは、デュエルガンダムにジンアサルトシュラウドを装備できるようにアサルトシュラウドを改造していた。
マードック軍曹は、もう少してこずるかと思ったが思いのほか短時間にできた。
※
アークエンジェルは、第8艦隊の本隊と合流した。
「180°回頭。
減速。
速度20%。
さらに相対速度、合わせ」
ラミアス艦長が命令するとアークエンジェルは、メネラオスの真横に位置した。
その様子は、食堂のモニターからも見られ避難民は安堵の表情を浮かべていた。
「しかしいいんですか?
メネラオスの横っ面に位置して」
ノイマン曹長が振り向いてラミアス艦長に質問した。
「ハルバートン提督がよく艦をご覧になられたいのよ。
後ほど自らもおいでになるということだし」
ラミアス艦長が皆に説明した。
「閣下こそGとこの艦の開発の1番の推進者でしたからね」
ハルバートン准将は、G兵器開発計画の責任者で戦艦と従来のMSとMAの混成部隊による物量戦ではコロニー軍に勝てないと考え地球軍版ガンダムとアークエンジェルの開発を推進した経緯を持つ。
※
アークエンジェルの廊下では、避難民がごった返しになっていた。
ラミアス艦長から事情を聞いたカズイがキラ以外に説明をしていた。
「民間人は、この後メネラオスに移ってそこでシャトルに乗換えだってさ」
そこでカズイが気づいた。
「俺たちも下ろしてもらえるかな?」
その心配にミリアリアが笑った。
「下りられるに決まってるじゃない。
軍服を着てても私たちは、もともと民間人ですもの」
ミリアリアの言葉に皆がうなづいた。
しかしフレイは、少し不安だった。
※
「少しお願いね」
そういうとラミアス艦長は、ブリッジを後にした。
「艦長」
バジルール副艦長は、そう叫ぶとラミアス艦長が乗っていたエレベーターに乗り込んだ。
「ストライクをどうするおつもりですか?」
バジルール副艦長は、唐突に質問してきた。
「どうってどういうこと?」
ラミアス艦長は、バジルール副艦長が言いたいことがわからなかった。
「あれだけの性能だったからこそスーパーコーディネーターの彼が乗ったからこそわれわれは、ここまで来れれたということはこの艦の誰もがわかっていることです」
エレベーターが開きラミアス艦長が降り廊下を移動した。
「艦長」
バジルール副艦長は、ラミアス艦長を追った。
「あなたの言いたいことはわかるわ、ナタル。
でもキラ君は、軍人じゃないのよ」
ラミアス艦長は、ここまででキラの仕事は終わったと感じていた。
「ユーピテル27機撃墜。
ユーピテルツヴァイ1機大破。
サラミス級巡洋艦3隻撃沈という戦果は、軍トップだということはお分かりのはずです。
それをみすみす手放すというのですか?」
バジルール副艦長がそう訪ねると不意にラミアス艦長が立ち止まった。
バジルール副艦長も立ち止まった。
「ストライクにキラ君を乗せることを1番反対していたあなたがいざ素質があるとわかれば無理にでも乗せるのね」
ラミアス艦長は、バジルール副艦長の身勝手さに憤りを感じていた。
「当たり前です。
われわれは、戦争をしているのです。
優秀な兵士に優秀な兵器を配備させ戦わせる。
間違っていますか?」
バジルール副艦長の言い分に何も言い返せずラミアス艦長は、去った。
バジルール副艦長は、それを黙って見送るしかなかった。
ラミアス艦長は、うつむいていた。
バジルール副艦長の言い分もわかるが自分をそこまで鬼にできなかった。
※
デュエルガンダムのアサルトシュラウド換装作業が終わった整備員とパイロットは、総出で今度はメビウス・ゼロの修理を行っていた。
「艦隊と合流したって言うのにどうして修理しなくちゃいけないんです?」
キラは、同じく整備しているフラガ大尉に質問した。
「不安なんだよ。
壊れたままだと」
フラガ大尉は、そう答えた。
「第8艦隊もパイロットは、素人しかいないのさ。
だからなんかあったら大尉に出てもらわないと」
マードック軍曹の説明でキラも納得した。
「それよりストライクは、どうするんです?
本当にあのままでいいですか?」
キラは、ストライクガンダムを心配した。
自分が書き換えたOSを元に戻そうか相談したが断られた。
「わかってるんだけどわざわざOS書き換えてスペックを下げるのも」
フラガ大尉は、ストライクガンダムを見上げて言った。
OSを書き換えればパイロットを選ばずに乗れるがそうなると性能が落ちる。
性能を下げてまで乗るものかどうかと聞かれると疑問が残る。
「できればあのままって思っちゃいますよね」
その声の方向を3人は、見た。
するとラミアス艦長が来た。
「艦長」
「あらら。
こんなところへ」
ラミアス艦長は、キラの横に着いた。
「ごめんね。
ちょっとキラ君とお話できる?」
キラは、少し警戒した。
「そんな疑うような顔をしないで。
無理もないと思うけど」
この脱出艇は、大気圏突入能力がある。
脱出艇には、既にアーガイル事務次官が乗っていた。
「残念ですわね。
皆さんとせっかくお会いできたというのにもうお別れなんて」
ラクスは、残念そうに言った。
「地球の皆があなたを心配しています。
早くお元気なラクス様のお姿を国民にお見せください」
案内人の乗員がそう説明した。
脱出艇の入り口では、コープマン艦長も敬礼し見送りに着ていた。
「コープマン艦長にもいろいろお世話を掛けました」
ラクスは、コープマン艦長に礼を言った。
「死神も民間船を襲うことは、ないでしょう」
コープマン艦長は、ラクスに身の安全を保障した。
「アークエンジェルは、追悼式典後くらいには戻られるのでしょうか?」
ラクスは、アークエンジェルというよりアスランが戻ってくるかどうかが気になった。
「それは、わかりませんが第8艦隊が全滅してでもアークエンジェルを地球に下ろすつもりです」
コープマン艦長は、そう誓った。
これが第8艦隊最後の仕事だということは、皆共通の気持ちだった。
その言葉にラクスは、表情をややゆがませた。
「戦果も重要なことでしょうが犠牲になるものもどうかお忘れなきを」
ラクスは、コープマン艦長に忠告した。
「肝に銘じておきます」
コープマン艦長は、お辞儀をして言った。
「何と戦わなくては、ならないのか。
戦争は、難しいのもですわね」
ラクスは、案内人にそういったが案内人は首をかしげた。
彼らにとって敵とは、国が認めたものでありそれを駆逐するのが軍人の仕事でありそのような「考える」という行為は「駆逐するもの」には不必要だった。
そのため軍人である案内人には、ラクスが言わんとすることがわからなかった。
「では。
またお会いできるときを楽しみにしております」
脱出艇は、地球に向け発進した。
※
アークエンジェルでは、デュエルガンダムにジンアサルトシュラウドを装備できるようにアサルトシュラウドを改造していた。
マードック軍曹は、もう少してこずるかと思ったが思いのほか短時間にできた。
※
アークエンジェルは、第8艦隊の本隊と合流した。
「180°回頭。
減速。
速度20%。
さらに相対速度、合わせ」
ラミアス艦長が命令するとアークエンジェルは、メネラオスの真横に位置した。
その様子は、食堂のモニターからも見られ避難民は安堵の表情を浮かべていた。
「しかしいいんですか?
メネラオスの横っ面に位置して」
ノイマン曹長が振り向いてラミアス艦長に質問した。
「ハルバートン提督がよく艦をご覧になられたいのよ。
後ほど自らもおいでになるということだし」
ラミアス艦長が皆に説明した。
「閣下こそGとこの艦の開発の1番の推進者でしたからね」
ハルバートン准将は、G兵器開発計画の責任者で戦艦と従来のMSとMAの混成部隊による物量戦ではコロニー軍に勝てないと考え地球軍版ガンダムとアークエンジェルの開発を推進した経緯を持つ。
※
アークエンジェルの廊下では、避難民がごった返しになっていた。
ラミアス艦長から事情を聞いたカズイがキラ以外に説明をしていた。
「民間人は、この後メネラオスに移ってそこでシャトルに乗換えだってさ」
そこでカズイが気づいた。
「俺たちも下ろしてもらえるかな?」
その心配にミリアリアが笑った。
「下りられるに決まってるじゃない。
軍服を着てても私たちは、もともと民間人ですもの」
ミリアリアの言葉に皆がうなづいた。
しかしフレイは、少し不安だった。
※
「少しお願いね」
そういうとラミアス艦長は、ブリッジを後にした。
「艦長」
バジルール副艦長は、そう叫ぶとラミアス艦長が乗っていたエレベーターに乗り込んだ。
「ストライクをどうするおつもりですか?」
バジルール副艦長は、唐突に質問してきた。
「どうってどういうこと?」
ラミアス艦長は、バジルール副艦長が言いたいことがわからなかった。
「あれだけの性能だったからこそスーパーコーディネーターの彼が乗ったからこそわれわれは、ここまで来れれたということはこの艦の誰もがわかっていることです」
エレベーターが開きラミアス艦長が降り廊下を移動した。
「艦長」
バジルール副艦長は、ラミアス艦長を追った。
「あなたの言いたいことはわかるわ、ナタル。
でもキラ君は、軍人じゃないのよ」
ラミアス艦長は、ここまででキラの仕事は終わったと感じていた。
「ユーピテル27機撃墜。
ユーピテルツヴァイ1機大破。
サラミス級巡洋艦3隻撃沈という戦果は、軍トップだということはお分かりのはずです。
それをみすみす手放すというのですか?」
バジルール副艦長がそう訪ねると不意にラミアス艦長が立ち止まった。
バジルール副艦長も立ち止まった。
「ストライクにキラ君を乗せることを1番反対していたあなたがいざ素質があるとわかれば無理にでも乗せるのね」
ラミアス艦長は、バジルール副艦長の身勝手さに憤りを感じていた。
「当たり前です。
われわれは、戦争をしているのです。
優秀な兵士に優秀な兵器を配備させ戦わせる。
間違っていますか?」
バジルール副艦長の言い分に何も言い返せずラミアス艦長は、去った。
バジルール副艦長は、それを黙って見送るしかなかった。
ラミアス艦長は、うつむいていた。
バジルール副艦長の言い分もわかるが自分をそこまで鬼にできなかった。
※
デュエルガンダムのアサルトシュラウド換装作業が終わった整備員とパイロットは、総出で今度はメビウス・ゼロの修理を行っていた。
「艦隊と合流したって言うのにどうして修理しなくちゃいけないんです?」
キラは、同じく整備しているフラガ大尉に質問した。
「不安なんだよ。
壊れたままだと」
フラガ大尉は、そう答えた。
「第8艦隊もパイロットは、素人しかいないのさ。
だからなんかあったら大尉に出てもらわないと」
マードック軍曹の説明でキラも納得した。
「それよりストライクは、どうするんです?
本当にあのままでいいですか?」
キラは、ストライクガンダムを心配した。
自分が書き換えたOSを元に戻そうか相談したが断られた。
「わかってるんだけどわざわざOS書き換えてスペックを下げるのも」
フラガ大尉は、ストライクガンダムを見上げて言った。
OSを書き換えればパイロットを選ばずに乗れるがそうなると性能が落ちる。
性能を下げてまで乗るものかどうかと聞かれると疑問が残る。
「できればあのままって思っちゃいますよね」
その声の方向を3人は、見た。
するとラミアス艦長が来た。
「艦長」
「あらら。
こんなところへ」
ラミアス艦長は、キラの横に着いた。
「ごめんね。
ちょっとキラ君とお話できる?」
キラは、少し警戒した。
「そんな疑うような顔をしないで。
無理もないと思うけど」
作品名:機動戦士ガンダムRS 第12話 フレイの選択 作家名:久世秀一